自らを切りつけると相手の同じ場所がざっくりすっぱり。
勿論、加えられた攻撃はそっくりそのまま相手に返す(自分も傷つくので正確には返しているわけではありませんが、こっちは既に死んでいるので限りなく返すと同義)。
これぞ究極のベクトル操作。
一度アクセラレータと戦わせてみたいものです。
「デッド・ガール」
(2015年/アダム・エジプト・モーティマー監督)
学校でいじめに遭い、ブチ切れて相手の顔面をフォークでぶっ刺したリンカーンくん。
1発刺したくらいでやめないで目玉のひとつも抉り出してやればいいのに、それができないから押さえつけられて袋叩き。
このタイトルの出し方はかっちょいい。
どう考えても苛めっ子の方が悪いのに凶器攻撃が祟って収容施設行き。
そこは少年院のような所ではなく、精神論で心を癒すちょっとカルトな共同生活コミュニティ「心の目アカデミー(MIND’S EYE ACADEMY)」。
しかし、ここでも目をつけられ苛めの対象になってしまうリンカーン。
ひと気のない地下倉庫でエンドレス呪詛。
『みんな死んじまえ!死んでくれ!』
『…殺しましょ。あなたと二人で』
それはかつてこの施設で苛めに遭い殺された(表向きは自殺として処理された)少女モイラ・カープの霊。
デッド・ガールという邦題からてっきり女性が主人公かと思っていたら、陰気な兄ちゃんが出てきたので「あれ?」っとなりましたが、そういう事ね。
で、このモイラがリンカーンに代わって苛めっ子を屠っていくのですが、殺し方が凄まじい。
カミソリの刃で自分の体を切り刻み、同じ痛みを相手に贈る一心同体プレイ。
最後は自らの喉笛を掻っ切って、水芸のプレゼント。
モイラ自身は既に死んでいるので、喉切り裂いてもちょっと根性入れれば元に戻ります。ただ痛覚はあるようなので、相当の痛みを伴う殺し技ですね。
ここでリンカーンが尻馬乗って『皆殺しだぜひゃっは~』にでもなれば、勢いがつこうってもんですが、何せヘタレなので最初の一人が死んだ時点でビビって尻込みモイラがっかり。
あなたのために殺ったのよ💛
まあ、モイラはモイラで自分の復讐もあるので、今更やめられず、リンカーンくんの意思に反して死体の山を築くことに。
「キャリー」「デビルスピーク」あたりがお好きな方は結構イケると思います。
★ご参考
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★本日のTV放送【13:35~テレビ東京/午後のロードショー】
★★★★★★★★★★★ STOP PRESS! ★★★★★★★★★★★
追悼:桑田二郎
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漫画家・桑田二郎(旧ペンネーム:桑田次郎)先生がお亡くなりになりました。
7月2日。老衰。85歳。
桑田先生と言えば「デス・ハンター」、そして「ウルトラセブン」。
一目で分かるクールなタッチ。楳図先生や水木先生は頑張れば模倣可能かもしれませんが、桑田先生の絵柄はちょっと再現不能な気がします。
ご冥福をお祈りいたします。