倉庫街の裏手に屯(たむろ)する港湾労働者風の男たち。
現れたのは、口入屋の元締め…ではなく。
『諸君、よくぞ集まってくれた。私は秘密結社アガスティアの参謀、メギストス。本日は戦闘員募集に集まってもらい誠にありがたい』
戦闘員って「募集」するものなのか!? 告知はどこに?ハローワーク? インディード?
希望者の中には、アガスティアの内偵を命じられた魔法少女ピリアマギアの二人も。
『それでは…選別を開始する!』
秘密結社戦闘員の選別試験とは!?
「怪人開発部の黒井津さん/第8話・亡者の巣くう根城に住む悪しき魔物たちは、その邪悪さ故に同志を恐れ、互いに敵のまた敵とまみえる」(2022年3月5日深夜テレビ朝日放送/安藤貴史演出)
『では始めよう。呼ばれた順に奥の部屋に入ってくれ。選抜番号1番と2番』
1番と2番は魔法少女コンビ。勿論、気合の入った変身バンクのフリフリコスではなく私服。
『わざわざ変身した後、コスチュームを着替えるなんてショックだったよ~』
変身後、脱いで着替える魔法少女。何と言う斬新な発想。
通された奥の部屋で待っていたのは…
『それでは自己紹介と弊社を志願した理由を聞かせてもらえるだろうか』
《普通に面接だぁ~!》
問いは王道、答えは鉄板。正論で塗り固めた仮面と仮面。いやあ、採用に関わっている立場の人間としては、こういうカリカチュアは何とも尻の据わりが…。
完璧な受け答えをした二人ですが、結果は不採用。理由は年齢制限。どこまでホワイトなんだアガスティア。
正体もバレていた魔法少女、もはやこれまでと戦闘モード…ってそれ悪代官の行動パターンじゃね?
勿論、メギストスの方が1枚も2枚も上手(戦闘中も面接は続行)。後に残っていたのは「お祈りメール」(の張り紙)。
魔法少女が去ったあと、再び現れたメギストス。倒れた机と椅子を元に戻して、
『では次の方!』(続けるんかい、面接)
一方、黒井津さん。
今回の新怪人は、対ブレイダー特化型。ブレイダーの攻撃パターンを学習してその場で対応する覚醒狂獣怪人バンダースナッチ。
ブレイダーの剣筋を読んでかわして必殺の攻撃を仕掛けますが、ブレイダーが《セカンドフォーム》を発動するという想定外の動きを見せたため無念の敗退。
セカンドフォームの発現よりも、今まで負け続けていた相手がただの初期形態だった事実にショックを受ける佐田巻博士。
そりゃさんざっぱらやられ続けてきた相手が実はサナギマンだったとなりゃ、ねえ。
落ち込む黒井津さんの前に現れたメギストス。
『反省は良いが責任を感じる必要はないな。組織で動く際、責任を意識し過ぎると、有事の際の責任逃れのために、過去の成功例を踏襲した無難な仕事しかこなさなくなってしまう。優秀な人間の能力は有効に使われねばならん』
次の《理想の上司アンケート》には「絶対零度参謀メギストス」と答えたいと思います。
そのメギストスの面接は陽が傾いても続いておりました。
やって来たのは派遣バイト戦闘員の水木さん。
『どうせやるならバイトじゃなくて正規採用の方がいいんじゃないかなぁって』
何と非正規から正規への転向を画策していたのか水木さん。
必死にこれまで自分が働いて来た「悪事(勝手に唐揚げにレモン汁をかけたとか、1億円札の偽札を持っているとか)」を並べる水木さんでしたが、やがてマイナス思考の心情吐露に。
独りでは何もできず、役に立たず、人から必要とされず…。
そんな水木さんを迎えに(拉致りに)来た戦闘員派遣リーダーの松山さん。
『水木ちゃん、現場あるって言ったでしょう。こんな所で何やってんの?』
『でも私、全然役に立たなくて、邪魔にしか…』
『何言ってんの。水木ちゃんがいないと駄目なの。行くよ』
嵐のように去っていく二人。ひとり残されたメギストスは…
『では次の方!』(まだ続けるんかい、面接)
★本日3月9日はジャック・スマイト監督(1926~2003)の誕生日。
「エアポート75」も捨てがたいですが、やはり偏差値をググっと落としたこちらが代表作でしょう。
★本日のTV放送【20:00~BS日テレ/3月は!高倉健名作選】