ナチスの「ナ」は、なんでもアリの「な」。
※多分「チ」は地球外の「チ」、「ス」はスーパーナチュラルの「ス」だと思います。
ナチ噛ましておけば、ネタの範囲は無限大。
「ブラッド・シップ」(2019年/ジャスティン・ディックス監督)
第2次世界大戦末期。洋上を漂うゴムボートひとつ。
乗っているのはUボートに撃沈された連合軍の病院船の生存者7名。
軍人・怪我人・看護婦・料理人・捕虜。英米露混成。
水も食料も尽きた時、目の前に現れた大型船。フラッグポールにたなびいているのはナチスの旗。
ここで餓死するよりはマシと何とか乗り移ってみたものの人の気配なし。
操舵室に入ってみたら血管が壁を伝っている面妖な死体が…。
本作の原題は「BLOOD VESSEL」。VESSELは「水上運輸のための船」を指しますが「管」という意味もあり、BLOOD VESSELで「血管」となります。
一応ダブル・ミーニングになっているようで、無理矢理訳せば「血艦」って感じになりますでしょうか。
艦長室には「死者の書」にしか見えない本が。
海外版BDのジャケットはこの書を模していてなかなかに”いい感じ”。
まあ、ナチスさんが怪しげな積み荷を運んでいる最中にあれやこれやがあって、乗組員全滅、艦長自殺という「物体X」のノルウェー基地状態になったようです。
積み荷が何かってのは、船内生き残り少女がルーマニア語を喋っていたり、こんな👇謎アイテムがあったりしたりでお察しなのですが、ナチが運んでいたという時点で積み荷は何でもいいんですよ。
聖遺物封印詰め合わせセット。
ゾンビでもノスフェラトゥでもエイリアンでも魔道士でも(そう言えば「ヘルレイザー ワールド・オブ・ペイン」の舞台はルーマニアでしたね)。
一応、ルーマニアの伝承由来のものが積まれていたわけですが…。
お話は見事なくらい「エイリアン」「同2」を模倣して展開するのですが、ジャンルがホラーなのでそれなりのお約束を守った結末になっております。
オーストラリア映画だからという訳でもないでしょうが、どうにも地味。ホラーと言うよりは英国風怪奇譚寄りの仕上がり。
それはそれで味わいですが、もちっとこうハンス・ジマー系ドンガラBGMとか掛けてくれた方が盛り上がったかなぁと(カーペンター系シンセでも可)。
オリジナルポスターと日本版DVDジャケ。
ナチスの旗を隠し、背景に積み荷とは無縁の骸骨をあしらったりしてネタバレを回避しようとしている姿勢は評価したいと思います。
ついでなので、ルーマニアが舞台の作品をどどんと並べてみましょう。
★ナチ×ルーマニアと言えば、
★吸血鬼×ルーマニアと言えば、
★魔道士×ルーマニアと言えば、
☜ランキング投票です。ルーマニアに行ってみたい人はワンポチを。
★本日9月12日は「鳥取県民の日」(ルーマニアに対抗できるのは鳥取しかない)。
鳥取県は1876年(明治9年)に島根県に編入されて消滅しましたが、1881年(明治14年)のこの日、島根県から分離、現在の鳥取県が誕生しました。
最近、鳥取が出て来たアニメと言えば…
鳥取を舞台にした映画にはこんなのも
そして鳥取を妖気で覆う偉人と言えば…
🎉祝!「殺しの烙印」ベネチア国際映画祭/最優秀復元映画賞受賞🎊
第79回ベネチア国際映画祭のクラシック部門(ヴェニス・クラシックス)で、鈴木清順監督の『殺しの烙印』4Kデジタル復元版が、アジア映画として初めて最優秀復元映画賞を受賞しました。
そんな賞があることを初めて知りましたが、過去1年間に復元されたクラシック作品の中から、特に優れた作品を選出しているんだそうです(設立2012年)。
なにはともあれおめでとうございます。
では本作のカルトっぷりを再確認いたしましょう。
★本日のTV放送【13:30~BSプレミアム/プレミアムシネマ】