デストピア経典~曼荼羅畑でつかまえて(三代目)

B級カルトな特殊映画、ホラーにアニメに格闘技、酒にメタルにフィギュアに銃。日頃世間ではあまり顧みられる事のないあれやこれやを過剰なる偏愛を以てご紹介いたします。

見事なほどに画と台詞が合っていない。 夢見る男子は現実主義者 #4

完璧美少女・夏川愛華(なつかわ あいか)にウザ絡みしていたが、ある朝突然我に返って一切の背伸びをやめた男、佐城 渉(さじょう わたる)。

夏川の人間関係を壊さぬよう、モブに相応しい一歩も二歩も引いたスタンスを心がけるようになりましたが、急に距離を置かれた夏川には戸惑いが…。

特に褒めるところはないものの、各々のキャラのひねくれ具合は結構好みで、意外にも嵌りつつあったのですが、滅茶苦茶な作画がこちらの歩み寄りを全身で拒絶。

なんじゃこりゃこりゃ。

「夢見る男子は現実主義者/第4話・ダークブラウン?なんかカッコ良い響きだな」(2023年7月24日深夜テレビ東京放送/藤中達也演出)

昼休み。群れから離れてひとりランチタイムを楽しもうとする佐城。

『いつも埋まっている窓際の席が空いている!?』

いやそこ中庭のテラス席で窓際でもなんでもないだろ。

原作だと学食の窓際のカウンター席に座るのでこの台詞があっても違和感がありませんが、中庭じゃ…。

『その後ろ姿は佐城か?』

風紀委員の四ノ宮先輩が声をかけてくるのは原作通りですが、どう見ても四ノ宮先輩、佐城の真正面に座ってるじゃん。その位置から佐城の後ろ姿が見えるってどんな目してんのよ?


原作だと窓際カウンター席の背面のテーブルに陣取っているので、自然と後ろ姿を見る事になりますが。

茶髪に染めた頭をほったらかしにしておいたため、頭頂部が黒くなってプリン頭になった佐城。

ダークブラウンの毛染め剤を買って来て染め直しに挑戦しましたが、ブラウンと言いながらこれが思いのほか黒い。

『黒過ぎない?』

と台詞では言っていますが、絵は全然黒くなく、ライトブラウン(つまり茶髪のまま何も変わっていない)。


ダークブラウンは私も愛用(勿論、白髪染めとして)していますが、ほとんど黒です。

また作画を海外に丸投げしたのかと思いましたが、そういうわけでもないみたいです。

よく気付いたな、愛華


ここまで画と台詞が合っていないと気になってお話に集中できません。

その肝心のお話も舵切りが変。

『さじょっちはきっと愛ちにとって居場所のひとりなんじゃないかな』

原作では愛華の友人・芦田 圭(あしだ けい)が佐城に向かって言う台詞ですが、アニメでは愛華に向かって言っています。


同じ台詞でも佐城に言うのと愛華に言うのでは意味合いが異なってきます。

ここは間違った方向に距離を置こうとしている佐城を諭す(気付かせる)意味で原作通り佐城に投げかけるべきでした。

あと、お話の流れは愛華が佐城を単独で自宅に招き、妹・愛莉に会わせる方向に行くはずなのですが、そのポイントは何故か全スルー。

別の機会に持ってくる気なのかもしれませんが、「愛莉が佐城以前に別の男子(佐々木)に懐いたのが気に入らない」という前フリはちゃんとあるので、そこに落ちないのは滅茶苦茶不自然。

各キャラ(特に女子)は総じていい感じなので、もちっと上手に話を転がしてほしいなあ(古賀×横手でこの出来はない)。


※タイトル画は風紀委員トリオと昼食を共にした際、男子に対して物怖じしなくなった稲富ゆゆ先輩を『誰ですか、あの天使?』と評したら四ノ宮先輩に『訂正しろ、大天使だ』と突っ込まれ、『彼氏でも出来たんですか?』と言ったら『そんな訳あるか!』と頬を抓られた場面。うん、いいですね、四ノ宮先輩。

 

 

 

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★本日7月28日は、ヨハン・ゼバスティアン・バッハ(1685~1750)の命日。

楽曲使用の映画/アニメは数知れずですが、特にお気に入りはこの2本(2曲)。

次点は「新世紀エヴァンゲリオン Airまごころを君に」でタイトルにも使われた「AirG線上のアリア)」でしょうか。