デストピア経典~曼荼羅畑でつかまえて(三代目)

B級カルトな特殊映画、ホラーにアニメに格闘技、酒にメタルにフィギュアに銃。日頃世間ではあまり顧みられる事のないあれやこれやを過剰なる偏愛を以てご紹介いたします。

【50秒に1件】怪奇大作戦/第22話・果てしなき暴走【38秒に1人】

『交通事故なら50秒に一件、犠牲者は38秒に1人だ。今こうして話している間にも、どこかで誰かが車の犠牲になっている。だから…気にするなとは言えんが、彼女は運が悪かったんだ…』

いやあ、バカップルの暴走車両に激突&轢殺されたのを(しかもその車は盗まれたとはいえ、SRIの社用車だぞ)「運が悪かった」で済ますのは如何なものかと思います(クール過ぎるぞ牧史郎)。

怪奇大作戦/第22話・果てしなき暴走」(1969年2月9日放送/市川森一脚本、鈴木俊継監督)

排気ガスと共にドライバーを狂暴化させる精神錯乱ガスをまき散らす謎のスポーツカー。

吸引したドライバーは「何ぴとたりとも俺の前は走らせねぇ!」なオラオラ状態になって大暴走(大抵はそのまま事故死。紙製かよ!?というくらいよく燃える)。

ガソリンスタンドで電話中に特殊車両トータス号をフーテンのバカップルに盗まれるというオマヌケぶりを見せた三沢(勝呂誉)。

逃走中のトータスの後方から現れた真っ赤なスポーツカー。


その直後、トータス号は暴走。挙句、女子大生を轢殺(ただでさえ出番の少ないトータス号が事故物件車両に!)


一方、野村(松山省二)は友人の中古車販売業者から事故物件車両を格安(1万円!)で購入。


助手席に三沢を乗せて颯爽とドライブ。その前にやたら排気ガスをまき散らす真っ赤なスポーツカーが。

突如、戦闘モードになった野村は自分を追い越したミキサー車に絡みまくりますが、事故る寸前に三沢がサイドブレーキを引いて停車(時間が経つと意識は戻る)。

野村が狂う直前に前を走っていたスポーツカーが怪しいと思った三沢は、驚異の写真的記憶力でナンバーを思い出して特定(嘘ぉ)。

車の持ち主は、タレントの眉村ユミでした。

三沢はユミの車を追尾して神経錯乱ガスのサンプル採取に成功しますが、吸引もしてしまい錯乱秒読み。

こりゃヤバイと判断した牧が遠隔操作で緊急脱出スイッチ・オン!

ルーフが開いて運転席射出(ダイハード2ですね)。パラシュート開いて無事降下(一体何十m打ち上げられたんだ? 因みに飛行機から飛び降りる場合の最低高度は300m以上だそうで、これ以下だとパラシュートの減速効果が得られず、地面に激突するそうです)。

無人となった車はそのままガードレールぶち抜いて落下。下にあった墓地に激突して爆発炎上。


トータス号の女子大生轢殺に続いて社用車の危険運転&墓地丸焼き。罰当たり組織ですSRI。

眉村ユミの車が元凶と確信したSRIは運転手であるユミのマネージャーに接触

車の整備は駐車場の整備士に任せている、との証言を得たSRIは駐車場に張り込み、整備士を追い詰めますが、目の前で別の車に景気よく跳ね飛ばされ…。

『俺じゃねえ、俺じゃねえ…頼まれたんだ』

救急車の中で的矢所長と三沢に告げる整備士。

『頼まれた? 誰に?』

『…車』

言い残して事切れる整備士。


『車…東京だけでも200万台の車があるんだ』

『それじゃあ、これから一体、何を目標に犯人を捜せばいいんだ』

愕然とする三沢のアップからエンディングテーマ。

何も解決しないまま幕。オチもヒントも無し。ほぼ怪談。

本作、全編に渡って「」が氾濫しています。

真っ赤なスポーツカー。精神錯乱の合図である赤目と赤い視野。救急車の赤いランプ。

不思議だったのは、この精神錯乱ガスがドライバーにしか効かないということ。助手席にいた人間にはその兆候すら表れませんでした。

ハンドルを握る事によって脳内分泌される何かが精神錯乱を誘発していたのかもしれません。

もしそうなら、ドライバーには予め精神錯乱の因子が組み込まれている(もしくは精神錯乱の因子を持った者がハンドルを握った時に神経ガスが有効に機能する)という事になります。

実は「攻めた」内容のエピだったのかも。

★ご参考~無人の車が大活躍するホラー3選。

 

 

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