世間的にはあまり評判の宜しくない作品ですが、いやいやいや、悲しくもかっちょいい男のドラマでございます。
「鷲は舞いおりた」(1976年/ジョン・スタージェス監督)
ヒトラーの戯言で始まったチャーチル誘拐計画。
実行の可能性のみ検証してお茶を濁すつもりが「あ、なんかいけそうじゃん?」。
指揮者は隻眼・義手のマックス・ラードル(ロバート・デュバル)。どう見ても“ワルキューレ作戦”のシュタウフェンベルク少佐です。
実行部隊はシュタイナー(マイケル・ケイン)率いるパラシュート部隊。
反体制的で部下想い、鉄十字章も取ったシュタイナーと言えば・・・。「戦争のはらわた」は前年75年公開なので、2年連続シュタイナー大活躍。
IRAのリーアム(ドナルド・サザーランド)は斥候として諜報活動を。まんま「針の眼」(81年)。
にしてもサザーランドはスマートですね。シルエットがルパン三世。
ヒムラー役のドナルド・ブレザンスが物凄い存在感。トリート・ウィリアムスはやっぱ小物だなあ。
ラロ・シフリンの音楽もいい。シュタイナー脱出の時間稼ぎで教会に篭城した部下の一人がオルガンで奏でるマーチは正に自らの葬送行進曲。泣けます。
★ご参考:本家(?)シュタイナーはこちら。