誰が思いついたのか知りませんが、素晴らし過ぎるタイトルです。
「女体渦巻島」(1960年/石井輝男監督)
にょたいうずまきしまですよ、にょたいうずまきしま。漢字にしてもひらがなにしても淫靡で猥雑。
舞台は東洋のカサブランカ、対馬。玄界灘に浮かぶ悪徳と汚濁の島(ってテロップが出るんですよ、冒頭に)。
東南アジアへの麻薬中継基地を仕切る百合(三原葉子)、裏で暗躍するボス陳雲竜(天知茂)、そして、陳に百合との仲を引き裂かれ復讐に燃える大神(吉田輝雄)。
なんてプロットはもはやどうでもいいです。この映画をカルトたらしめているのはひとえに中盤で三原が披露するダンスシーン。
グっとアブサンをストレートで煽った三原がキャバレーのダンスフロアで踊る踊る。
その摩訶不思議な振り付けはダンスと言うより暗黒舞踏。最初の“お~星さ~ま~、キーラキラ”な手の動き(しかも完璧な無表情)に心拍上昇(呼吸は停止)。
歌も変(歌ってる奴も変)。幻覚入り混じる不思議時空。
もともとアブサンには原料であるニガヨモギに含まれるツヨンという物質による幻覚作用があると言われています(今は成分調整されて危険はありませんが)。
ある意味、アブサンの正しい映像表現と言えなくもありません(笑)。
因みにアブサンの度数は70度~89.9度(現在は40度くらいのものもある)。間違ってもストレートでくいくい煽る酒ではありません(良い子は真似しないようにね)。
新東宝のロゴ(これも何か変)と“製作:大蔵貢”の文字がカルトの誉れを上塗りしています。
三原葉子の暗黒舞踏全編を観たい人はここいらへん参照→http://www.youtube.com/watch?v=TzNcRpAvjAI
※参考:「岡田奈々!岡田奈々!岡田奈々! 暴力戦士」→2008年10月7日