
気がついたら周りは繭まみれ、空は巨大な蟲まみれ。
前フリ無しでいきなり状況開始という幕開けは実に潔い。これで開き直った弾け方をしてくれたら言う事無しだったのですが・・。
※いやぁ、東北の惨状を見るにつけ、こんな駄文を捻っている場合じゃねぇよなぁとは思うのですが、ご容赦ください。という訳で、
「ビッグ・バグズ・パニック」(2009年/カイル・ランキン監督)
どう贔屓目に見てもダメダメな青年クーパー(クリス・マークエット)は、独善的父親のコネで就職先を得ますが、“持ち前の”悪ふざけと遅刻癖が効を奏してあえなくクビ。
クビ宣告の瞬間、超音波襲来。気がついたら自分は繭、回りにも繭人間がごーろごろ。
なんじゃこりゃあ!と思ったら1.5mはあるクワガタの親分みたいな昆虫が!
繭を破って生きている奴集めて、さあ、どうしよう。篭城か、脱出か。
と書くと「おいおい、ミストかよ。って事は嫌な奴と権力争いか」と物凄い不安感に包まれますが、ご安心ください。
邪魔そうな奴からちゃっちゃか殺され(殺し)ちゃいます(描写も結構エグい)。
一応、コメディという体裁なのですが、笑えそうな所は予告に出ていた部分が全てで、全体的に真面目な作り。
こういう作品を観る時にヘネンロッターとかカウフマンとかユズナを基準にするのも如何なものかとは思いますが、弾け方が足りないのが実に残念。
伏線はちゃんと回収していますし、蟲人間の描写とかもそこそこ。こんなB級に注文つけるのは無いものねだりかもしれませんが、無茶してこそB級でしょう。
あと主人公のキャラは好き嫌いが分かれるでしょうね。同じ駄目キャラでも、「ゾンビランド」は応援したくなりますが本作はちょっと・・。
色んな意味で“惜しい”映画です。
※参考:「ダラボン悪意の満漢全席。 ミスト」→2009年5月22日
「そこはオタクの桃源郷。 ゾンビランド」→2011年2月7日