
ヘンゼルとグレーテルがお菓子の家で魔女を倒して15年。
逞しく成長した二人は“ウィッチ・ハンター”としてその名を轟かせておりました。
この嘘は買いです。
「ヘンゼル&グレーテル」(2013年/トミー・ウィルコラ監督)
所謂ダークファンタジーという奴で普段なら手を出さないジャンルですが、監督が「処刑山」「処刑山2」の人となれば素通りする訳にはいきません。
抑制の効いたゴア描写がほど良く散りばめられているバランス感覚もさることながら、「この人まだここでは死なんだろう」という予想を景気良く裏切りまくって死体の山を築くあたり、流石の呼吸です。
「時代考証って何?」な銃火器の数々も素敵ですが、ヘンゼルとグレーテルが持っている架空の得物が素晴らしい出来。
まずはグレーテルのリボルバー。ノックガンタイプのフォルムが美しい(誰か商品化して)。

スナイパー・ライフルっぽい奴も。
グレーテルのボーガンは上下2連式。左右に90度開けば、挟み撃ちを仕掛けてきた相手を同時に射抜くことができます。

更に、足踏みジャッキ式スタンドのついたガトリングまで。何でそんなものが、などと考えてはいけません。心にペキンパーを宿した人間なら、どんな時代であってもガトリングの一丁や二丁出すことができるのです。

木っ端微塵に舞い踊れ!
勿論、相手が魔女ですから魔法っぽい武器もあります。で、ここが重要なのですが、これだけの得物を並べながら、闘いの大半は痛みの伝わる近接格闘なんですね。

ヘンゼルもグレーテルも結構盛大に出血しています。安易にチートなヒーローものにしない辺りも好感度大です。