
ラジオの短波で受け取った暗号を乱数表で解読して任務実行。任務は暗殺。
CIA捜査官エマーソン・ケント(ジョン・キューザック)は任務遂行時にちょいとやらかして左遷。
左遷先は英国の片田舎。旧米国軍事基地を利用した乱数放送局ナンバーズ・ステーション。
「殺しのナンバー」(2013年/カスパー・バーフォード監督)
ナンバーズ・ステーションの役目は宝くじの販売ではなく、暗殺実行のサインを暗号で送ること。要するに「殺(や)っちまいなー!」のキュー出しです。

エマーソンのお仕事は、暗号作成のスペシャリスト、キャサリン(マリン・アッカーマン)の護衛と放送局の安全確保。
実はこの二つ、何もなければ良いのですが、非常時には二律背反な指令になります(放送局の安全確保=暗号作成者の消去)。

70年間破られることのなかった放送局に襲撃者が。エマーソンは侵入者を一掃しますが、CIA要人15名の暗殺指令が放送されてしまった事が発覚。
本部の指示は『暗号作成者を消去して撤収せよ』。
受信者が暗号解読に使用する乱数表は1回限りの使い捨て。暗殺指令を解除するには対応する乱数を解かねばなりません。更に外には強行突入を図るテロリストの残党が。
申し訳程度のアクションはありますが、話の大半は放送局という閉鎖空間で展開されるので恐ろしく地味。

そこを補えるものがあるとすれば、エマーソンとキャサリンの関係性、襲撃者のキャラ立ち、暗号を使ったトリック、放送局に仕掛けたトラップなどですが、これが見事に無い。まるっと無い。
いっそアクションシーン無しの知能戦に特化すれば激渋なオヤジ映画になったかもDれません。
暗号放送局という特殊な施設、英国の田舎の風景などいい感じの見所があるだけに何と言うか凄く残念。
あとオチが甘すぎ。CIAはそんなにスイートな組織ではないでしょう。