既に過去の話になってしまいましたが、2月16日は“巨大隕石2016WF9が地球に衝突して巨大津波が起きる日”だったそうです。
ネタ元は英国のゴシップ誌「Daily Mail」。詳細はこちら。
無事生き残れた記念にこの作品を。
「天空が燃えつきる日」(1961年/パオロ・オイシュ監督)
allcinemaでは「天空“の”燃えつきる日」となっていますが、現在入手可能なDVDの表記に従い「天空“が”」とします。
人類初の有人原子力ロケットによる月軌道実験。1961年と言えばアポロ計画の前準備である無人ロケット「サターンⅠ」の試射が行われた年。
機を見るに敏な(しかも1歩先ゆく)企画です。
計器の不具合により月軌道を外れたロケットからパイロットは脱出。が、原子力エンジンが切り離されなかったため、ロケットは原爆と化しアステロイド小惑星群に激突&爆発。
その核爆発エネルギーによって小惑星帯の隕石群が地球へ。
という「メテオ」+「妖星ゴラス」な展開。
話のテンポが尋常ではありません。「あれ、俺倍速ボタン押したっけ?」なスピード。
飛んだ、ミスった、爆発した、降ってきた、えらいこっちゃになった、各国協力して迎撃した、めでたしめでたしまでを一気呵成(何とここまで78分)。
無駄が無いなどというレベルではありません。ディザスタームービーに人間ドラマは不要だと思っているので心地良さ満開。
大体、人類の存亡という大一番の前に家族の絆とか夫婦の愛情とか父親の復権とか親子の和解とかどーでもいいです。
如何にこの災厄を回避するかの叡智こそがドラマ。
唯一例外を上げるとすれば「メランコリア」でしょうか。この作品だけは人類の滅亡と鬱病患者の心の開放を同じ土俵で秤にかけた傑作として語り継がねばなりません。
さて、本作の見どころの一つは各国から次々打ち上げられるロケット映像(核を積み込んだ迎撃ミサイルとして打ち上げているという想定)。
全て実在するロケットの資料映像なので、ある意味貴重。
資料映像以外の撮影を手掛けたのはマリオ・バーヴァ。
後にホラーの世界でブイブイ言わす監督の陰影あるモノクロ映像を堪能しましょう。