『あるSWATチームに最新の人質救出技術を教えてやってほしい』
『場所は?』
『デトロイト』
『ホノルルやマイアミに派遣されている奴もいるのに?』
どうやらデトロイトは超貧乏くじの様です。
確かに「ロボコップ」では財政破綻した挙句、警察はオムニ社に買収され、治安最悪の街になっていました。
そりゃ映画の話だろ、と言うなかれ。2013年にデトロイトは連邦破産法9条の適用を申請、負債総額180億ドル超えという米国自治体としては最大規模の財政破綻都市に。
“デトロイト・財政破綻”で画像検索したらこんな写真がうじゃうじゃ。
鉄鋼・自動車産業の衰退→大量失業→人口流出→税収ダダ減り→公務員減少→公共サービス低下(街灯の4割が消え、公園の7割が閉鎖)。当然、警察官も人員削減。結果、犯罪率上昇。デトロイトは「全米で最も危険な都市」と言われるまでに。
何と「ロボコップ」は預言の書だったのですね(消防署とかマジに売りに出されているみたい)。この破綻から遡ること2年の2011年に本作は撮影されました。
(2011年/ベニー・ブーム監督)
お馴染みの“あの曲”が景気良くかかる正統派続編。
元FBI、イラクでの戦闘経験もあるLAPDのポール・カトラー(ガブリエル・マクト)は昇給・昇進を条件にデトロイトへ。
現地SWATに対するレクチャーと現場対応を平行して描くという“どっちかと言うとテレビサイズ”なスケールではありますが、テンポもまとまりも良く、グダグダ超大作だった前作よりは遥かに好感が持てます。
今回の悪役はロバート・パトリック(激渋なおっさんになったな…)。チョイ役でクリスタナ・ローケンも絡むというT-1000、T-X夢の競演(笑)。
ただのストーカー野郎かと思ったら…。
舞台が舞台なので、全編武器弾薬祭り。幾つか拾ってみますと…。
まずは冒頭の金持ち馬鹿息子が開いたドラッグパーティに乱入した売人グループの制圧に使用されたCAW 40mm Airsoft Launcher。
左:P226s、右:P229(いずれもデトロイトSWAT)
マシンガン系は割愛して、やはり見せ場を作るのはスナイパー・ライフル。
パトリックさんが射撃場で復讐を誓いつつぶっ放していたのが、Barrett M107。実践投入シーンがなかったのが残念無念。
コンクリートの壁を障子紙の如く貫く威力を持つ50口径セミオートライフル。
女狙撃主ロリ(シャノン・ケイン)が使っていたのはDTA-SRS(Desert Tactical Arms Stealth Recon Scout)。
射程約1km。ブルパップ式ボルトアクション狙撃銃。
チームワークを連呼していた割りに、最後の戦いがチームプレイになっていないという致命傷はありますが、これら銃器を眺めているだけで目の保養にはなります。
1作目との繋がりはゼロなので、どっちか1本ならこちらをお薦めします。