デストピア経典~曼荼羅畑でつかまえて(三代目)

B級カルトな特殊映画、ホラーにアニメに格闘技、酒にメタルにフィギュアに銃。日頃世間ではあまり顧みられる事のないあれやこれやを過剰なる偏愛を以てご紹介いたします。

それは殺しの前口上。 追悼:早坂暁

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 雨が降ったら傘をさす

 つらい話は胸をさす

 娘十八 紅をさす

 魔がさす 棹さす 将棋さす

 世間の人は指をさす

 許せぬ悪に

 とどめさす

 

早坂暁さんがお亡くなりになりました。

 

20171216日。腹部大動脈瘤破裂(藤田まことと同じか…)。88歳。

 

早坂さんと言えば、必殺シリーズのオープニング・ナレーション。

 

1作「必殺仕掛人」から第15作「必殺仕事人」まで。「暗闇仕留人」を除く14作を担当。言葉が叫ぶ、ささやく、這う、唸る。

 

 のさばる悪をなんとする

 天の裁きは待ってはおれぬ

 この世の正義もあてにはならぬ

 闇に裁いて仕置する

 南無阿弥陀仏

 (必殺仕置人/新・必殺仕置人

 

この力強さ、ダイナミックさ。芥川隆行の燻し銀の喉が殺気を上塗り。

 

必殺仕業人の侘び寂びとも言える寂寞感も捨てがたい。

 

シリーズとして選ぶなら早坂氏がメインライターとして参加した必殺からくり人でしょう(冒頭に挙げたのがオープニング・ナレーション)。

 

2話「津軽じょんがらに涙をどうぞ」、第11話「鳩に豆鉄砲をどうぞ」、最終話「終わりに殺陣をどうぞ」…(脚本はいずれも早坂氏)

 

シリーズの中でも異色と言える前のめりな作品でした。

 

ご冥福をお祈りいたします。


 
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