『この国はまだ未熟で…歪(いびつ)で野蛮だ。
お前なんか一瞬で引き潰されてお終いだ』
『勝手にお終いにすんな!
佐賀はまだ何も始まっとらんぞ!』
喜一の呼びかけに応じて集まって来たのは、旧佐賀藩主。佐賀戦争の生き残り。
彼らの想いは夢でも理想でもなく、怨嗟。復讐。
このままでは再び佐賀戦争の悲劇が。
「ゾンビランドサガ リベンジ/第9話・佐賀事変 其ノ弐」(2021年6月3日深夜BS11放送/佐藤威演出)
火の手が上がるのならば、上がる前に消さねばならぬ。それが伊東の役割。
喜一の愚直なまでの実直さに情が移ったのか、何とか助けたいと、ゆうぎりに喜一と共に逃げる(佐賀を離れる)ことを勧める伊東。
『伊東はん。伊東はんには喜一はんの志はその程度のものと見えておりんしたか?』
何と言う豪胆。状況も置かれた立場も理解して尚、喜一を信じ、男子の本懐を遂げさせたいと願うゆうぎり。
『喜一を頼む』
ゆうぎりは昔のツテを頼りに喜一の力になってくれそうな人に手紙を。その宛て先は…
あなた、どんだけの人脈持っているのよ!? これが伝説の花魁の底力?
雪の降りしきる夜、喜一をハブにして決起に走る旧佐賀士族。
立ちふさがる伊東。
伊東さん、やはり只者ではありませんでした。たった一人で腕に覚えのあるつわもの達を一刀両断。
喜一が駆け付けた時は全員が死体。
『なぁ喜一、これでも言えるか?諦めないって』
振り下ろす伊東の刀を受け止めたのは…ゆうぎり。
その三味線…仕込みだったんすか!?
一旦間合いを取り、喜一を連れて逃げるゆうぎり。
ようやく出会えた志を同じくする仲間は全員死んだ。殺したのは無二の親友。
ショックのあまり崩れ落ちる喜一。
『俺のせいだ!全部!寝た子ば起こして!皆死なせて!何が、何が新しい佐賀だ!』
『喜一さんの言葉で動いた人たちが大勢死にました。
このままでは皆無駄死にでありんす。
喜一はんが志を遂げない限り。
取り戻すんでありんしょ?
新たな佐賀を作るんでありんしょ?
馬鹿にされても信じて走って、
必死に生きたそのすべてを、
なかったことにできるんでありんすか!?』
決して甘やかさない。支える女の鑑。ちょっと心折れたスバルを鼓舞した時のレムを思い出しました。
喜一にここからの移動ルートと行動を記した文を渡して背中を押すと、その場にとどまるゆうぎり。
ただ待つ。討手・伊東がやってくるのを。
喜一、ゆうぎり、伊東、全員がそれぞれの覚悟を胸に行動した佐賀事変(流石に其ノ参はなかったか)。
この時の想いが今の巽幸太郎に宿っていると思うとちょっと見る目が変わりますね(『佐賀を救う』という言葉の意味すらも)。
そして、その巽をどんな目でゆうぎりが見ているのか。
一気に登場人物に厚みが出ました。
※と言っておいて何ですが、10話辺りを観る限り、喜一と幸太郎は同一人物という訳ではなさそうですね。それでも、ゆうぎりが幸太郎に喜一を重ねていることは確かだと思います。
現代戻ってフランシュシュライブ。センターはゆうぎり。曲は「佐賀事変」。
ライブがハネたゆうぎりはひとりBAR Jofukuへ。
『どうだ、この時代は?』
『楽しいでありんすよ。わっちはやはり、お客さんの前で歌って踊るのが好きなようでありんす』
棚の隅にはあの日、3人で撮影した記念写真が。
並びは違いますが、なんとなくこれ↗を思い浮かべてしまいました。
おまけ
徐福に漢方薬を(無理矢理)飲ませるゆうぎり。その薬箱の下にはゆうぎりの遺書が…。
この笑顔に逆らえる奴はこの世にはいない、多分。
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★本日6月5日はマーク・ウォールバーグ(1971~)の誕生日(おめでとうございます!)。
有名どころではありますが、結構すっとこどっこいな作品にも出ている「こっち側」の人。
今回はスチャラカなこの2本立てで。
★本日のTV放送【19:00~BS12/土曜洋画劇場】