『愛されてる通り越して怖いんですけど!“愛は凶器”ってなんのコピーだっけ?』
『楳図かずおの「イアラ」ですよ』
「波よ聞いてくれ/第2話・奴らが憎い」より。
楳図かずお先生がお亡くなりになりました。
10月28日15時40分(公表は11月5日)。88歳没。
2024年7月に自宅で倒れて搬送され、末期の胃がんを罹患している事が判明。手術は行わず、同年9月からは都内のホスピスで終末期医療を受けていたそうです。
絵柄が恐怖、筆致が恐怖。少年時代は勢い余って「少年サンデー=恐怖の雑誌」になって、表紙見るだけでガクブルしておりました。
楳図文学をじっくり堪能できるようになったのは、子供心に刷り込まれた恐怖が溶けて(いや解けて、か)から。
読んだタイミングや年齢で焼き付き度合いは人それぞれだと思いますが、私の場合は、
でしょうか。
「イアラ」は営業サボって、喫茶店(漫喫などという便利なものはまだなかった)で一気読みいたしました。
「漂流教室」は誰かまともに映像化してください。大林版が漂流教室だと思われたら楳図先生があまりに不憫です。
★どこを切っても残念無双な大林版。
「ウルトラマン」はTV版が持つ「怪奇」な側面と楳図先生のおどろおどろしい筆致がマッチしてぬめっとした手触りのヒーローものになっておりました。
★「ウルトラマン」についてはこちらも参照。
「笑い仮面」は原作の衝撃もさることながら、パラノイア百貨店×上海劇場による舞台版が圧巻でした。
★詳細はこちら。
「おろち」は全9話からなるオムニバスですが、印象的だったのは第2話「姉妹」と第5話「骨」。
特に「ちょっとした手違い」で墓場から蘇ってしまった男が自身の腐乱を知るカットが衝撃的。
第1話「姉妹」は鶴田法男による映画版もありますが、工藤栄一監督によるTV版「雪花魔人形」が秀逸でした(どこかにβⅢで録画したテープがあるはずなんだけどなあ…)。
晩年、外野がやたらやかましく(景観を巡る住民訴訟とか)あれこれ大変だったと思います。
ごゆっくりお休みください。謹んで哀悼を。
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