デストピア経典~曼荼羅畑でつかまえて(三代目)

B級カルトな特殊映画、ホラーにアニメに格闘技、酒にメタルにフィギュアに銃。日頃世間ではあまり顧みられる事のないあれやこれやを過剰なる偏愛を以てご紹介いたします。

世界の車窓から カサンドラ・クロス


♪たらったった~という音楽が聞こえてきそうなジュネーブストックホルム行き大陸横断超特急。ちょっと訳ありで行き先変更、地獄行き。

カサンドラ・クロス(1976年/ジョルジ・パン・コスマトス監督)

内緒で作っていた細菌に感染したテロリストが列車に乗ったので、証拠隠滅のために乗客もろとも皆殺しというハート・ウォーミング・ストーリー。

設定も展開も(オチすらも)矛盾だらけ穴だらけなのですが、無駄に大量出演しているスター役者のキャラと顔を立てる脚本は見事。

リチャード・ハリスバート・ランカスターも良いですが、当時42歳のソフィア・ローレンがリビドー突きまくり。


加えてジェリー・ゴールドスミスの音楽が素晴らしすぎで、社会性皆無の見世物主義にヨーロッパ文化の誉れを上塗りしています。

因みに、この映画より先に作られたにもかかわらず「第2のカサンドラ・クロス事件/細菌兵器に襲われた街」というすっとこどっこいなタイトルをつけられちゃったのが、ジョージ・A・ロメロ監督のザ・クレイジーズです。