デストピア経典~曼荼羅畑でつかまえて(三代目)

B級カルトな特殊映画、ホラーにアニメに格闘技、酒にメタルにフィギュアに銃。日頃世間ではあまり顧みられる事のないあれやこれやを過剰なる偏愛を以てご紹介いたします。

似て非なる贖罪の物語。 ソラリス(リメイク版)

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これはこれでアリ・・でしょうか。

ソラリス
(2002年/スティーヴン・ソダーバーグ監督)


SFというコアなファンのいるジャンルで金字塔と呼ばれている作品をハリウッド・リメイク。しかも、オリジナルの165分を99分に圧縮・・・。

誰が見ても負け戦ですが、雰囲気は大きく壊していません。製作のキャメロンが相当な防波堤を作ったのではないかと思いますが、ソダーバーグはそれなりに“いい仕事”をしたと思います。

ただ、ソラリス自体の描写は微妙。シナプスが繋がっていく(人間の記憶を汲み取っていく)感じを狙ったのだと思いますが、やはりソラリスは「海」であって欲しいので(タルコフスキー版にあったソラリスの“優しさ”がない)。

で、未見の人にどっちを薦めるかと言えば、やはり165分のタルコフスキー版。

リメイクでは綺麗に端折られた地球の河や水草、池や雨のイメージの積み重ねがソラリスの海に収斂し、そこに大地が現出する・・ソダーバーグには申し訳ないですが、映像詩人としての力量が違いすぎます。

リメイクには「コピーの苦悩」という新しい視点もあるので、まずはオリジナル、次に一回頭をリセットしてリメイク、という順番が良いと思います。

★ご参考