『ところで君、大学は?』
(What school did you go to? )
『ハートブレイク・リッジ』
( Heartbreak Ridge)
机上でしか戦争を語れないエリート将校の若造と、朝鮮戦争を皮切りに修羅場くぐり放題の古参兵の会話。堪らない切り返しです。
「ハートブレイク・リッジ/勝利の戦場」
(1986年/クリント・イーストウッド監督)
朝鮮戦争最大の激戦地「ハートブレイク・リッジ(心臓破りの丘)」を生き抜いた英雄トム・ハイウェー軍曹(イーストウッド)も今や初老。女房と別れ飲んでクダ巻くルーザーな毎日。
そんなトムに古巣「第二海兵師団第二偵察大隊第二偵察小隊」復帰辞令が。
だらけ切った海兵隊員と筋金入り鬼軍曹・・対立・訓練・和解・・お決まりのパターンではありますが実に心地よい展開です。
『また営倉行きですね』
『いや、立派な海兵隊員にしてやる』
あと足りないのは実戦のみ。下ったのはグレナダ侵攻の出撃命令。
「011(0勝1敗1分)」(勝利無し、朝鮮で引き分け、ベトナムで負け)という自虐ネタが出るほど自信喪失していたアメリカを元気付ける癒しの一篇です。
リー・アーメイやルイス・ゴセット・Jrと比べるとイーストウッドの「喉頭癌ですか?」なしわがれ声は迫力不足ですが、それ以外は(娯楽映画としては)文句無し。
元妻マーシャ・メイスンとの復縁ロマンスも微笑ましい。
オリジナルは130分。これを2時間枠(正味90分強)に押し込むのは無理があるぞBS朝日。