「グリズリー」が“陸のジョーズ”なら、これは正に“家のブレア(ウィッチ)”。
なるほど、これなら100万そこそこで作れますね。
(2007年/オーレン・ペリ監督)
夜毎起こる超常現象に悩まされたカップルがビデオカメラで寝室を撮影。そこに写っていたものは・・。
ホラーとして見ると面白くも何ともありません。
これは、興味本位と自己顕示を最優先する男の身勝手な行動によって、感情の振幅が大きい女の精神が蝕まれ崩壊していく様を捉えたドキュメンタリーとして観るのが正解。
カメラに固執する奴=嫌な奴という公式は今回も健在。トム・クルーズと小島よしおを足して裏拳かました様な顔の兄ちゃんが諸悪の根源。
引っ張るだけ引っ張って大した事も起きずに唐突に終わるというのもブレアと一緒。いい加減POVも飽きましたね。なぜヒットしたのか理解に苦しみます。
が、しかし! DVDには本編のていたらくを余裕で吹き飛ばす特典が!それは・・
あの稲川淳二が顔出しで音声解説。最初のうちこそ、
『この中途半端なアングル、怖いですねえ。乱暴な切り方、怖い。ああ、この闇!何かあります。ここ違う、空気違う。いやあ怖い』
と、アイドル・モデルの写真撮ってるカメラマンみたいな口ぶりでしたが、そのうち、
『そう言えば、このあいだロケに行った時の話なんですけどね…』
稲川劇場開幕です。
ラップ音が正確に再現されているとか“通”な感想も交えつつ、何気にポルターガイスト現象の核心に触れる発言も。
『ポルターガイストを25年間研究している人が言ってました。25年調べたけど結局何も分からなかったって。ただ、ひとつ言えるのは、ポルターガイスト現象が起きた家には必ず17歳の娘がいました…って』
間違いなく本編より面白いです。レンタルしたら必ず観てください。夜中に、一人で、ボリューム上げて。