『貴様、所属はどこだ?!部隊名は?!』
『朝鮮民主主義人民共和国だ!!』
ちょっと鳥肌立ちました。見事な“名乗り”シーンです。
「シュリ」(1999年/カン・ジェギュ監督)
“今更”な作品ですし、ストーリーは割愛。北の女スナイパーと南の情報部員の悲恋を絡ませたアクション・ラブ・ロマンスです。
見所は冒頭、“北の軍事教練”シーン。ありゃ一体何ですか?
捕虜(政治犯?)と思しき人間を多数柱に縛り付けて気合もろともメッタ刺し。怯む軟弱者はその場で射殺。
バラした拳銃をヨーイ、ドン!で組み立てて、先に相手を射殺すれば勝ちという死のゲーム。トレーニングがリアルな殺し合い。
どこまで本当なのか知りませんが、こんな国と一戦交えるのは嫌だなぁ。
掴みはOK過ぎるくらいOKなのですが、後が駄目駄目。
精悍な女殺人機械が整形して別人(当然、役者も変わる)になりますが、整形後の彼女(キム・ユンジン)に殺人機械の面影がまるでありません。
あと、銃撃シーン全般に言えることですが、明らかに射殺できるチャンスが(お互いに)何度もありながら、引き金を引かないのも解せません。
拳銃突きつけあうのは絵にはなるかもしれませんが、現実感ゼロ。銃は向けた瞬間に撃て。
本作のキーマンは、主人公ジュン・ウォン(ハン・ソッキュ)の相棒イ・ジャンギルを演じたソン・ガンホ。
スリム&ニヒル。彼を初めて見たのが本作なので、私の中では“ハード・ボイルドなフランキー為谷”とインプットされました。
が、しかし。4年後の「殺人の追憶」では、何故かシルエットが蛭子能収に! 折角のアクションも“デブのくせに打点の高いドロップキックをかます奴”(@映画秘宝)などと言われる始末。
写真並べてみましたが、とても同一人物とは・・。
余談ですが、ヒロイン、キム・ユンジンはオセロ中島(痩せている時のね)そっくり(よく言われている事ですが、ハン・ソッキュはアパッチけん似)。
親近感湧きまくりな役者陣です。