
『グリシャ…今日、お前の息子が 兵士になったぞ』
第4巻第16話(アニメでは第3話)のシャーディス教官のつぶやき。
まさかそんな想いのこもった一言だったとは…。
大きく迂回したドラマは今始まりの地へ。これも円環の理か。
最新19巻が発売されたので、ひとつ前のレビューを。
エルヴィンの前任者、元調査兵団団長、キース・シャーディス訓練兵団教官。彼が語るエレンの父グリシャの思い出、そして母カルラへの想い。

『だからこの子はもう偉いんです。この世界に 生まれてきてくれたんだから』
母が望んだこと。父が託したもの。
『壁の外にあるのは巨人だけじゃないよ。炎の水、氷の大地、砂の雪原。それを見に行くために調査兵団に入ったんだから』
『お前は楽しそうに夢を見てるのに、オレには…何にも無かった。そこで、初めて知ったんだ。オレは不自由なんだって』
友との約束。自身の決意。全ての記憶が“あの日”に収斂される。
切って落とされるウォール・マリア最終奪還作戦。目指すはシガンシナ区イエーガー家の地下室。
湧き上がる群衆の歓声。あの寡黙なエルヴィンがこれに応えて咆哮。
もう、クライマックスの予感が表面張力。
出発前の壮行会では、肉を見た嬉しさに我を忘れたサシャが肉を咥えたまま離さず、コニーが〆落とすも無意識で暴れまくり、更にエレンとジャンがくーだらない理由でドツキ合い、リヴァイが粛清するというお約束の展開(すげー笑った)。

『やめてくれサシャ。俺…お前を殺したくねぇんだ』肉は人の心を狂わせる。
ここに来て話のピースがひとつずつ埋まっていく快感。行き当たりばったりで紡げるものではありません。スタート時から綿密な地図が描かれていたのでしょう。
動いている彼らを一刻も早く観たいのですが、二期はいつ放送されるのでしょう。