デストピア経典~曼荼羅畑でつかまえて(三代目)

B級カルトな特殊映画、ホラーにアニメに格闘技、酒にメタルにフィギュアに銃。日頃世間ではあまり顧みられる事のないあれやこれやを過剰なる偏愛を以てご紹介いたします。

駄目に生きる2 もらとりあむタマ子

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『日本がダメなんじゃなくて、お前がダメなんだよ!』

『その時が来たら動くわよ、あたしだって!』

『いつだよ! いつなんだよ!』

『少なくとも…今じゃない』

 

一昨日の「俺はまだ本気出してないだけ」に続く“駄目に生きる”第2弾。

 

もらとりあむタマ子
2013年/山下敦弘監督)

 

坂井タマ子、23歳。大学卒業後就職もせず実家(甲府スポーツ用品店経営)に寄生。

 

父はバツイチ。バイトせず店手伝わず、喰って寝て毒ずいて漫画読んでゲーム。

 

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見事な喰いっぷり。そしてこのドヤ顔である。
 

駄目駄目です。

 

四季を通じた駄目暮らしを淡々と。ドキュメンタリーと言うか定点観測のような距離感で描いて行きます。

 

敢えてドラマを紡がず、しかし時間は確実に流れ…。父と娘が変わるきっかけを掴みかけた所で唐突にエンド。

 

こういうぶった斬り方の出来る監督って好きです。

 

ドラマはないわけではないんだと思います。例えば意気揚々と帰郷してきて、泣きながら去っていくタマ子の友人とか。

 

タマ子を演じるのは前田敦子

 

元アイドルという出自からあれこれ非難されやすい立ち位置ですが、タマ子のやさぐれたまっすぐ感が良く出ていたと思います。

 

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流行って何?な田舎の美容室にありがちな“イケてない髪型”、ジャスコも避けて通る        田舎の“ブティック”にありがちな(と言うか田舎にしか売っていないような)“色味は派手だけどやたらとおばさん臭い(ダサダサな)”服とか妙にリアル。

 

TV局と広告屋が造るスッカラカンな映画のお飾りってのがアイドルの定位置ですが、こういう映画のオファーがきちんと来るあたり、前田には“星”があるんだと思います。

 

父役、康すおんが実にいい感じ。

 

その父の再婚相手候補が富田靖子。ああ、もうこういう役を演じる年齢になってしまったのか。「アイコ十六歳」から30年か。

 

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そう言えば1999年に富田靖子が出た「洗濯機は俺にまかせろ」も本作と似たようなテイストの作品だったなあ…。

 

 
 
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