『俺は本郷猛、仮面ライダー1号だ!』
文句のつけようがない名乗り。しかし、より正しく言うなら
「仮面ライダー1号」(2016年/金田治監督)
仮面ライダー生誕45周年記念作品。てっきり、本郷猛単独主役のオリジナルだとばかり思っておりましたが、蓋を開ければ仮面ライダーゴースト特別編でした。
「放送中ライダー抱き合わせ」と言う保険を掛けたい気持ちは分かりますが、藤岡弘、の熱い(暑苦しい?)演技とゴーストのコミカルな演出、チャラいキャラが合わない合わない。
ショッカーの内部分裂(昔ながらの世界征服派vs経済握って企業化だぁな中二病派。何だよノバショッカーって。駅前留学か)ってのも何だかなぁ。
おやっさん(立花藤兵衛)の孫娘・麻由を守るために日本に戻ってきた本郷猛。しかし、その体は長年に渡る戦いで悲鳴をあげていた…。
という設定は良いのですが、展開はタルい上に意味不明なシーンが多すぎ。
麻由と猛が遊園地デート。麻由が観覧車に乗っている時に大規模停電。麻由のゴンドラは比較的低めの位置にあったので、猛は『飛び降りろ!俺が受け止めてやる!』
ん~ちょっと待って。
なんで猛は一緒に観覧車に乗らなかったの? 女の子だけが乗って男は外から手を振っている図式は回転木馬ならアリですが、観覧車ではないでしょ。猛、高所恐怖症なのか?
飛び降りるったって、観覧車のドアって内側から簡単に開いたっけ?
このシチュなら猛がジャンプして麻由を助け出し、お姫様抱っこで着地でしょう。そもそもこのシーンに何の意味が?
肉体が疲弊して倒れた猛。次のシーンで『お医者さん言ってたじゃない。生きてるのが不思議なくらいだって』
待て待て待て。医者に診せた? 改造人間を?
ネタ的に中高年のツボを突く描写なんかいくらでも思いつくはずなのに、琴線に触れるシーンがほとんどなし。
良かったのは、ネオサイクロン(目茶ダサイ)に跨った時、昔の写真を胸にしまいながら『おやっさん、一緒に行こうぜ』と呟いた所くらい。
変身はジャンプ無しだわ、タイフーンベルト分厚すぎ(カメラ機材詰め込んだウェストポーチみたい)だわで、ビジュアルも今ひとつふたつみっつ。
脚本は「人造人間ハカイダー」書いた井上敏樹なのですが、今回は残念無念な出来栄え。
藤岡弘、が本郷猛を演(や)る…それだけを堪能する映画です。
★「仮面ライダー」本日10月1日(火)18時30分よりTOKYO MX1にて放送開始。第1話は勿論、
★ついでにこちらも…。
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★本日のテレビ放映【13:00~BSプレミアム/プレミアムシネマ】