『いいバーには沢山の人が来る。楽しい気分になる。酒はどこでも飲める。だが、バーは来る人のものだ』
ペンシルバニア州。鉄鋼の町。BAR FLORENTINEには今日もいつもの面々が。
酒の肴は追憶と悔恨。そして僅かばかりの希望。
「フロレンタイン」
(1999年/ニック・スタグリアーノ監督)
正直、巧い脚本だとは思いません。演出にもキレがないし。
ただ、画面を彩る役者が素晴らしい。
FLORENTINEのバーテンダーにマイケル・マドセン。週末結婚式を挙げる妹にヴァージニア・マドセン。
常連客にハル・ホルブルック。色々あって町を離れていたが戻ってきた旧友にトム・サイズモア。トムといい感じになる女性にメーヴ・クインラン(トムとメーヴが離婚したのが1999年なので撮影時はギリギリ夫婦だった可能性大)。
もうひとりの旧友にクリス・ペン(元ボクサーというちょっと被る設定)。
町のボス的存在にバート・ヤング。怪しすぎる山師にジム・ベルーシ。
他にもトムが身を寄せる教会の神父にピーター・マロニー(「物体X」のベニングスだ!)とかマニアックなキャスティング。
予備知識無しで観たので、OPのクレジットが出るたびに「おお!」でした(Vシネオールスターズな賑わい)。
鉄鋼の町で結婚式という設定がまんま「ディア・ハンター」なのも気分をアゲてくれました。
製作はゾーエトロープ。プロデューサーにコッポラが名を連ねています。
印象に残ったのは(ストーリーと関係なくて申し訳ないですが)、バーカウンターの隅、丁度ハル・ホルブルックの定席そばにあるエッグスタンド。
ゆでたまごが乗せてあり、客が好きにつまめるようになっています。こういうものがあるんですねえ。
で、ハル・ホルブルックの殻の剥き方が「エンゼル・ハート」のロバート・デ・ニーロ方式だったのがまた何となく嬉しくて。
※デ・ニーロ方式についてはこちら↓参照。
人生うまくいかない事ばかりだけど明日は今日よりちょっとだけ良くなっているような…そんな気にさせる映画でした。
※アマゾンプライムでは「フロレンタイン」の表記になっておりましたが、やはり「フロレンティーン」が正解だと思います。字幕も「フロレンティーン」になっていましたし。
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「鉄鋼の街」繋がりで…
★本日12月1日は「鉄の記念日」
日本鉄鋼連盟が1958年(昭和33年)に制定。 ,1857年(安政4年)のこの日、現在の岩手県に位置する南部藩の藩士で鉱山学者の大島高任(おおしま たかとう、1826~1901年)が日本で初めて洋式高炉による製鉄に成功したんだそうです。
南部藩で製鉄と言えば…。
★そして本日のテレビ放送は…【19:00~TOKYO MX/スクリーンMX2】