デストピア経典~曼荼羅畑でつかまえて(三代目)

B級カルトな特殊映画、ホラーにアニメに格闘技、酒にメタルにフィギュアに銃。日頃世間ではあまり顧みられる事のないあれやこれやを過剰なる偏愛を以てご紹介いたします。

人生トラウマ雪だるま。 ビューティフル・デイ

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Joe, Wake Up. Let’s Go. It’s A Beautiful Day.

『ジョー起きて。行きましょう。今日はいいお天気よ』


ふと、「モダン・タイムス」のラストの台詞、

Buck up - Never say die. We'll get along.
『元気を出して。死ぬなんて言っては駄目
。きっとうまくいくから』

を思い出しました。

ビューティフル・デイ

(2017年/リン・ラムジー監督)


ジョー(ホアキン・フェニックス)は、(誘拐やら拉致やら監禁やらで)行方不明となった少女の捜索を請け負う奪還スペシャリスト。

元軍人(俺のせいで子供が!)、元FBI(俺のせいで被害者が!)。幼少期は父親からDV。人生トラウマ雪だるま。

作業過程における多少(?)の流血は織り込み済み。

得物は都度ホームセンターで購入する金槌。

今日も俺の金槌が悪党の頭蓋をカチ割るぜ。

と書くと、「タクシードライバー」「レオン」「イコライザー」「ハード・コアの夜」等と同じ箱に思えますが全然違います。

今回の依頼主は州上院議員アルバート・ヴォット。2年前、妻の自殺直後に家出、ある組織に囚われた娘ニーナの捜索と奪還。

景気よく金槌振り回して娘奪い返したまでは良かったのですが、依頼主の議員が飛び降り自殺。

なんじゃそりゃと思う間もなく武装警官がジョー宅急襲。ニーナは再び何者かの手に…。

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普通のアクション映画として撮る事も十分可能だったはずですが、この監督さん、説明的表現を全削除。

現実と過去の記憶と妄執をシームレスに行ったり来たり。まるでジョーの精神にサイコダイブして心象風景の断片をのぞき見しているような映像に仕上げています。

スノッブが好みそうなパズル絵がちぃっと鼻につきますが、ヒントはきちんと散らしてあるので、あれこれ考察したい時には丁度いい教材にはなると思います。
 

 

★ご参考 

mandarabatake.hatenablog.com

  

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【かなり本気で2期所望】Bloom into You(やがて君になる)【北米版BD-BOX】

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やがて君になるの北米版BD-BOXを入手しました。

改めて一気見すると、演出の思慮深さ、隙の無さに感嘆します。

廊下のセンターライン、窓から射す陽の光、道端の花から道路標識に至るまで全てが意味のある小道具に。

手の動き、目の動き、敢えて表情を隠したカメラアングル…相当気合の入った絵コンテがあったのでしょう。

個人的に本作を唯一無二のものに押し上げている最大の要因は声。

特に主人公・小糸侑の声をアテた高田憂希さんの声の嵌り具合たるや軽くα波が出るレベル。

『それは多分、変えたいからだ。傲慢でも、我儘でも。
 それでも、あの人を変えたい』

 Actually it’s probably because I want to make a change.
 No matter if it’s arrogant, or selfish of me.
 I just…want to change her.

侑の願いは届くのか。かなり本気で2期所望。

「Bloom into You(やがて君になる)【北米版BD-BOX】」は全13話をBD2枚に収録して8,000円前後。国内版が9,900円×4巻なので、約1/5ですね。

国コード有り。日本語音声時は英語字幕強制表示。

※重要な小道具であるラインの文字にがっつり英語字幕が乗ってしまうのはかな~りウザイいです。ここだけはお覚悟の程を。

※因みに、生徒会劇練習合宿での発声練習『ア!エ!イ!ウ!エ!オ!ア!オ!』の英語字幕は『Do!Re!Mi!Fa!So!Ra!Ti!Do!』でした。

 

 ★13話一気見を追体験したい方はこちらを…。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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【褒める所は無いけれど】ア・ホーマンス【嫌いになれない罪な奴】

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『スジ者でもねぇ、犬っころでもねぇ
 ましてや普通の素人さんでもねぇ。…困ったなぁ』

『人間ですよ』

『…いつか一杯やろうか。な』

抗争が激化する新宿にふらりと現れた記憶喪失の男。

対立している旭会が手を組んだという関西組織の鉄砲玉か。警察の潜入捜査官か。

名前も覚えていない男に大島組の幹部・山崎(石橋凌)は名前をつけました。

風(ふう)さんと。

ア・ホーマンス
(1986年/松田優作監督)


小池要之助の初(そして唯一の)本編監督作になるはずでしたが、優作とぶつかって解任(自主降板とする文献もある)、優作の初(そして唯一の)監督作となりました。

脚本(丸山昇一)から撮影(仙元誠三)から役者まで優作配下のYESMANで固めて撮った俺様の実験映画

優作の企み試みは今見ても“稚拙”でどれも成功しているとは言い難いです。

とは言え…。

甲高い声で頭のてっぺんから喋る山西道弘片桐竜次ポール牧

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そのキャラ作りってどうよ?と思いつつ、印象に残っているのは事実。

ドスの効いた恫喝でしかやくざを表現できなかったたけしに比べれば新しいものを生み出してやろうという気概は感じます。

優作と手塚理美が物理的距離はそのままにカメラが主観で寄っていく「気持ちが近づいていく様子を表現してみました」なカットは意味不明な上に見ていて恥ずかしい代物でしたが、試行錯誤のドキュメントとして楽しめました。

カメラを回転させて「街が揺れ動いている様を表現してみました」カットは発想が高校生な上に酔うのでやめてほしかったですが…。

再見しての印象は、鈴木清順三池崇史÷押井守って感じ。

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「ヨコハマBJブルース」繋がりで、工藤栄一阿木燿子がゲスト出演。

優作の監督2作目、観てみたかったですねえ。 

 

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★ご参考 

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【チート射撃師】ライフル・イズ・ビューティフル ♯11【リフト・オフ!】

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『もう出られたらいいな、じゃない。絶対オリンピックに出る。だから、勝ってくるよ。♪いざ行かん~!』

暫定1位峰澄との点差9.2を覆すべく第3射群に臨むひかり。

しかし、王者・峰澄の第3射群は昨年団体優勝、個人2位、全日本選抜優勝、高校生現役ナンバーワン、アイアンハート小々森真帆。分が悪いなんてもんじゃありません。

「ライフル・イズ・ビューティフル/第11話・シューティング・イズ・ドリーム」(2019年12月31日深夜BS11放送/飯田剛士演出)

1発でも外したら終わり。すべては1発目に掛かっている。ひかりの初弾は…。

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最高得点10.9!

その勢いは(ただひとり納得できない朝香学園・黒井ミサを尻目に)落ちる事無く持続、いや後半更に調子を上げ、終わってみれば…、

 

633.6、大会新記録!

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しかし王者・峰澄は強かった。ひかりの記録を瞬時に塗り替え634.9で総合1位逃げ切り。千鳥は順位をひとつあげて2位。

 

これ、エリカ様がもちっと頑張ってれば千鳥優勝できたんじゃないでしょうか。

 

とは言え、全員1年、初出場で瞬間大会記録出して2位は奇跡的快挙。

 

試合の後は風呂(露天)と花火でキャッキャうふふ。見事な急緩。

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正直、1話を観た時はとても1クール引っ張り切れる内容だとは思えなかったのですが、尻上がりに調子を上げ、終わってみれば(まだあと1話残っていますが)見事なジャンプ系胸熱ドラマになっておりました。

 

最終回の放送は1月18日(土)20時30分…って間開いてるわ曜日違うわ時間中途半端だわで見逃しリスク最大値。早めに予約入れておこう…。

おまけ

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露天で恥じらう五十嵐雪緒。全編通してベストカットだと思います。

今回は幼少期のひかりと泉水の出会いシーンもありました(タイトル画像)。

つい幼女ひかりに目が行ってしまいますが、ここの目玉は幼女泉水でしょう。初回放送時には「モブ」とか言ってしまいましたが、終わってみれば私的ベストガールは泉水でした。嫁にするなら渋沢泉水。 

 

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御慶! 足掛け14年。巡り巡って二度目のネズミ。

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明けましておめでとうございます。

先月、萬12年のアニバーサリーを迎えまして、干支を1周いたしました。

今月から13年目、足掛け14年目に突入いたします。

何が凄いって、書いている人間に全く成長が見られないのが凄い(凄いと言うより酷い、か)。

まあ「三つ子の魂百までも」なんて言葉もありますし。

今更美しい人になんかなれまへんわね。

12年前にも書きましたが、やはり鼠と言えば「滅びの笛」「滅びの宴」

映画なら「巨大生物の島」「ウイラード」「ネズミゾンビ」。

ゲスト出演なら「ランボー」(1作目)の坑道ネズミ。

怪獣ならネズバードン(@宇宙猿人ゴリ)でしょうか。

間違ってもミ●キーとかなんちゃらリトルとかじゃないですね。お呼びじゃないです。

可愛いネズミを1匹挙げるなら「超兵器R1号」のハツカネズミでどうでしょう?

という訳で今年も宜しくでございます。

 

★ご参考

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