デストピア経典~曼荼羅畑でつかまえて(三代目)

B級カルトな特殊映画、ホラーにアニメに格闘技、酒にメタルにフィギュアに銃。日頃世間ではあまり顧みられる事のないあれやこれやを過剰なる偏愛を以てご紹介いたします。

2010-07-01から1ヶ月間の記事一覧

リンジー収監!ベネチア出品!トレホ商品化! マチェーテ

なんかニュースが盛り沢山なので、しつこく飛ばします。「マチェーテ」(2010年/ロバート・ロドリゲス監督)まずは出演のリンジー・ローハンが無事(?)刑務所入り(懲役90日)。で、彼女のシーンを巧みにカットしたレッドバンド・トレーラー(年齢…

名前って大事よね。 ユージュアル・サスペクツ

カイザー・ソゼ。名前は誰でも知っているが、実体はその存在も含めて謎。裏社会の生ける伝説。この映画の面白さの何割かは、カイザー・ソゼというネーミング・センスに因るものだと思います。 「ユージュアル・サスペクツ」 (1995年/ブライアン・シンガー…

付けっ鼻? 意外な展開に最もショックを受けた映画ベスト10

インディペンデント系最大大手のエンターテンメント会社E1 Entertainmentが「意外な展開に最もショックを受けた映画ベスト10」を発表しました。 上位から順にタイトルのみ列挙すると・・ 「シックス・センス」「サイコ」「ユージュアル・サスペクツ」「スタ…

知性減退。でも社会派(?)ついでに祝ギネス認定。 ソウ6

なんとSAWシリーズが「最も成功したホラー映画シリーズ」としてギネス認定されたそうです。 あくまで“興行収入上”のお話ですが、一応お祝いってことで。 「ソウ6」(2009年/ケヴィン・グルタート監督) 6作目にしてようやく伏線回収開始。 最初の試験…

28年経ちましたが・・。トロン:レガシー(の予告編)

よもや四半世紀を過ぎて続編が作られようとは・・。「トロン:レガシー(の予告編)」(2010年/ジョセフ・コシンスキー監督)前作は勿論、「トロン」(1982年/スティーブン・リズバーガー監督)最先端技術の誉れ高いコンピュータ・グラフィック映…

クロックワークスに学ぶ商いの心。ガイアナ人民寺院の悲劇

『私が死ぬ時は皆も死ぬ時だ!』(←究極の自分勝手) 「ビッグマグナム77」「エアポート77」「燃える昆虫軍団」「アメリカン・ゴシック」・・いずれも曼荼羅畑を飾った“素敵な”作品ですが、これらの主役・準主役(一部脇役)が一堂に会したオールスター…

東宝東和の底知れぬ言語感性。 ガバリン

印象を一言でまとめれば“おととい栓抜いたコーラ”なのですが、実はこの“ゆるさ”を楽しむ映画なのかもしれません。「ガバリン」(1986年/スティーブ・マイナー監督)原題は「HOUSE」だったり「GOBLIN」だったりするのですが、ゴブリンではなくガバリンと…

スティング、君の踊りは何か変だぞ。 さらば青春の光

『人と同じは嫌だ! いつか大物になってみせる。だから、モッズなんだ!』 いや何が悲しいって、こういう映画を観て「全く若い奴らは」なんて分別臭い感想が最初に出てきちゃう自分を発見する事くらい悲しいことはありません。 国も文化も違いますが“Don't T…

フルメタルより恐ろしい。 実録外伝 ゾンビ極道

『おめえ、変わったな。その、なんちゅーか・・白いぞ』 仁義の墓場から腐ったヤクザがコンニチハ。 「実録外伝 ゾンビ極道」(2001年/佐々木浩久監督) 実録? はい、実録なんです、恐ろしい事に。 冒頭、戦後を駆け抜けた厄ネタヤクザの一生が証言を交え…

イケイケパルパティーン。 スター・ウォーズ/シスの復讐

「只今より、スターウォーズを上映いたします」 1977年、夏。ぎこちない館内アナウンスが流れた時、横浜東宝は万雷の拍手と歓声に包まれました。 私の友人は20世紀FOXのファンファーレが鳴り響いた段階で感極まって泣いておりました(元気か、池さん)。 そ…

恐怖の童話に合理的理由を求めてはいけない。 インフェルノ

赤い窓と青い部屋。脈絡無く繋がるショック・シーンのつるべ打ち。指も折れよと弾き倒すキース・エマーソン・・。 アルジェントに求める全てがここにあります。 「インフェルノ」(1980年/ダリオ・アルジェント監督) レビューの順番が逆になってしまいまし…

狂ったモン勝ち…。 アメリカン・ゴシック

やっと見つけました。日本ヘラルドの国内版VHS。いやあ、噂に違わぬキ印満開の素敵な映画でした。「アメリカン・ゴシック」(1986年/ジョン・ハフ監督)シンシアは風呂場で子供うっかり溺死させちゃってテンパリ放題し放題。夫と友人たちは気分転換にと…

ジェイソン四十八手! 13日の金曜日PART6

蘇ったジェイソンの目がクローズ・アップ。すると上手からフレーム・インしてきたジェイソンがカメラに向かってマチェーテ一閃!うわっははは。お前はジェームズ・ボンドか?・・合格! 「13日の金曜日PART6/ジェイソンは生きていた」(1986年/トム・マク…

レクターとアマンダが親娘⁉ 逃亡者

蛍のよう舞う赤い光点がすぅっと左胸に集中する・・このシーンだけでこの映画は“買い”です。 「逃亡者」(1990年/マイケル・チミノ監督) ワイラーの「必死の逃亡者」のリメイクですが、恥ずかしながらオリジナル未見。 愛人である弁護士の協力で脱獄に成功…

これを高画質で観る?危険だ、危険過ぎる! 地獄の門

フルチ爺さんの“地獄の釜が開いちまったんだから、辻褄とか理屈とかもうそんなものは通じないんじゃ”シリーズの代表作がデジタル・リマスターされるそうです。 あろうことか既に海外ではBlu-rayが発売されております。 これをBlu-rayの高画質で観る・・観た…

TV放送時のラストカットはどこ行った? ブラジルから来た少年

ナチス・ドイツの残党ナチス会が出した謎の指令-“今から2年半の間に65歳の公務員94名を殺害せよ” 指揮者はドクター・ヨーゼフ・メンゲレ。人呼んで“死の天使”。 「ブラジルから来た少年」(1978年/フランクリン・J・シャフナー監督) グレゴリー・ペッ…

特撮裏面史のマスターピース。 宇宙大怪獣ドゴラ

前年に海底軍艦をすっ飛ばし、同じ年にモスラをゴジラと戦わせ、返す刀でキングギドラを誕生させているにも関わらず、尚飽き足らずクラゲを飛ばす・・。 なんと前のめりな。これぞ挑戦。 「宇宙大怪獣ドゴラ」(1964年/本多猪四郎監督) 怪獣デザインだけで…

地獄の高校カースト制度。 ヘザース/ベロニカの熱い日

『色々な人間が仲良く暮らせるのは天国だけなんだ!』アメリカの正しい高校生活を描いたどん詰まり青春映画の快(怪?)作です 「ヘザース/ベロニカの熱い日」(1989年/マイケル・レーマン監督) ヘザーという名前の3人で構成されたお嬢様グループ「ヘザ…

決め技はサイド・スープレックス! ゼイリブ

『そんなこったろうと思った』見渡せば周りはエイリアンで一杯。広告だと思っていた看板には「服従せよ!」「考えるな!」「テレビを見ろ!」「消費しろ!」「眠ってろ!」「結婚して子供を産め!」・・・。It’s a Beautiful World.「ゼイリブ」(1988年/ジ…

蝦夷から帝都へ。 大怪獣バラン

別冊宝島「怪獣学入門」によれば、自衛隊が自力で倒せた怪獣は僅か二種。 一種は熊襲の地に蘇ったラドン。そしてもう一種は蝦夷の山奥から帝都を目指した・・ 「大怪獣バラン」(1958年/本多猪四郎監督) 一般的に「失敗作」の烙印を押されておりますが、捨…

炎上も優雅。 ヒンデンブルグ(とレッド・ツェッペリン3Dジャケ)

実話ベースの災害映画には、大惨事が約束されている安心感があります。 「ブラック・サンデー」の飛行船は絶対スタジアムで自爆しませんが、こいつは違います。爆発します。確実に。「ヒンデンブルグ」(1975年/ロバート・ワイズ監督)冒頭、雲を抜けてゆっ…

日本刀セガールまで・・。 マチェーテ(の本当の予告編)

嘘から出たまこと。「グラインドハウス」のフェイク・トレーラーがマジ本編となり、本当の予告編が公開されました。すげーぞ。「マチェーテ」(2010年/ロバート・ロドリゲス監督)ハメられた殺し屋の復讐劇という基本骨子はフェイクと変わらずのようで…

「冥土へ行きな!」(笑) サスペリア・テルザ/最後の魔女

『ちょっと待ちな!』『冥土へ行きな!』 よもやアルジェントの映画で、しかも西洋の魔女をテーマにしたオカルト映画で、このような日本語を耳にする日が来ようとは。 長生きはするもんです。 「サスペリア・テルザ/最後の魔女」 (2007年/ダリオ・アルジ…

どこだシャロン・ストーン!? 愛と哀しみのボレロ[完全版]

昨日のトラボルタに続く“有名人を探せ”シリーズ第二弾。 「愛と哀しみのボレロ」[完全版] (1981年/クロード・ルルーシュ監督) まあ狂った映画です(笑)。 整理の限界を超えた登場人物。そのほとんどが親と子を一人二役。 親が死んでいて同時に存在しな…

どこだトラボルタ!? 魔鬼雨

“悪魔の雨が人間を溶かす”・・素晴らしいコピーです。 しかし何よりこの映画を好印象にしているのは、 「魔鬼雨」(1975年/ロバート・フュースト監督) という邦題でしょう。現代は“THE DEVIL'S RAIN”で単に“悪魔の雨”。 担当者グッジョブです。偉いぞコロ…

お兄ちゃんは鉄の爪。 バスケットケース

さあ、ニューヨークに行くぞ。行って僕らを引き剥がしたあいつらに復讐だ。忘れ物はないかな…おっと、バスケット・ケース、バスケット・ケース。中に大切な……お兄ちゃんを入れて。 「バスケットケース」 (1982年/フランク・ヘネンロッター監督) 異形の兄…

クラシックロック探訪【番外編】 ヴァン・ヘイレン/バランス

「悪魔のシスター」「戦慄の絆」と続いた因果な兄弟姉妹特集の〆の前にちょっと寄り道。 「バランス(の輸入版ジャケット)」(1995年/ヴァン・ヘイレン) スタジオ通産10作目、サミー・ヘイガー在籍時最後のアルバムです。 上は日本版のジャケット。これだ…

これはアレじゃないか! 秘密兵器スリーブガン/びっくるくん

世の中には馬鹿な奴が一杯います。馬鹿の情熱には限度が無く、愛情は底無しです。そこにはマーケティングだの採算だのといった小賢しいソロバン勘定は存在しません。ただひたすらに溢れ出る、時に間欠泉の如く湧き上がる「愛」だけが作り得た商品、それが、 …

英国・炭鉱・どん詰まり。脱出切符は希望。 リトル・ダンサー

『わたしのアソコ見たい?』 『見せなくても好きだよ』嗚呼、「小さな恋のメロディ」から幾年月。イギリスの子供たちは素敵な会話ができるようになったんだねえ。おーい、トレーシー・ハイド、マーク・レスター、元気してるか? 「リトル・ダンサー」(2000…

ウド・キア渾身の吐き芸を見よ! 処女の生血

『うるるうげがごばらげろばー!』 もし、この世に“吐き演技世界選手権”なる大会があれば、間違いなくぶっちぎりでウド・キアが優勝でしょう。 「処女の生血」(1974年/ポール・モリセイ監督) アンディ・ウォーホル提供のキッチュなドラキュラ。 ルーマニ…