デストピア経典~曼荼羅畑でつかまえて(三代目)

B級カルトな特殊映画、ホラーにアニメに格闘技、酒にメタルにフィギュアに銃。日頃世間ではあまり顧みられる事のないあれやこれやを過剰なる偏愛を以てご紹介いたします。

2012-03-01から1ヶ月間の記事一覧

それは様式美じゃないぞ。 ウルトラヴァイオレット

アクション・メインだから背景はどうでもいいだろって開き直りは潔いですが、ここまで手を抜く事ぁねえじゃねえか。 「ウルトラヴァイオレット」(2006年/カート・ウィマー監督) “ここは理解を超えた世界”っていきなり言い訳かよ。近未来の世界観を画とし…

策士策に。 スクリーム4:ネクスト・ジェネレーション

「オリジナルを改悪しちゃ駄目よ」byシドニー言いたい事は分かります。分かるのですが…。何と言うか、タコが自分の脚を食べているような、自縄自縛と言うか自嘲自爆と言うか。 「スクリーム4:ネクスト・ジェネレーション」(2011年/ウェス・クレイブン監…

どうした御大?! ザ・ウォード/監禁病棟

カーペンター10年ぶりの劇場新作! 本来なら、それだけでゴハン3杯はいけるはずなのですが…。 どうした御大?! 何故、脚本を他人任せにした? どうしてヘッポコピーなシンセを奏でない? 破綻ギリギリの自分勝手さをどこに封印した? 綺麗にまとまりすぎじ…

キャリーをリメイク? 悪いことは言わん、やめとけ。

「キャリー」(1976年/ブライアン・デ・パルマ監督)のリメイク企画が進行中だそうです。キャリー役の最終候補はクロエ・グレース・モレッツ(写真上・左)とヘイリー・ベネット(写真上・右)。ううむ。「キャリー」くらい完成度の高いホラー映画(い…

永遠も半ばを過ぎて。 Lie lie Lie

『寂しい? 寂しいって何? 私には分からないわ』お気に入りの小説が映像化されるのは嬉しい反面、裏切られた時の悲しみ(と怒り)も大きく、大抵は「オメー本当に原作読んだのかよぅ」と悲嘆に暮れる事になります。絶対にハズす、ハズしているに決まってい…

過ちを犯す権利。 大都会 闘いの日々「前科者」「私生活」

『主人がいくら懸命に真面目にやろうと努力しても、世間は前科者に本当に冷たくて、それだけでまともな職にも就けず、何かがおこるとすぐ疑られ、また職を変えねばならず、そうやって6年間一生懸命やって、それでも駄目で何かをしたのなら、それは私もう責…

グラムロックに恋狂い。 SWEET

中学生の頃、愛聴していたのはSWEETでした(ガキの時からマイノリティ!)。当時、男はKISS(次点エアロ)、腐女子はローラーズ、通気取りはツェッペリン(次点パープル)で蓮っ葉野郎はピンク・フロイド(次点クリムゾン)という時代でしたから、…

立ち喰い蕎麦屋はSFを信じない。 御先祖様万々歳!

「己の物語を演じつつ、しかし、人はその物語の作者たる事は決して許されない」「真に偉大な結末は常に予定調和でなければならない」登場人物全員が、物語に対する、家族に対する持論を、薀蓄を、能書きを、小理屈を、屁理屈を語って騙ってかたり倒す。飛行…

民族抗争版鳥獣戯画。 ウェスト・バンク・ストーリー

予備知識ゼロで観始めたので、一体何が始まったのかと思いました(笑)。街角から指を鳴らしながらステップを踏んで登場するパレスチナ人。反対側からは同じく指を鳴らしながらイスラエル人のグループが。まさかとは思いましたが、タイトルまんまのミュージ…

大舵切ったか? プロメテウス(の第二弾予告編)

「プロメテウス」(2012年/リドリー・スコット監督)の第二弾予告編が公開されました。第一弾では、いかにもな画を繋いで、「エイリアン」と同じ世界観をアピールしていましたが、今回はちょっと趣が異なります。ゴシック・ホラーな色彩は影を潜めて、未知…

こ、この卑怯者がぁ! 振り子by鉄拳

こ、こんなベタな話で…、こんなDQNなキャラで…、この俺が泣くわけ…泣くわけ…。この卑怯者がぁ!「振り子」by鉄拳いやあ、歳をとると涙腺がゆるくなると言いますが、ここまでゆるくなっていたか。何かの病気なんじゃねぇか。涙腺決壊症候群とか。鉄拳は“ス…

あと5年! バトルランナー

良作か?と問われれば、間違いなく駄目駄目なのですが、嫌いか?と問われれば諸手を挙げて“大好き”と応えてしまう困った作品というのがあります。これもその1本。 「バトルランナー」 (1987年/ポール・マイケル・グレイザー監督) 時は西暦2017年の近未来…

何をする気だ、三池?! 愛と誠(の予告編公開)

太賀誠(妻夫木)が踊っている。早乙女愛(武井咲)が歌っている。そして、岩清水弘が、いや出演者全員が馬鹿っぽい。何をする気なんだ、三池?!「愛と誠(の予告編)」(2012年/三池崇史監督)ここしばらく原作至上主義(「逆転裁判」の時には「オリ…

可動する仏像! リボルテックタケヤ/阿修羅

仏像をアクション・フィギュアにして可動させ、思うさま好きなポーズをとらせらる。奈良の大仏を動かす気にはなりませんが、四天王、五大明王、十二神将なら話は別です。武器を持ち、邪鬼を踏みしめ見得を切る歌舞伎役者にも似た絢爛豪華な佇まい。静止の中…

そこは人間交差点。 大都会 闘いの日々

“人は流れに逆らい、そして力尽きて流される” 「装甲騎兵ボトムズ」第21話「遡行」の予告ナレーションですが、正にそんなキャッチがぴったりの虚飾を排したハードボイルド人間ドラマ。 「大都会 闘いの日々」 (1976年1月6日-8月3日/日本テレビ) タイトル…

1/24ポインター再生産記念。 ウルトラ警備隊西へ

ウルトラシリーズの中でぶっちぎりの人気を誇る乗り物(特に車)と言えば、ウルトラ警備隊のポインターでしょう。クライスラー社製インペリアル1957年モデルをベースに大胆な改造を施した成田亨入魂のデザイン。アメ車の無駄なごっつさが宇宙人とも渡り合え…

教材? ザ・ライト -エクソシストの真実-

『悪魔祓いに何を期待している? 回転する首か? 緑のゲロか?』TSUTAYAの棚よりも、神学校の購買部に並んでいる方が収まりが良いのでは、と思えるくらい真面目ぇな宗教映画でした。ほとんどバチカンのプロパガンダ。 「ザ・ライト -エクソシストの真実-」…

走れプリウス! アザー・ガイズ 俺たち踊るハイパー刑事!

のっけからド派手な(大味な)カーアクション!豪快にジャンプしながら、ぶち割れたフロントグラス越しに2丁拳銃を乱射しつつ、「お前らには黙秘権がある!」バッド・ボーイズな花形刑事二人組ダンソン(ドウェイン・ジョンソン←ロック様)&ハイスミス(サ…

全方位投げっ放し。 ハゲタカゾンビ 感染注射

『近道を教わったんだ。1時間は短縮できるぞ』 『ホラー映画の始まりみたいな展開だが大丈夫か?』 勿論、大丈夫じゃありません。 「ハゲタカゾンビ 感染注射」 (2007年/ロバート・カーツマン監督) 西側社会に鉄槌を喰らわせるために、森の中の研究所(…

また馬鹿なものを(笑)。KISS ザ・デーモン・ロボット

先月、ラシュモア山の大統領をKISSメンバーに挿げ替えた置物「KISSマウント・キス・モア」(ファクトリー・エンターテイメント)を御紹介しましたが、今度はファンコがやってくれました。「KISS ザ・デーモン・ロボット・デストロイヤー」(ファンコ…

あれから1年…。全て事実は闇の中。 復讐捜査線

『人間は完璧ではない。しかし、正しい生き方がある』 捜査線と言えば、「野獣捜査線」(チャック・ノリス大暴走)や「炎の大捜査線」(脚本大破綻)など、常軌を逸した暴れはっちゃくなイメージがあります。 “復讐”でメル・ギブと来れば、当然“歳はとっても…

何て素敵なミドルネーム。 OVAデビルマン[輸入版]

もう大分昔の話ですが、アメリカのビデオ・ショップでOVA版デビルマンのビデオを購入しました(写真は現在販売されているDVDジャケですが、私が買ったのはVHS)。 まず驚いたのはジャケに貼られた「MUST BE 18 YEARS OF AGE PURCHASE」のシール。18…

綺麗にはなりましたが…。 トロン:レガシー

前作から28年。まさかの続編。CG黎明期の“最先端”が、現在のテクノロジーでどう料理されるのか。確かに絵は綺麗になりました。しかし、仏作って魂込めずと言うか、揺さぶられるものがありません。昨今流行のリメイクものと同じ箱。あと10年経っても前作は…

直角に曲がる快感(未だ色褪せぬ時代の記念碑)。 トロン

例えば、この翌年に公開されたアニメ版「ゴルゴ13」を今観たら(少なくともCGパートは)鑑賞に堪えないと思います。本作とて公開から30年。技術の進歩という時の流れの残酷さを目の当たりにしてしまう…のかと思いきや…。何とかつての先端技術が時を経て一…

立ちなさい、今すぐ! ロング・キス・グッドナイト

『立って。死んじゃいないのよ。 生きる事は痛みに耐える事よ。 さあ、立ちなさい! 今すぐ!』ハリウッド.コムが選出した、女性主人公が活躍するアクション映画(The Best Female Action Movies)のベスト8の1本(順不同ですが表記はトップ)。 「ロング…

目茶ぶつけ宴会芸。 究極超人あ~る(の一発芸と元ネタ)

『わたしの目の細いうちはストーリーまんがなどやらせはせんぞ!』by成原成行博士 OVA(今月4日のレビュー参照)を見たら、久しぶりに原作コミックが読みたくなりました。 「究極超人あ~る」(ゆうきまさみ著/小学館文庫全5巻) 何と見事なヌケ具合。…

トップをねらえ!Blu-ray発売記念~いきなり顔の法則

遂に「トップをねらえ!」全6話がBlu-rayBOXで発売されました。過剰な偏愛に基づくストーリー紹介は既に済ませているので、内容に関しては過去レビューを覗いて頂くとして、今回は諸設定に関するお話を。BOX封入の冊子によると、トップに登場する工業製品は…

状況打破である! 究極超人あ~る[OVA]

“光画部” 一度でも写真をかじった事がある人ならまずこのネーミングがツボでしょう。 写真部でもカメラ部でもない。光画部。 名前とは裏腹に普通なら決して光の当たらない高校文化部。その生態を漲る活力と腰砕けの脱力ギャグ、そして溢れかえるマニア魂で描…

まさかの続編! ピラニア3DD(の予告編)

ジャームズ“殺人魚フライングキラー”キャメロンから「そんな下品な事に3D使うんじゃねぇ」と文句垂れられた「ピラニア3D」がまさかの再始動。 監督は下品の闇鍋、「フィースト」シリーズ撮ったこの人。 「PIRANHA 3DD[スリー・ダブル・ディ]…

弾音は哀愁のシンフォニー。 アジョシ

『でも、おじさんを嫌いにはならないよ。おじさんを嫌いになったら、好きな人がひとりもいなくなっちゃうから』全ての愛を拒絶した男と全ての愛から拒絶された少女。卑怯な設定です。これだけでうるっと来ちゃうじゃないですか。「アジョシ」(2010年/イ・…