デストピア経典~曼荼羅畑でつかまえて(三代目)

B級カルトな特殊映画、ホラーにアニメに格闘技、酒にメタルにフィギュアに銃。日頃世間ではあまり顧みられる事のないあれやこれやを過剰なる偏愛を以てご紹介いたします。

#アクションアドベンチャー

悪魔vs警備員(ハンデ無し)。 エンド・オブ・デイズ

「神がお前から奪ったものを返してやろう」 公開当初から駄目駄目の烙印を押されていたので、長いこと躊躇しておりましたが、ようやく鑑賞。 確かに残念賞つるべ打ちではありますが、それなりに見所満載(?)と言えないこともないと断言するに吝かではない…

元祖I’ll Be Back! エクスタミネーター

開巻いきなり爆発・火柱。そんなに飛ぶ訳ゃねぇだろ!なハイジャンプ・ソルジャー(写真上)。 OK過ぎる掴みに続いて、ベトコンが米兵捕虜斬首。ただ斬り落とすだけじゃない。首の皮一枚残して苦悶の表情を見せる匠の技。スタン・ウィンストン入魂の斬首模…

あと5年! バトルランナー

良作か?と問われれば、間違いなく駄目駄目なのですが、嫌いか?と問われれば諸手を挙げて“大好き”と応えてしまう困った作品というのがあります。これもその1本。 「バトルランナー」 (1987年/ポール・マイケル・グレイザー監督) 時は西暦2017年の近未来…

走れプリウス! アザー・ガイズ 俺たち踊るハイパー刑事!

のっけからド派手な(大味な)カーアクション!豪快にジャンプしながら、ぶち割れたフロントグラス越しに2丁拳銃を乱射しつつ、「お前らには黙秘権がある!」バッド・ボーイズな花形刑事二人組ダンソン(ドウェイン・ジョンソン←ロック様)&ハイスミス(サ…

綺麗にはなりましたが…。 トロン:レガシー

前作から28年。まさかの続編。CG黎明期の“最先端”が、現在のテクノロジーでどう料理されるのか。確かに絵は綺麗になりました。しかし、仏作って魂込めずと言うか、揺さぶられるものがありません。昨今流行のリメイクものと同じ箱。あと10年経っても前作は…

直角に曲がる快感(未だ色褪せぬ時代の記念碑)。 トロン

例えば、この翌年に公開されたアニメ版「ゴルゴ13」を今観たら(少なくともCGパートは)鑑賞に堪えないと思います。本作とて公開から30年。技術の進歩という時の流れの残酷さを目の当たりにしてしまう…のかと思いきや…。何とかつての先端技術が時を経て一…

立ちなさい、今すぐ! ロング・キス・グッドナイト

『立って。死んじゃいないのよ。 生きる事は痛みに耐える事よ。 さあ、立ちなさい! 今すぐ!』ハリウッド.コムが選出した、女性主人公が活躍するアクション映画(The Best Female Action Movies)のベスト8の1本(順不同ですが表記はトップ)。 「ロング…

不良番長型ランドマスター。 バトルトラック

武装バス、装甲トラックマニアとして、このタイトルを外すわけにはいきません(笑)。 「バトルトラック」 (1982年/ハーレイ・コークリス監督) 原題も“BATTLETRUCK”。何て偏差値貧乏で素敵なタイトルなんでしょう。 罵堵坩屠羅駆と当て字をしたくなります…

情け無用、国境無視の破壊神、その名はジミー・ウォング。 スカイ・ハイ

その男の通った後にはぺんぺん草一本生えないと言う。 香港から来た悪魔。天皇巨星。ジミー・ウォング。 あと1週間、捜査が長引いていたら、シドニーは瓦礫の山と化していたでしょう。 「スカイ・ハイ」(1975年/ブライアン・トレンチャード・スミス監督)…

命と引き換えの1時間。 孫文の義士団

『明後日、守って欲しい人がいる』 『分かった。一番の難所を受け持とう』 『…誰を守るのか訊かないのか?』 『明日、誰を守るのか知ってるの?』 『(首を振る)旦那様が喜んでくれればそれでいい』 さあ、男泣きの時間だよ。 「孫文の義士団」(2009年/テ…

全てピンボケ。 グリーン・ホーネット

金持ちヒーローのキャラ設定は実に難儀。ブルジョアぼんぼんの自己完結型ひとりよがり正義を勧善懲悪に軌道修正するにはちょっとした工夫が必要です。バットマンは、メンヘラ並みに屈折した人格が、悪役との境界線を曖昧にしてダークヒーローとしての品格を…

恐るべしグリッケンハウス。 プロテクター

ジャッキー・チェンにとって1985年は、「プロジェクトA」翌年、「ポリス・ストーリー/香港国際警察」同年、そして「サンダー・アーム/龍兄虎弟」前年です。絶頂期と言っていいと思います。そんな時代に、ジャッキーの持つ華を全て消し去り塵ひとつ残さな…

指先まで演技する戦う哲学。 イップ・マン 葉問

例えば、オープンハンドで構えていた手を一瞬ナックルにする・・ただそれだけで伝わる感情があります。 武術監督・サモ・ハン・キンポーの、そして演技者・ドニー・イエンの現時点に於ける最高傑作ではないでしょうか。 「イップ・マン 葉問」(2010年/ウィ…

繊細・華麗・一撃必殺。 イップ・マン/序章

美しい…。円舞のように繊細なのに一撃必殺。これがジークンドーの原点か。 「イップ・マン/序章」 (2008年/ウィルソン・イップ監督) 前年の「導火線」で現代的総合格闘技を極めたドニー・イエン先生が、中国の古典武術・詠春拳の生みの親にしてブルース…

索漠とした正義の後味。 破壊!

『あんたは何でも欲しがるが、俺たちは違う。俺たちが欲しいのはあんただけだ』風紀課刑事で思い出すのは「シャーキーズ・マシーン」ですが、あっちには刑事としての矜持に対する報いがありました。本作の二人には報いがありません。刑事たらんとする行動と…

秘技“負けながら勝つ”。 バトルクリーク・ブロー

師父ブルース・リーは「燃えよドラゴン」で、“戦わずして勝つ”という奥義(?)を披露してくれましたが、ジャッキーは更にテクニカル。マフィア3人を相手に“負けながら勝つ”。正に秘技。 「バトルクリーク・ブロー」 (1980年/ロバート・クローズ監督) 1…

「真夜中の戦士」100回読み返しの刑。 GAMER

リアルに存在する他人を自分のアバターとして操作する戦争ゲーム。アバター(ゲーム内での呼称はスレイヤー)は、死刑確定の犯罪者。30回連続で生還すれば自由の身に…。どこかで聞いた様な設定です。「バトル・ランナー」とリメイク版「デスレース」を足して…

まだまだイケるぞキャメロン・ディアス。 ナイト&デイ

「トゥルー・ライズ」がどうしても好きになれない最大の理由は「コメディとして中途半端」(お笑いとアクションがバラバラ)だから。 その点、本作はド派手なアクションが全てコメディ(しかもラブ・コメ)として機能しています。 さらに、主演はキャメロン&…

王の羽に抱かれて不思議の国へ。 片腕ドラゴン

人間、ここまで華麗かつあっさりと常識をフライングされ続けると感覚が麻痺して、「お、俺は今何を観ているんだ?」という疑問すら消えて蓮の花咲く無我の境地へ幽体離脱。さあ、あなたも王の羽に抱かれて不思議時空へ。「片腕ドラゴン」(1972年/ジミー・…

そのネクタイだけはいらない。 野獣捜査線

リクエストの甲斐あって(読んでいてくれたかスタローン!)、チャック・ノリス(とジャン・クロード・ヴァン・ダム)の「エクスペンダブルズ2」出演が決まりました(蓋を開けるまで予断を許しませんが)。記念して個人的イチオシ作品を。 「野獣捜査線」(…

シュワすらもミスキャスト、でも好きだ。 ターミネーター3

作り手の都合や道義的事情で封印されてしまう作品は多々ありますが、観客の側から「なかった事にしてくれないか」と三行半を突きつけられる作品はなかなかありません。 記憶も封印されてしまったのか、覚えているのはクリスタナ・ローケンがおっぱいの大きさ…

髪は薄いがキャラは濃い。 アリゲーター

ペットショップに行けば店長から「苦労されてますな」、 職場で同僚に「分け目を変えれば隠せるぞ」、 折角、彼女が髪を撫でてくれているのに「よせよ、気にしてるんだから」 ここまで、薄らハゲを自虐的なまでに強調されたヒーローがいたでしょうか。 「ア…

看板に偽り無し! 戦闘機対戦車

戦闘機対戦車!!何と潔い、何と躊躇いのないタイトルでしょう。そして看板に偽り無し。登場するのは飛行能力を奪われた一機の戦闘機と砂漠のど真ん中で迷子になった一台の戦車。砂塵を舞い上げて命がけの鬼ごっこが始まった。 「戦闘機対戦車」 (1973年/…

叶わぬ夢と知りつつ…。 サイレント・フルート

デビッド・キャラダインは好きです。本作でもいい味出しています。が、しかし。もし本作が当初の予定通り、ブルース・リー&ジェームズ・コバーンで撮影されていたら…と考えると、つい海よりも深いため息が…。 「サイレント・フルート」 (1977年/リチャー…

ドニー先生の格闘万博。 導火線 Flash Point

「ドラゴンへの道」で最初のピークを迎えた“徒手空拳による一騎打ち”。その後、ジャッキー・チェン、ジェット・リーと受け継がれた系譜ですが、現時点に於ける“最前線”が本作ではないかと思います。「導火線 Flash Point」(2007年/ウィルソン・イップ監督…

実は見所満載。 チャーリーズ・エンジェル/フルスロットル

『エンジェルはダイヤよ。作れないから探すの』 公開時の印象は「なんじゃ、この支離滅裂な話は」だったのですが、今回改めて「1」「2」連続で観ましたら、妙な幸福感に包まれてしまいました。 この監督にドラマ演出の才が無いのは後に「ターミネーター4…

肉体言語による異文化交流。 ドラゴンへの道

セットと書割のコロシアムを肉体の躍動感ひとつで“本物”に変える筋肉の錬金術師。 これは、肉体言語による異文化コミュニケーション映画です。 「ドラゴンへの道」(1972年/ブルース・リー監督) ドラゴン・レースのアニメに「う!う!」という叫びが被る軽…

経費ゼロ、これぞ究極のアナログ合成。 死亡遊戯

観光地に必ずある顔出しパネルを思い浮かべてください。土地ゆかりの偉人やキャラクターの顔の部分に穴が開いているアレです。裏に回って穴から顔出してハイチーズ。あんな恥ずかしい写真撮りたがる奴がいるのかと思って見ていると、意外に利用されているん…

逆年齢詐称? ローラーガールズ・ダイアリー

佐々木ヨーコ、東京ボンバーズ、ロサンゼルス・サンダーバード…。 そんな名前に反応してしまう世代にとっては至福の一編。 ましてや、ジュリエット・ルイス(リンク・ネーム:アイアン・メイビン←最高!)を向うに回してドリュー・バリモアやゾーイ・ベルを…

ミラが場末のママさんに…。バイオハザードⅣ アフターライフ

前作は「おいおい、ここでマッドマックス2かよ!?」な意外性(?)がありましたが、今回は更に凄い。 「おいおい、今更マトリックスかよ!?」 よもや21世紀も10年を数える時代に“Bullet-time”をこれでもか、と見せ付けられるとは思いませんでした。 「バ…