デストピア経典~曼荼羅畑でつかまえて(三代目)

B級カルトな特殊映画、ホラーにアニメに格闘技、酒にメタルにフィギュアに銃。日頃世間ではあまり顧みられる事のないあれやこれやを過剰なる偏愛を以てご紹介いたします。

#邦画

祝84! 山崎努誕生祭。

本日12月2日は山崎努84th誕生祭(おめでとうございます!)。この方、少ない露出でも何故か場面の印象をかっさらってしまう得な人。「天国と地獄」の誘拐犯・竹内銀次郎とか典型(出ずっぱりの三船よりラストで金網掴んで絶叫する山崎の方が網膜に焼き付いて…

超強引企画「藤原組長」弐連発! 千年の松|天獄の島2

本日11月29日は「藤原喜明が異種格闘技戦でディック・レオン・フライに勝利した日」。1989年のこの日、UWFが東京ドームにて開催した「U-COSMOS」(後援メガネスーパー)第4試合において藤原喜明がキックボクサー、ディック・レオン・フライと異種格闘技戦を…

【こうべじゃないよ】ファンタズム(2014年の日本映画)【かのとだよ】

『娘さんですか?』 『ええ。ですが…8年前に死にました』 『もしかして、降霊術を…』 『ええ、しましたよ勿論。娘に会いました。 ですが…問題はその後なんです』家族がちょっと目を離したすきに息子溺死。お父ちゃんは現実逃避(特に家族から)、お母ちゃん…

極道を 組ごと潰す 仕掛人。人呼んで… 極潰し

極道組織が経営する町工場・湘和製作所。ここの従業員の半数は売人かシャブ中。勿論、流しているのは(吸い上げているのも)、親会社・酒井組。工場の新参者・片桐圭介(竹内力)は酒井組に接近、シャブの売人を買って出て、粗悪なシャブを僅か1日で完売させ…

【肩甲骨を】RE:BORN リボーン【回せ】

『緊張するな。撃たれても斬られても動じるな。 相打ち覚悟で行け。緊張が思考を駄目にする。 草食動物は緊張した瞬間に喰われる。 肉食動物は緊張しない。 俺たちは狩られに来たのか?』 『違います!』 『俺たちは≪狩る者≫だ』ここ半世紀の間、戦場で常に…

【その門を叩いた者は】天獄の島【二度と帰らない】

Vシネと言うと「実録もの」「極道もの」の印象が強いですが、元々は劇場公開を前提とせず、低予算で好きな事をやる破天荒さ、ハードボイルドからエログロ、特撮、SFまで何でもアリな守備範囲が魅力のジャンル。その意味ではこういうミステリー(?)ものはV…

【小林旭誕生記念】俺にさわると危ないぜ【ご機嫌すぎるマイトなカルト】

軽快なドラムをバックにKマーク(にっかつのNじゃなくて日本「活動」写真のKだ)。いきなり戦火のベトナム(という設定なんだからベトナムだと思って見るように)、迫撃・銃弾雨あられ。従軍カメラマン、小林旭(役名は本堂大介ですが旭で統一)が、砲火…

【この健太郎は】実録・大阪やくざ戦争 報復(かえし)【あの健太郎じゃない】

「仁義なき戦い」シリーズも同じ役者が別の役だったり、同じ役が別の役者だったりと混乱の坩堝でしたが、Vシネ実録シリーズも町内会の持ち回り班長制度の如きバトンリレーで毎回整理に七難八苦。ここに実名無し仮名制度が加わって更なる混沌の極みへ。まあ、…

【その囁きは天使のため息か】死神の刃(やいば)【悪魔の甘言か】

『落ち着け!心配するな。生き返ったわけじゃねえ。…化けて出てきただけだよ』うだつの上がらぬまま30代も半ばを過ぎてしまったチンピラ神原二郎(本宮泰風)。かつては武闘派として鳴らしたものの今は病弱で見る影もない若頭(田口トモロヲ)から二郎に下っ…

【竹内力直謝罪!】 実録 青森抗争 【テキ屋の儀式映像は貴重かも】

冒頭、白装束で日本刀振り回す竹内力の映像と共に字幕と竹内力本人によるナレーションで直謝罪。斬新です。要するに本作は実録ベースのフィクションだけど、関係各位に多大なるご迷惑をお掛けして申し訳ありません、と。 関係各位の中で固有名詞が出てきたの…

【金は無いが主張はある】サムライ【もっとプロパガンダを!】

『矛盾しとるよなあ。戦場に送り込まれた軍人が、戦った事の責任を問われるとは』紛争の北アフリカに派兵された自衛隊。そこで運悪くゲリラと遭遇。止む無く反撃したら世論マスコミ袋叩き。 更迭された指揮官・白河(白竜)は辞表を出して自衛隊を去る事に。…

スクリューが回らなかったら、手で回して突っ込め! 人間魚雷出撃す

『大概、いつの出撃でも、1本や2本おめおめと帰って来る。こんな搭乗態度だから帰って来るんだ。鉢巻きを締め、日本刀をかざし、全員に送られて得意になって出ていくだけが能じゃない!出ていく以上、戦果をあげなければ何にもならん! スクリューが回らなか…

【広島死闘篇リブート】新・広島やくざ戦争 武闘派列伝 伝説の広島極道 山上功治の生涯【しかしその出身は禁忌】

『山上光治が死んだで。警察に追われとったろ? 逃げ切れんようになっての、隠れとった家の風呂場の中で…ズドン!じゃ』これは小沢仁志が(「仁義なき戦い 完結篇」で北大路欣也が演じた)三代目共政会会長・山田久を演じた「広島やくざ戦争」冒頭の台詞。山…

7月28日は乱歩忌。 お薦め乱歩映画とRAMPO公開時の思ひ出

本日7月28日は乱歩忌。江戸川乱歩(1894~1965年)の命日です。乱歩は読むのも楽しいですが、映像作家がその峰に挑んで玉砕する様を観るのも実に楽しいです(己が才を知ってから臨め)。ラヴクラフト原作の映像化にも同じことが言えますが、変態の向こうを張…

本日は誕生日が紡ぐ縁(えにし)の日。実録史上最大の抗争 義絶状2

『ええか。お前らよう聞けよ。今、本家は世論に押されて動くに動けん状況になりつつある。そやけど、わしら武田組一門は世論もサツの面目も関係あらへんのじゃ。兄貴がやり遂げられんかった丸和会壊滅をたとえ一門全員が骨になっても、兄貴の代わりにやり遂…

豪華共演者差し置いて独り勝ち翁華栄(おうふぁーろん)。 殺し屋PAZUZU(パズズ)

『馬鹿かてめぇは。俺はホモだがヤクザだぜ。甘ったれた事ぬかすんじゃねぇや』金属バット振り回すシャブ中ホモ極道、門脇(名高達男)。対するは伝説のヒットマン、富樫(松方弘樹)。富樫はかつてこう呼ばれていました。「殺し屋PAZUZU(パズズ)」(2000…

その後の「制覇」、その後の清水健太郎。 実録・史上最大の抗争 義絶状

『山王会は会社とちゃうねん。わしらサラリーマンとちゃうねん。山王会は日本一の任侠団体や。わしらそこで生きてる極道やないけ!その辺がちぃっと分かっとらん山辰の思い通りにさすわけにはいかんのじゃ!』「制覇」(1982)では三代目の部屋住み運転手だっ…

松竹映画100周年! しかし、5ちゃんスレ振るわず。代わりにマイベスト松竹を。

松竹が今年で100周年を迎えるそうです(おめでとうございます!)。奥山親子のやんちゃと解任、鎌倉シネマワールドの開業と閉鎖、大船撮影所の売却、名古屋証券取引所上場廃止とか盛り沢山のHUNDRED YEARS。記念して、特設サイト「松竹映画100年の100選」(ht…

邪神召喚(阻止)エンターテイメント(&あびる優お誕生日記念)。 カルト

『ノウマク・サンマンダバザラダン・センダ・マカロシャダ・ソワタヤ・ウンタラタ・カンマン!』不動明王の真言も邪神には届きませんでした…。 「カルト」(2013年/白石晃士監督) 女優(あびる優、岩佐真悠子、入来茉里)が実名で登場して心霊現象をレポー…

今は亡きぽっちゃりトリオの在りし日を偲ぶ。 実録・北陸やくざ戦争

「山よりも高い波が立つ冬の日本海のように、北陸の男たちは荒々しく激しい気性を内面に秘めている。福井は石川・富山を合わせた北陸3県の中でも、商工業が栄える都市として、古くからやくざ者の数が多く、絶えず縄張り争いを繰り返し、凄惨・苛烈な抗争事件…

岸田さん、あなた、ロリコ…。 呪いの館 血を吸う眼

『18年前、父が邪魔をしなかったら、お前はとうの昔に私の花嫁になっていたのだよ』おいおいおい、18年前ってこの子まだ5歳だぞ。5歳の幼女を嫁にしようとしていたのか。100歩譲って18年前に未来の花嫁として見初めたという意味だとしても、やっぱり相手は5…

洋館は崩れてなんぼ。 幽霊屋敷の恐怖 血を吸う人形

所謂「家モノ」ホラーの中でも「洋館モノ」は、純和風な「屋敷モノ」とは一線を画しながら、西洋に憧れる日本人の心情を反映しているという意味で「1周回って純和風」なジャンルと言えるでしょう(すまん、自分でも何を言っているのか分からない…)。音楽は…

赤木圭一郎21歳…21歳!? 紅の拳銃(そして追悼:ジョージ秋山)

『また殺し屋の話ですか?勘弁してくださいよ。殺し屋なんて実際にいやしねぇんだから。大体、日本じゃ殺し屋商売が成り立つ訳がないですよ。警察もあれば法律もある。第一、ピストルを持つ事自体が銃砲等所持令第1条って奴に引っかかるんです。違反すれば3…

炊飯スメルフェチ!? 殺しの烙印

『分かってるのね?』 『分かってる。神様みたいに軽いものが銃の先っぽに止まったんだ。それだけだ』Taste of Cinema選出のThe 30 Best Japanese Cult Films of All Time第3位。ハードボイルドとアートとコメディを混ぜる前にぶちまけてしまったカルトの先…

忌む。 狗神

山間の村、因習、男尊女卑、近親相姦、本家と分家、平家の落人伝説、狗神の血筋、祟り、差別と暴力…。日本の田舎の魅力が詰まっています。 「狗神」(2001年/原田眞人監督) 高知県。山間の村・尾峰。たったひとりで工房を切り盛りしている紙漉きの和紙職人…

5月4日はノストラダムスの日。 ノストラダムスの大予言【伊版DVD】

本日5月4日はノストラダムスの日。1555年のこの日、フランスの医師・占星術師のミシェル・ド・ノストラダムス(1503~1566年)が予言集である『百詩篇集』(諸世紀)を出版しました。記念して、 「ノストラダムスの大予言【イタリア版DVD】」 (1974年/舛田…

死神の うわ前撥ねる 悪魔かな。 博徒斬り込み隊

『この人殺しが!』死者数が最大になるよう仕組んだ張本人が何をおっしゃいますやら。 「博徒斬り込み隊」(1971年/佐藤純弥監督) “博徒”と付いていますが、着流しヤクザものではありません。地方進出を目指す中央大手と地元中小の覇権争いを描いた堂々た…

悩んだ末に…。 追悼:大林宣彦

スルーすべきか悩みましたが、ネタとして使わせて頂いていますし、結構好きな作品もあるので感謝と哀悼の意を込めて。大林宣彦監督がお亡くなりになりました。4月10日。肺癌。余命3か月を宣告されてから3年8か月。82歳。ベタですがマイベストは 時をかける少…

夢も理想も血糊の彼方。3月13日は(みんな大好き)「新選組の日」

本日3月13日は「新選組の日」(新選組にゆかりのある東京都日野市のNPO法人・日野市観光協会が制定)。1863(文久3)年のこの日、京都・壬生に詰めていた新選組の前身「壬生浪士組」に、会津藩主で京都守護職の松平容保から会津藩預りとする連絡が入り、新選…

光と影の立役者。 追悼:仙元誠三

カメラマン・仙元誠三(せんげんせいぞう)さんがお亡くなりになりました。 3月1日。81歳。 村川徹、工藤栄一、きうちかずひろ監督らの作品を支えてきた重鎮。役者でくくると松田優作系になるのですが、優作の作品レビューは彼の命日にまとめてしまったので…