デストピア経典~曼荼羅畑でつかまえて(三代目)

B級カルトな特殊映画、ホラーにアニメに格闘技、酒にメタルにフィギュアに銃。日頃世間ではあまり顧みられる事のないあれやこれやを過剰なる偏愛を以てご紹介いたします。

2011-02-01から1ヶ月間の記事一覧

やっぱり田舎って素敵。 悪魔の追跡

“田舎に泊まろう!”をテキサスでやったら多分半分くらいはスタッフごと帰って来ないんじゃないかと思います。 “悪魔のいけにえ”の場合は、あの家にさえ行かなければ助かるかもしれませんが、町ぐるみで邪教集団となると最早逃げ場はありません。 「悪魔の追…

やはり佐分利信がいないと・・。 日本の仁義

東映の実録路線・大作路線の流れから見れば、役者もスケールも中途半端。結局“いつもの東映ヤクザ映画”に。 「日本の仁義」(1977年/中島貞夫監督) 中島監督としては、「やくざ戦争/日本の首領(ドン)」「日本の首領(ドン)・野望篇」の間(と言っても…

息子か。 ネバー・サレンダー/肉弾突撃

主演・テッド・デビアス?スタン・ハンセンのパートナーという実力派でありながら、アホタレ・ビンス・マクマホンjrのマーチャンダイズ作戦で“ミリオンダラーマン”などというピエロを演じ晩節を汚してしまったあのテッド・デビアスか。もう随分な年じゃな…

46cm砲の咆哮に震える。 連合艦隊

模型と分かっていても、46cm主砲塔が轟音あげた時は戦慄にも似た衝撃が走りました。 大砲には男の初期衝動を刺激する熱いサムシングがあります(元も子もない言い方をすれば射精のメタファーなのでしょう)。 「連合艦隊」(1981年/松林宗恵監督) 山本五…

快楽は爆発だ! フランケンフッカー

「フランケンシュタインの花嫁」を起源とする“死んだ恋人を蘇生させるあの手この手”というプロットは「死霊のしたたり2」「デッドリー・フレンド」(変化球で「ペット・セメタリー」)など先駆者多数。 何を今更、な題材ではありますが、この人にかかるとハ…

腐女子よ観ろ!そして引け! クルージング

タランティーノも「デスプルーフ」で使ったウィリー・デビルの「It’s So Easy」。 イントロが流れた瞬間、パチーノの顔がフラッシュバック。さすがサントラ番長、いつもながらナイス選曲です。元ネタは勿論、 「クルージング」(1979年/ウィリアム・フリー…

不謹慎の佃煮(←褒めてます)。 悪魔の毒々モンスター

いやぁ、酷い(笑)。良識ある人が「な、なんて不謹慎でくだらない映画なのかしら!」と眉をひそめそうな下品で反道徳的な行為と表現を思いつく限りぶち込んだ不謹慎の佃煮。 傑作です。 「悪魔の毒々モンスター」 (1984年/マイケル・ハーツ&サミュエル・…

何だ、この凄まじい画圧は・・。 戦艦ポチョムキン

一糸乱れぬ横隊で群集に無差別発砲するコサック兵。撃たれて倒れる子供、その子供を踏み倒して逃げ惑う民衆、抱きかかえた子供ごと蜂の巣にされる母親。 そして混乱の中、赤ん坊を乗せたままオデッサの階段を滑り落ちる乳母車・・。 画圧が強すぎて息もでき…

お買い得! デビルズ・リジェクト[輸入版Blu-ray]

どうもこの映画を観た人の多くは、主人公一家の蛮行に拒否感を、アメリカン・ニューシネマなエンディングに違和感を覚えているようです。私はそこがツボだったのですが・・(世間との壁は山よりも高く、溝は海よりも深い)。しかし、今回見直して再認識。こ…

色づく悪夢。 ビデオドローム[輸入版Blu-ray]

『Death To Videodrome! Long Live The New Fresh!』 1984年8月、場末の地下ビデオ屋で借りた海賊版ビデオ。 ガサガサの画面の中に映っていた物は、息づくビデオ、巨大な唇となってせり出してくるブラウン管(真の3D!)、その中に顔を埋める男、拳銃と…

何で皆そんなにヒッチコックが好きなんだ? 恐怖の岬

昨日ご紹介した「ケープ・フィアー」のリメイク元です。「恐怖の岬」(1962年/J・リー・トンプソン監督)レイプ事件の目撃者として証言をした弁護士(グレゴリー・ペック)一家にお礼参りを敢行する律儀なレイプ犯(ロバート・ミッチャム)。爬虫類のよう…

デ・ニーロがジェイソンに! ケープ・フィアー

いやはや凄ぇ面子だ。 デ・ニーロにノルティ、ジェシカ・ラングにジュリエット・ルイス。オリジナルからグレゴリー・ペックとロバート・ミッチャム、ついでにマーチン・バルサムがカメオ出演。 タイトルデザインにソール・バス、音楽はバーナード・ハーマン…

戦車on石畳(DVDを出せ!今すぐ出せ!) パワープレイ

軍事クーデターと言うと、どうしても南ア方面(「戦争の犬たち」とかアミン絡みとか)を連想してしまいますが、これは数少ないヨーロッパもの。 カナダ軍全面協力で本物戦車をわんさか投入。 キャタピラーと石畳。実に美しいコントラストです。 「パワープレ…

経費が一番、演技は二番、惨劇血糊は限度無し。 血の祝祭日

「ヌードは先が見えていたからね。何か新しいものをと考えていた時にあの言葉を思いついたのさ。“ゴア(GORE)”だよ」 スプラッターの始祖、血まみれゴッド・ファーザー、ハーシェル・ゴードン・ルイスのホラー・デビュー作。スプラッターはここから始まりま…

チーム銃撃なフォーメーション。 ザ・ミッション/非情の掟

派手な爆発も、横っ跳び二丁拳銃もありません。 プロで寡黙で腕利きで、熱い友情に貫かれ、強い信頼で結ばれた5人の“男”の物語。 「ザ・ミッション/非情の掟」(1999年/ジョニー・トー監督) 何者かの襲撃を受けた黒社会のボス、ブン(大竹まこと似)…

実写のジョーを観るんなら・・。 ボクサー

『ボクサーになるには生易しい事じゃ駄目だ。 お前に人が憎めるか?』『憎めます!』 『言ってみろ、誰を憎める?!』 『親父を!お袋を!兄弟を!八重垣島を!沖縄を! 世の中全部だ!』 実写版あしたのジョー・・一体誰が観るのか存じませんが、んなもん観…

え、メル・ギブ? チェーン・リアクション

「マッドマックス」と「クレイジーズ」と「チャイナシンドローム」を足して500倍に希釈。B級ど真ん中。 「チェーン・リアクション」 (1980年/イアン・バリー監督) キアヌ&モーガンの奴(96年)とは同名異作。製作にジョージ・ミラーも名を連ねている…

玉梓が怨霊? スウィートホーム

長らくスルーしておりましたが、本作のファミコン版ゲームがプレステ版バイオハザードの原型と聞いてちょっと食指が動きました。 バイオ攻略に人生の相当量をつぎ込んだ者として、無視する訳にはいきません。 「スウィートホーム」(1989年/黒沢清監督) 黒…

デストピアのビジュアルは理屈に勝る。 サロゲート

まともなSFとして観ちゃうと北斗百裂拳並みの突っ込みが入りますが、一種のおとぎ話(もしくは単なる馬鹿映画)として観れば十分合格です。 「サロゲート」 (2009年/ジョナサン・ターミネーター3・モストウ監督) どうしてもサロゲート→サロゲート・マ…

完璧・・。必殺仕置人/第1話「いのちを売ってさらし首」

ついに。時代劇専門チャンネルで「必殺仕置人」がスタートしました。 初放送から38年が経過しているというのに、このテンション、この面白さ。 特に初回は、深作欣二監督による必殺仕掛人第1話「仕掛けて仕損じなし」、工藤栄一監督による新・必殺仕置人第1…

蟻が、蟻が演技しとる! フェイズⅣ/戦慄!昆虫パニック

タイトルだけ見ると、“現代版・黒い絨毯/マラブンタ大襲来”みたいなものを想像しちゃいますが、中身は何と“2001年砂漠でアンドロメダ/ナショナル・ジオグラフィック編”でした。「フェイズⅣ/戦慄!昆虫パニック」(1973年/ソール・バス監督)VHSは香ば…

そこはオタクの桃源郷。 ゾンビランド

『エディ・ヴァン・ヘイレンを見たよ。ハリウッドボウルで』 『どんなだった?』 『ゾンビだった』 タイトルの通り、ゾンビが出てくるお話ですが、所謂ゾンビ映画だと思って見ると脚本の穴(ガソリン潤沢、銃弾無尽蔵、食料底無し)が気になって楽しめません…

そこ端折っちゃ駄目だろ。 サラマンダー

昔、これと似た様なテイストの映画を観たような・・。話のスケールはやたらデカイくせにやってる事はチマチマと小さい・・。思い出した。「最後の猿の惑星」だ。「サラマンダー」(2002年/ロブ・ボウマン監督)ロンドンの地下鉄拡張工事現場から景気良く火…

正調・血滴子誕生秘話。 空とぶギロチン

唸りを上げて宙を舞い、被せて落として首を刈る。 人呼んで血滴子。英語名THE FLYING GUILLOTINE。日本語名は、 「空とぶギロチン」(1975年/ホー・メンファ監督) 雍正帝が組織した諜報・暗殺・秘密工作部隊“血滴子”(←これは史実)。 彼らが暗殺の武器と…

方輪・キチガイ・裏日本。 江戸川乱歩全集/恐怖奇形人間

「大殺陣」(2月1日参照)の“お父ちゃ~ん!”も衝撃でしたが、本作の“おかーさーん!”も違う意味で衝(笑)撃。 自主規制抵触部分が多すぎて(ほとんど地雷原)、国内ソフト化不能なカルト作を特典満載の輸入版で鑑賞。 「江戸川乱歩全集/恐怖奇形人間」 (…

西原理恵子原作の映画が当たらないワケに関する浅~い考察

西原理恵子の漫画が映画化ラッシュです。09年以降だけでも「いけちゃんとぼく」「女の子ものがたり」「パーマネント野ばら」そして「毎日かあさん」「酔いがさめたら、うちに帰ろう。」(最後のは元夫鴨ちゃん原作ですが)高度経済成長期の高層ビル乱立の如…

美しき死体の立体曼荼羅。 アクエリアス

羽毛の舞うステージに死体を並べて悦に入るフクロウマスクの殺人鬼。 気の触れた肉体コラージュ、美しき死体の立体曼荼羅。 この絵柄だけでお釣りが来ます。 「アクエリアス」(1986年/ミケーレ・ソアビ監督) 嵐の夜、ホラー・ミュージカルのリハーサル中…

犬死の美学/野良犬の矜持。 大殺陣

「俺は初めて人を斬った。その俺が気持ちをお主のような者に聞いてもらいたかった。それが甘えた事になると今気がついた。お主にではない、世の中にだ。迷惑をかけず、かけられず、そう言ったなお主。だが、何もせぬという事が庶民にとってどれほど迷惑か。…