デストピア経典~曼荼羅畑でつかまえて(三代目)

B級カルトな特殊映画、ホラーにアニメに格闘技、酒にメタルにフィギュアに銃。日頃世間ではあまり顧みられる事のないあれやこれやを過剰なる偏愛を以てご紹介いたします。

2011-06-01から1ヶ月間の記事一覧

タイトルに偽り有り過ぎ。 唐獅子警察

「お前に借りができたな」 「新しいのがひとつ増えただけやろ。間違えんな」 隠しても溢れ出るスターのオーラをなびかせた小林旭。抑えても抑えきれない狂犬の性を撒き散らす渡瀬恒彦。 腹違いの兄は組長、弟は愚連隊。タマ殺(と)り合う定めの二人。 「唐…

玉砕か、殲滅か。 カチコミ映画ベスト5

Rotten Tomatoesというアメリカのサイトが「復讐映画ベスト15」(The Big Payback, 15 very bold movies)ってのを発表しました。「悪魔のえじき」「クロウ」「マッドマックス」が入っているあたりは「おお!」なのですが、「フォーリング・ダウン」「レオン…

和を以って(笑)。 エレクション2 死の報復

あの熾烈な会長戦から2年。早くも次の会長選びの次期がやってまいりました。ディー(レオン・カーフェイ)の頭カチ割って安定政権を敷いたロク(サイモン・ヤム)は権力の蜜にどっぷりざっぷり。手放すものか、この玉座。こうなったら掟破りの再選だ。 「エ…

丑三つの狂い咲きサンダー竜二。 凶弾

実録(瀬戸内シージャック事件)を過剰なセンチメンタリズムで綴るのはやっぱり無理がありました。 裕次郎の甥、サラブレッド良純、痛恨のデビュー作。 「凶弾」(1982年/村川透監督) 石原良純の演技がままならないのは致し方ないとして、やはり本作の…

22ドルで…。 アバウト・シュミット

スタンリー・キューブリックはカメラマン上がりなので、演出意図を言葉にした演技指導というものが苦手、という話を聞いた事があります。ではどうするかと言うと、自分の求める演技を役者が表現するまで何度でも、50回でも100回でもリテイクを繰り返すんだそ…

ヌルいユルい甘い! ソード・シーカーズ -刀狩るもの-

水野美紀先生が出ていながら、なんじゃこのユルユルヌルヌルなアクションは。 「ソード・シーカーズ-刀狩るもの-」 (2008年/都築宏明監督) これ↑実はソフト化された時のタイトルで、公開時の題名は「刀狩るもの-二本松の冒険-」(ダサい、ダサ過ぎる…

こっちがオリジンでは? 続・激突!カージャック

“些細な逃避行があれよあれよと言う間に世間を騒がす大事件に発展”モノの原点は73年にテレンス・マリックが放った「地獄の逃避行」ってのが一般的見解かと思いますが、後続に与えた影響の大きさを考えれば、本作をオリジンと看做すべきではないでしょうか。 …

あーイライラする(笑)。 SCORE

そ、そんなにレザボアごっこがしたかったのか?! こりゃ、ちょっとリスペクトってレベルじゃないぞ。完全にリメイクじゃねえか。しかも、劣化コピー。うーむ。 「SCORE」 (1995年/室賀厚監督) 海外ロケ+予算の大半をつぎ込んだ銃火器戦の心意気は…

ペイントボールの誘惑。 サバイバル・フィールド

ネタ的に誉めてあげたいのは山々なのですが、アイデア全部ドブに捨ててます。惜しい。「サバイバル・フィールド」(2009年/ダニエル・ベンマヨール監督)広大な森林で行われるサバイバル・ゲーム。参加者は各国から集まった“その道の猛者”(銃器オタク…

スノッブ向け撒き餌はいいから…。 インセプション

クリストファー・ノーラン監督のデビュー作「メメント」のDVDには、ちょっと変わった映像特典が付いています。 それはリバース・バージョン。 10分しか記憶を保てない主人公の意識を小刻みに遡っていく本編を時系列に並べなおした直球編集版です。 で、こ…

この字幕が重鎮・高瀬鎮夫?嘘ぉ。 スラップ・ショット

連戦連敗。低迷のズンドコをひた走る全米アイスホッケー・マイナーリーグ最下位チーム「チャールズ・ダウン・チーフス」。ダメ男×ダメ男のダメチームが、家族と仕事の起死回生・・お約束の展開ですが、ここにシモネタとバイオレンスをぶち込んだら、あら不思…

能面&夢二inニュージーランド。 デモンズ2001

よもやニュージーランド産のオカルト映画で夢二のポスターを見ようとは。 広いようで世間は狭い。 「デモンズ2001」(2000年/ゲレン・スタンドリング監督) 言うまでも無く本家「デモンズ」とは縁もゆかりもない別物。 とは言え、原題が「THE IRREFUTABLE T…

パイソンだけを信じて…。 真夜中の刑事

目玉焼きを作りつつ、弾頭鋳造。 コーヒーを淹れつつ、火薬充填。 手作り銃弾を装填して、フライパン洗って、いざ出勤。 フィルム・ノワールの始まりです。 「真夜中の刑事」(1976年/アラン・コルノー監督) 原題は「POLICE PYTHON 357」。主人公フェロー…

チ○コ見られたくらいで…。 ダーレン次回作はノアの方舟

ダーレン・アロノフスキー監督の次回作が「Noah」になったそうです。別に「レスラー」の流れで三沢光晴のドキュメントを撮るわけではありません。ノアはノアでも聖書のNoah、「ノアの方舟」です。ノアの大洪水と言えば、ジョン・ヒューストン監督の「天地創…

世界の中心でアイを叫んだ復讐者に憐れみを。 告白

『あたしにも聞こえたわよ。大事なものが消える音。パチン!じゃなくてドッカーン!だったけどね』社会派ではありません。暗黒エンターテイメントです。「告白」(2010年/中島哲也監督)“復讐モノ”(と聞いただけでごはん3杯はいける)で大切な事は、情け…

そんなに神になりたかったのか。 しんぼる

底の浅さと中身の薄さを悟られない為の思わせぶり。“分かる人だけ分かればいい”という甘美な逃げ口上。出られない空間=何ぴとも入れない空間。四方を囲む白い壁は、ピンク・フロイドの「ザ・ウォール」か、はたまたA.T.フィールドか。「しんぼる」(20…

折角の“和メコミ”を勿体無い…。 大日本人

ごく少数の絶賛派(松本信者)と大多数の否定派に綺麗に分かれた前衛(?)作品。 私の中では“生涯スルーでいいや箱”の1本でしたが、ハリウッド・リメイクなんて話も沸いているようなので、後学の為に観賞させて頂きました。 「大日本人」(2007年/松本人…

無垢なる者を待つ岩山。 ピクニックatハンギングロック

100万年かけて現在の形になった岩山ハンギングロック。 「100万年も待っていたのね、私たちが来るのを」 1900年2月14日。オーストラリアの寄宿舎制女学院アップルヤード女学院の生徒は課外授業でハンギングロックへ出かけました。 校長からの注意事項は、町…

このカラッポ感が堪らない。 地獄のヒーロー

ベトナムものなのに悲壮感無し、軍事考証ゼロ、銃器のこだわり無し。 流行のお膳立てに乗っかって空疎なアクションを刻んでいるだけなのですが、このカラッポ感と主役チャック・ノリスが見事にシンクロして、偏差値貧乏な佳作となりました。 「地獄のヒーロ…

祝!CS放送開始! アイフル大作戦

“アイフルとは何か。アイフルとは来店不要・ネット契約で即日融資可能なキャッシング・ロー・・”…違う。“アイフルとは何か。アイフルとは凄い美人、または目を見張るほどイカす奴のこと”カルトでライトなアクション・ドラマがCSファミリー劇場で放送開始。…

不思議時空クロサワ。 蜘蛛の瞳

同年に撮った「蛇の道」の姉妹編なのですが、お話の構造は前年の傑作「CURE」に近い・・と言うか同じアプローチを異なる視点でトレスした双生児のようです。 CURE以上に観る人を選ぶと思いますが、嵌ると抜け出せません。 ギリギリの予算ゆえ、監督のカラー…

切な過ぎてちょい鬱時は鑑賞厳禁。 顔のない眼

フレンチ・スプラッターの始祖と言われる作品ですが、怖い以上に哀しく切なく。“特に理由はないけど、ちょっと気分が塞ぎ気味で”なんていう軽鬱時には観ない方がいいかもしれません。「顔のない眼」(1959年/ジョルジュ・フランジュ監督)パリで発生し…

凄めば凄むほどヤクザコントに・・。 アウトレイジ

本物のやくざ屋さんに知り合いはいないので、リアルな恫喝というものを聞いた事は無いのですが、これは・・。 凄めは凄むほどヤクザコントに。 もし、これを“怖い演技”だと思っているとしたら笑止千万ですが、ギャグとして狙っていたとすれば天晴れです。 「…

Get Away Jap! 日本列島

昭和34年。60年安保前夜。日本はまだ、敗戦国。 覗いてはならない闇がありました。 「日本列島」(1965年/熊井啓監督) 米軍基地CID(憲兵隊私服刑事部←軍人絡みの犯罪を調べる所)に新任中尉ポラックが着任。彼は通訳の秋山(宇野重吉)に個人的な調査…

遊星から来た兄弟。ブラザー・フロム・アナザー・プラネット

宇宙の彼方からオンボロ宇宙船で逃げてきたエイリアン。操縦不能になった宇宙船は身近な惑星に墜落。落ちたのは地球、アメリカ、エリス島。そこはハーレム。驚いた事にそこに住む生き物はエイリアンと同形・同色。物言わぬ静かな闖入者を彼らはこう呼びまし…

バカンスなんか行くもんじゃない。 ブラック・ウォーター

道路にちょこんとエリマキトカゲ。そうです、ここはオーストラリア。「オープン・ウォーター」から遅れること3年。“バカンスde災難”シリーズ、クロコダイル編。「ブラック・ウォーター」(2007年/アンドリュー・トラウキ&デヴィッド・ネルリッヒ監督)一…

改めてSFはセンスだなぁと。 処刑惑星

「結果を決めるのは状況ではない。能力だ」 朝礼の3分間スピーチに使えそうな名台詞です。本作に当て嵌めて言えば、 「作品の出来を決めるのは(金が無いとか時間が無いとかいう)状況ではない。センスだ」 という事になるでしょうか。 「処刑惑星」(2009…

変身前ソン・ガンホ。 シュリ

『貴様、所属はどこだ?!部隊名は?!』 『朝鮮民主主義人民共和国だ!!』 ちょっと鳥肌立ちました。見事な“名乗り”シーンです。 「シュリ」(1999年/カン・ジェギュ監督) “今更”な作品ですし、ストーリーは割愛。北の女スナイパーと南の情報部員の悲恋…

服だけ溶かして触手プレイ。 ギャラクシー・オブ・テラー

ロジャー・コーマン率いるニュー・ワールド・ピクチャーズのSF超大作(信じるなよ)! あのコーマンがここまで?!と眼を疑う巨大なセット(絶対、他の映画で使い回ししている)。 「禁断の惑星」「エイリアン」「遊星からの物体X」を丸パクリしながら、超…

死に場所を 見つけて嗤う 消耗品。 十三人の刺客【2010年版】

『迷わず愚かな道を選べ。その方が楽しい』 死屍累々の惨状が続く時代劇リメイク。ようやくアタリを引くことが出来ました。 「十三人の刺客」(2010年/三池崇史監督) 稲垣吾郎演じる明石藩主・松平左兵衛督斉韶は従来の馬鹿殿とは一味違うカリギュラ系蛮行…