デストピア経典~曼荼羅畑でつかまえて(三代目)

B級カルトな特殊映画、ホラーにアニメに格闘技、酒にメタルにフィギュアに銃。日頃世間ではあまり顧みられる事のないあれやこれやを過剰なる偏愛を以てご紹介いたします。

2013-01-01から1ヶ月間の記事一覧

女々しい…。 機動戦士ガンダム/逆襲のシャア

ううむ…。私は特段ガンダムのキャラやストーリーに思い入れがあるわけではありません。せいぜいファーストの劇場版総集編3部作を観ている程度で、ファーストと本作を繋ぐ「Z」「ZZ」は未見です。なので、情勢の変化、キャラの立ち位置、ギミックとしての…

その動力は原子力。 ジャイアントロボ/地球が静止する日

製作6年。全7話。339分を費やして尚未完。高品質と引き換えの大暴走。横山光輝キャラ祭り。「ジャイアントロボ THE ANIMATION 地球が静止する日」(1992年-1998年/今川泰宏監督)シズマ博士が発明した完全リサイクル、完全無公害のエネルギー源、シズ…

風刺は隠せ。 ネオ・ウルトラQ/宇宙から来たビジネスマン

3回目にして初の宇宙人登場。 テーマは美の価値観に関する異文化ギャップ。 美しさとは何か? を風刺を利かせて描いているのですが、あまりにステレオタイプ。そして剥き出し。 分かりやすいのは良い事ですが、ただ材料を剝き出しで並べるのは作劇としては…

谷垣健治版《ガン=カタ》? るろうに剣心

原作もアニメも知りません。なので、実写化云々、イメージ云々の話は割愛です。 比較のモノサシを持たない分、ハードルは低くなったわけですが、それでも“アイドル時代劇”程度の(いささかナメた)認識でおりました。 大誤算、でございました。 現時点におけ…

あがく佐々木、光る飯島。 ウルトラセブン/勇気ある戦い

佐々木守が「ウルトラセブン」で書いた脚本は僅かに2本。1本は問題作「遊星より愛をこめて」。そしてもう1本が、 「ウルトラセブン/第38話・勇気ある戦い」 (1968年6月23日放送/飯島敏宏監督) 自分の星の資源を使い尽くしてしまったパンダ星人が、ロ…

詩人の視覚野に映る現実。 自殺サークル

日本の年間自殺者数が15年ぶりに3万人を下回ったそうです。まだまだ洒落にならない数値ではありますが、減少傾向になったのは喜ばしい限り。さて、季節柄、映画関連媒体各社がベストテン、ワーストテンを発表しております。今年の目玉は園子温監督でしょう。…

狂気山脈を阻むもの。 プロメテウス

なるほど…。 デル・トロ監督が「プロメテウスが狂気山脈の製作を阻むだろう(PROMETHEUS Has Probably Nixed AT THE MOUNTAINS OF MADNESS)」(NixedではなくKilledと表記しているサイトもある)と言ったのはこういう事だったのか。 確かにネタ丸被りです。…

遅れてきた現代ニューヨーク派。 キラーコンドーム

アベル・フェラーラの「ドリラー・キラー」、フリードキンの「クルージング」、そしてポール・シュレーダーの「タクシー・ドライバー」(ついでにジム・ミューローの「吐きだめの悪魔」)。現代ニューヨーク派に連なる突然変異フリークス。「キラー・コンド…

何かが足りない…。 きっとここが帰る場所

キャッチコピーになぞらえるなら“映画は美しさに満ちている。でも何かが足りない”。ダブリンの片田舎で隠遁生活を送る往年のロックスター、シャイアン(ショーン・ペン)。ボサボサに広がった長い髪、でかい鉤鼻、現役の頃と変わらぬ化粧と衣装。深く刻まれ…

世界観が違い過ぎないか? ネオ・ウルトラQ/洗濯の日

確か先週は、怪獣であるというだけで、「殺せ!」「守れ!」と世論が二極化する世界だったと思うのですが。今回は、下町でクリーニング屋を営み、住民から慕われる怪獣のお話。同じ脚本家が書いたにしちゃあ、世界観が違い過ぎないか?「ネオ・ウルトラQ/…

アルバトロス謹製リアクション吹替。 アタック・ザ・マミー

Zeyliv(「恐怖!キノコ男」「怪奇!兎男」)の追い上げに“トンデモB級Z級”の牙城が脅かされているアルバトロス。そのアルバトロスが2007年に放った(作品の出来とは別の意味での)快打。「アタック・ザ・マミー」(2001年/アル・パッセリ監督)突如…

やっぱ南部の怖さは半端無えなあ…。 スケルトン・キー

古くは「悪魔のいけにえ」、最近だと「ラスト・エクソシズム」。 都会人がアメリカ南部に行ってエライ目に会う所謂Hillbilly Horrorの一編。 しかも南部の特産品(?)ヴードゥー絡みの呪術ホラー。 「スケルトン・キー」(2005年/イアン・ソフトリー監督)…

善良な悪人vs猟奇変質者。 ワナオトコ

最近「○○男」というタイトルの映画にロクなものがなかったので、Z級覚悟で臨みましたが、これはなかなか拾い物。「ワナオトコ」(2009年/マーカス・ダンスタン監督)原題は「The Collector」。確かに罠を仕掛けている男なんでワナオトコでも間違いではあり…

大健闘。 遊星からの物体X ファーストコンタクト

大健闘…だと思います。 設定もオチも与件。加えて細かい辻褄合わせも不可避。 相手が変わるわけではないので、大鉈振るう改革もできず、前日譚とは言え限りなくリメイクに近いものにならざるを得ないという鬼足枷の中で、よくここまでまとめきりました。 「…

滅びは鬱の特効薬。 メランコリア

冒頭、延々8分に渡って描写されるハイスピード映像。 それは鬱病患者の心象風景であり、終末への恐怖であり、滅びの瞬間そのものであったりする訳ですが、この映像を退屈だと思ったら、即リタイアしてしまう事をお薦めします。 「タルコフスキーかよ!」と…

欺瞞と糾弾の石つぶて。追悼:大島渚。 日本の夜と霧

『君達は一体いつになったら、その居丈高なポーズを捨て去ることが出来るんだ?! あの当時、君達が主体であった我々の運動の中に、少しでも論理があったか?! 少しでも道理があったか?! 目的を見失ったことが無い? 笑わせるな!』 大島渚監督がお亡くな…

追悼:デヴィッド・エリス監督。 シャーク・ナイト

デヴィッド・リチャード・エリス監督が1月7日急死いたしました。60歳。ヨハネスブルグで新作の準備中に。 代表作は「デッドコースター」「セルラー」「スネーク・フライト」「ファイナル・デッドサーキット」。 もうド真ん中でこっち側の人。しかも最新作…

熱さが無い…。ネオ・ウルトラQ/第1話・クォ・ヴァディス

体温低いなあ…が第一印象。 「ネオ・ウルトラQ/第1話・クォ・ヴァディス」(2013年1月12日放送/石井岳龍監督) 「ウルトラQ」続編企画の第1話が放送されました。 まず驚いたのは映像クォリティの高さ。 WOWOWのHPによれば、HDの4倍の情報量…

まず世界観を説明しなさい。 これはゾンビですか?

似たような舞台設定であっても、作り手の意識が低いとまるでお話にならなくなってしまうという典型。 「これはゾンビですか?」(2011年1月-3月/金崎貴臣監督) 謎の連続殺人鬼の刃にかかり命を落としたが、冥界のネクロマンサー、ユー(写真上)の力でゾ…

敢えて言う、最強の続編だ、と。 悪魔のいけにえ2

世間では駄目駄目の烙印を押されているようですが、何をおっしゃいますやら。 本作こそ、最高・最強(凶)の続編です。 「悪魔のいけにえ2[完全版]」 (1986年/トビー・フーパー監督) 1作目のセルフ・パロディというネガティブな観方をしている人が多…

紙兎ロぺ ~つか、夏休みラスイチってマジっすか!?~

傍若無人だが憎めない紙リス・アキラ先輩と、振り回されつつマイペースな後輩、紙兎ロペ。ふたり(二匹?)のまったりゆるゆるな会話を愉しむ連作アニメが映画化されました。どんなにく~だらない会話も2分前後でサクッと切り上げる事で脱力ギリギリの爽快…

地雷(笑)。しかし踏む価値はある。 ルパンしゃんしぇい

予想通り地雷でした(笑)。全10話(+パイロット版1話)。ランニング合計35分。“くだらね~”の佃煮。もとより、蛙男に意味や感動など求めちゃおりません(求めた人は悔い改めよ)。その意味で“踏む価値のある”地雷ではあったと思います。「ルパンしゃんしぇ…

追悼:佐藤允。 直撃地獄拳 大逆転

俳優の佐藤允氏がお亡くなりになりました。 報道されたのは1月8日ですが、逝去日は昨年12月6日。急性肺炎。78歳。 11月29日に「独立愚連隊」をレビューしたばかりなのに。 若い時は“和製ウィドマーク”、中年以降は“和製ブロンソン”。 草食系の真裏に生きる雑…

ハリウッド・レポーター対俺。 世界の終わり19選

マヤ文明の終末予言空振り直前の12月16日、米国ハリウッド・レポーター誌が「終末映画19選(19 Movies for The End of the World)」を発表しました。終末即ちデストピア。これは無視するわけにはいきません。ランキング無しの順不同で、「12モンキーズ」「2…

賭けがないと…。 超高層ハンティング(と映像特典)

「(映像化に際しては製作者と)一緒に夢を見たいんですね。でも、ある程度の賭けがないと夢にはならないんですよ」 ビデオ巻末に収録された原作者・夢枕獏氏のインタビューです。 映像製作のセオリーとシステム。こうすればこの程度は売れる(しかし、それ…

半封印? うる星やつら2 ビューティフル・ドリーマー

「這いよれ!ニャル子さん」の最終回「夢みるままに待ちいたり」を観ていたら、久しぶりに元ネタの方を観てみたくなりました。「うる星やつら2 ビューティフル・ドリーマー」(1984年/押井守監督)ラムの願望によって“学園祭前日”を無限に繰り返すという「…

先行逃げ切り。 バイオハザードⅤ:リトリビューション

『子供がいるのよ』 『知ったこっちゃないね』 『相変わらずね』 『…初対面だよ』 エイダ・ウォン役の中国人が(純日本産のコンテンツに出演しておきながら)日本でのワールドプレミアを拒否(理由は勿論、尖閣問題)したことで、すっかり気分が萎えてしまい…

謝れ!マタンゴに謝れ! 恐怖!キノコ男

嗚呼、正月休みも終わっちまった。仕事始めに相応しい、やる気満点の映画をご紹介だ! 「恐怖!キノコ男」 (2005年/デイヴ・ワスカヴェッジ監督) こんな作品がDVDになっている(つまり買い付けた馬鹿がいる)事に乾杯しましょう。世界は自由に満ち満ちて…

切な過ぎるぞ、長門! 涼宮ハルヒの消失

163分。長くない。断じて。 TVシリーズのエピソードひとつひとつに、そしてキャラクターひとりひとりにアガペーの如き愛情を注がなければ生まれ得ないひとつの奇跡。 「涼宮ハルヒの消失」(2009年/石原立也総監督) SOS団が部室でのパーティを企画…

全裸爺軍団の恐怖。 レア・エクスポーツ/囚われのサンタ

雪を蹴立ててピッケル担いだフルチン全裸の爺軍団が襲ってきたら…。 想像しただけでチビチビです(笑)。 ここは雪国フィンランド。本場のサンタは一味違う(年、明けちゃいましたが、もう1発サンタ・ネタを)。 「レア・エクスポーツ/囚われのサンタ」 (…