デストピア経典~曼荼羅畑でつかまえて(三代目)

B級カルトな特殊映画、ホラーにアニメに格闘技、酒にメタルにフィギュアに銃。日頃世間ではあまり顧みられる事のないあれやこれやを過剰なる偏愛を以てご紹介いたします。

2015-07-01から1ヶ月間の記事一覧

喰い入るようにドン引き。 下ネタという概念が存在しない退屈な世界♯3-4

「卑猥を取り締まるのは絶対的に正しい行為ですし、それに、世界曰く“愛は正義”! つまり、愛ゆえの行動は全て正しい! 正しくあれば、私はあの方にもっともっと愛してもらえるはずなんですの!」 情報の隠蔽と誤まった教育が産み落とした性欲モンスター。 …

ハイテク馬鹿vs肉体派バカ。 イントゥ・ザ・ストーム

竜巻を追い求める人たち、というと直球で「ツイスター」を思い浮かべますが、好き嫌いだけで言えば、こっちの方が100倍好き。 「イントゥ・ザ・ストーム」(2014年/スティーヴン・クエイル監督) 『ツイスター』で竜巻を追っていたのは、データ収集が目的の…

天賦の才。 丹下左膳餘話 百萬両の壺(1935)

25歳?! 25歳でこの映画を撮った?! 天賦の才とはこの事か…。 天才の仕事に口を挟むなど天唾の極み。凡人はただ黙って作品を楽しめば良い…とは思いますがそれではレビューにならないので、少しだけ語らいましょう。 「丹下左膳餘話 百萬両の壺」(1935年…

愛銃:H&K G3SAS HC 青春×機関銃 ♯3-4

(昨日のM4カービン繋がりで)ついでと言ってはなんですが、「青春×機関銃」に登場したサブマシンガンもご紹介しましょう。「青春×機関銃/第3-4話」(2015年7月16、23日深夜TBS放送/中野英明監督)自分だけの愛用銃の選択。それはキャラのイメージに直結…

M4祭り。 アザーズ -捕食者-

地下研究施設でジャージーデビルのようなクリーチャーと傭兵部隊がバトリング…という箱庭SFアクション…なのですが、これが思いのほか“いい感じ”。 「アザーズ -捕食者-」(2014年/ニコラス・メッツァナット監督) カザフスタンにあるクロムウェル社の地…

日常が瓦解した日。 がっこうぐらし!♯2-3

まったり日常系と見せかけて、主人公精神崩壊、クラスメイト全員妄想、校舎の外はゾンビまみれ、という驚愕のドンデン返し(完璧な出オチ)を見せた第1話。 翌週から一気に時計の針を巻き戻すのかと思いきや、時間軸は現在のまま、各キャラ個別視点による…

色々と無慈悲。 プロフェシー/恐怖の予言

世間的に高評価とは言い難い本作の魅力は『無慈悲』。これに尽きます。 「プロフェシー/恐怖の予言」 (1979年/ジョン・フランケンハイマー監督) 製紙会社が森林を購入しましたが、ネイティブがこれに反対して一触即発。その森の中で行方不明者続出。犯人…

追体験する孤独。 劇場版 STEINS;GATE 負荷領域のデジャヴ

『岡部…岡部。忘れることなんて出来る訳ない。だって、あなたをずっとずっと前から知っている。ずっと、ずっと前から想ってる。これからも…ずっと…ずっと…』 尺が足りないの蛇足だのと批判の声もありますが、紅莉栖のこの台詞だけで私は満足です。 「劇場版 …

予告としては上出来。 THE NEXT GENERATION パトレイバー/第7章

「嵐が…来る!」 色々と思う所のあるミニシリーズでしたが、ようやく最終章。 「THE NEXT GENERATION パトレイバー/第7章 Epsode12 大いなる遺産」(2015年/押井守監督) 完全に劇場版へのブリッジ。大いなる予告編です。 健康上の都合で警視総監退任。て…

コーマン痛恨の人選ミス。 宇宙の7人

「おじさんは悪い人なの?」「…そうだ」「どうして?」「私は君たちと考え方が違う。考え方の違う者は“悪”と呼ばれるんだ」「子供の頃から悪かったの?」「昔から大人だったんだ」ロジャー・コーマンが「スターウォーズ」の大ヒットを見て製作したスペースオ…

清々しい大嘘。 クラーケンフィールド/HAKAISHIN(の誇大ジャケ)

まずは上のジャケットをご覧ください。台座からもぎ取られ海中に没しようとする自由の女神(首もげ)、その周りをうねる謎の巨大触手(印象としてはオクトパス)、煙に包まれる摩天楼と上空を飛び交う無数のヘリ。素晴らしい! これぞ海洋モンスター・パニッ…

出オチという潔さ。 スクワーム

公称8,000万匹。凶暴化したゴカイ(ミミズではない)の群れが田舎町を飲み込んで白骨祭り。 「スクワーム」(1976年/ジェフ・リーバーマン監督) 「ジョーズ」直後、量産された動物パニックものの中で「吸血の群れ」「悪魔の沼」と共にブームの底辺を支えた…

マジックミラー号が! 下ネタという概念が存在しない退屈な世界OP

第1話ではカットされていたOPが2話から登場。いやあ、こんな酷いOP観た(聴いた)事ありません(←絶賛しています)。「下ネタという概念が存在しない退屈な世界オープニング・テーマ~B地区戦隊SOX」(作詞・作曲 - 吟[Busted rose])1話から流れていたED…

趣味に生きる…。 GATE 自衛隊 彼の地にて、斯く戦えり♯1-2

「こっちには猫耳娘、いますかねえ…」 「いないわけないだろ」 異世界に通じるGATEを通った自衛隊の活躍、と聞いてファンタジー版「戦国自衛隊」を想像していたのですが、出てきたのは「アウトブレイク・カンパニー 萌える侵略者」でした。 「GATE 自衛隊 …

異なる世界線。異なる選択。 長門有希ちゃんの消失♯14-15

「覚えてなくてもいいじゃない。自分にとっては大事なことなんでしょ?」 最終コーナー回って過去エピの回収(と整合)モードに入って参りました。 ふと思ったのですが、我々は「涼宮ハルヒの憂鬱」「涼宮ハルヒの消失」「涼宮ハルヒちゃんの消失」という異…

ちょっと毛穴開いた…。 がっこうぐらし! ♯1

本作1話は予備知識有りの人と無しの人でかなり印象(衝撃?)が異なると思います。 私は“ちょい有り”だったのですが、それでも最後の場面転換にはぞわっと来るものがありました。 以下、ネタバレあります。未見の方はご注意を。 「がっこうぐらし!/♯1 はじ…

人外萌えという試験紙。 モンスター娘のいる日常♯1

“人外萌え”と言うとラム(鬼族)、ニャル子(邪神)らを思い浮かべますが、彼女らは見た目は普通の女の子でした(違いがあるキャラでもせいぜいケモミミ止まり)。 こちらはまんま人外。異種間交流ラブコメです。 「モンスター娘のいる日常/第1話・ラミア…

やる気まんまんロジャー・コーマン。 アタック・オブ・ザ・50フィート・チアリーダー

“♪A・T・T・A・C・K、アタック!”というテーマソングから馬鹿満開。 やる気まんまんロジャー・コーマン。 「アタック・オブ・ザ・50フィート・チアリーダー」(2012年/ケヴィン・オニール監督) 大学生のキャッシーはドン臭ソバカス地味メガネっ娘。母の期…

何も足さない。何も引かない。 のんのんびより りぴーと♯1

何やら大昔の洋酒のコピーみたいなタイトルになってしまいましたが、望むものの全てがあって、望まないものがひとつもないというのは本当に稀有なこと。 風も空気も太陽もあの日のまま。 「のんのんびより りぴーと/第1話・1年生になりました」(2015年7月6…

挑戦か、玉砕か。 下ネタという概念が存在しない退屈な世界♯1

廃墟ビルと思しき一室でエロ本を読みふける少年たち。 窓ガラスを蹴り割って突入してくる機動部隊。瞬く間に制圧される少年ら。 エロ本はその場で焚書。少年の首に嵌められた銀の輪には「わいせつ」のサイン。 『禁止単語発声の罪についてはレベルに応じた強…

しかし眩しい。 TO LOVEる -とらぶる- ダークネス2nd ♯1

起床と同時にラッキースケベのつるべ打ち。 これは最早、伝統芸能として国が保存すべき文化なのではあるまいか。 「TO LOVEる -とらぶる- ダークネス2nd/第1話・Unconsciously ~頭ふわふわ☆心どきどき~」(2015年7月6日深夜BS11放送/大槻敦史監督) OP…

CSIの狭き門。 人造人間13号

学生6名を乗せたゴムボート。森の中の川を遡ること1時間。更に森を抜けて囚人護送バスに揺られて着いたのは“第13恐怖収容所(13 EERIE STRAIT PENITENTIARY)”跡。 ※STRAITには“厄介な、あるいは困難な状況または事態”なんて意味もあるらしい。 収容所エリア…

地上波は誰が為に。 おくさまが生徒会長♯1

これまでも地上波の表現規制(不自然な光、湯気、障害物、ロゴやキャラによる部分的目隠し)はありましたが、それはあくまで当該部位を隠すという一種のモザイク処理の範疇でした。 演出家によっては、この足枷を逆手に取った(そこさえ見えなければいいん…

ハルクの血を引くマッチョな娘。 ダブルヘッド・ジョーズ

双頭はホラー/モンスターものの定番。だから水の抵抗が増そうが、頭をふたつにして殺戮倍増という判断は正しい。問題は作り手と登場人物双方の頭が絶望的に悪いという事(いくらアサイラム+アルバトロスでも限度ってものがあります)。 「ダブルヘッド・ジ…

悪の所業はこの立花が許さない! 青春×機関銃♯1

昨日のコバヤシ少年は美少女にしか見えない美少年でしたが、こちらは美少年にしか見えない美少女。 「青春×機関銃/第1話・死なない殺し合いを始めようか」(2015年7月2日深夜TBS放送/中野英明監督) テーマがサバゲと聞いてはスルーするわけにもいきませ…

壊れたいです! 乱歩奇譚 ♯1 人間椅子(前編)

『初めて…面白いなって思ったんです。いくら推理ゲームをしたり本を読んでも満たされない。何をやっても退屈だ。空虚だ。 だけど先生が殺されて、僕が疑われていて…この状況が楽しいんです!』 始まりました。アニメ新作夏の陣、とりあえず1話くらいは観てみ…

アパルトヘイトの残照。 ケープタウン

南アフリカの“立法府”ケープタウン。 そこは連日「秩序って何?」な人命激安カーニバル。今日は子供がお買い得。 「ケープタウン」(2013年/ジェロール・サル監督) 波打ち際で発見された女性の撲殺死体。 捜査に当たるのはズールー族出身(原題「ZULU」)…

泣いて馬謖を斬る? 猿の惑星/新世紀(ライジング)

「エイプは人間より優れていると思っていた。でも違った。エイプも人間と同じだ」 その瞳に宿るのは諦観と失望と静かな怒りと悲しみ。 お話がここに帰結するのはいい。でもそのためには、少なくとも人間との戦争が(不可避的に)幕を開け、心ならずも相手を…

出口無き未来を彷徨う…。 デストピアな映画たち。

米サイトTaste of Cinemaが、「観る価値のあるデストピア映画の傑作20本」を発表しました。一応、デストピアの冠掲げる偏差値貧乏サイトとしては見過ごすわけにはいきません。上位10本を並べると…「ブレードランナー」「メトロポリス(1926)」「AKIRA」「時計…

次に目覚めた時は…。 長門有希ちゃんの消失♯10-13

「今日、好きな人ができた」 消失、現出、そして消滅。何故か長門には切なさがつきまとう。 「長門有希ちゃんの消失/第10-13話」(和田純一監督) 梅雨のある日(サムデイ イン ザ レイン)、タクシーにひかれかけた長門は人格が一変。それはまるでハルヒ本…