デストピア経典~曼荼羅畑でつかまえて(三代目)

B級カルトな特殊映画、ホラーにアニメに格闘技、酒にメタルにフィギュアに銃。日頃世間ではあまり顧みられる事のないあれやこれやを過剰なる偏愛を以てご紹介いたします。

2008-02-01から1ヶ月間の記事一覧

BORN TO BOOGIE/ボーン・トゥ・ブギー

「ロックが好きな奴がいる。ロールが好きな奴もいる。しかし、魂を震わせるのはムーヴとグルーヴだ!」なるほど・・・・。「ボーン・トゥ・ブギー」(1972年/リンゴ・スター監督)心に残る人間の条件をひとつだけ挙げるとすれば「凄絶な死に様」。自殺…

君の心の中に国家がある。 絞死刑

『誰が私を殺すんですか?』『それは国家だ』『国家?国家ってなんですか?あったら見せてください。私はそんな見えないものに殺されるのは嫌です』本棚整理していたら古いビデオが出てきました。 「絞死刑」(1968年/大島渚監督) 女子高生暴行殺人で死刑…

最終絶叫計画4

童心に還る、とはこの事でしょうか。「最終絶叫計画4」(2006年/デヴッド・ザッカー監督)アホアホです。ドリフのコントを100倍下品にした小学生ギャグを大金かけてつるべ打ち。最高です。何故、これが未公開?!初めての方の為にちょっとおさらい。1…

十三人の刺客【1963年版】

『ちょっと出かけてくる』 『お戻りは?』 『早ければ1ヶ月足らず、遅ければ・・・次のお盆だ』 この台詞だけで100点あげます。 「十三人の刺客」(1963年/工藤栄一監督) 将軍の血縁であるが故、公に処分できない殿様の暗殺計画。 老中の命で集められ…

要塞警察(つづき)

さて、本題。 監督本人が公言していますが、この映画の下敷きとなったのはハワード・ホークスの「リオ・ブラボー」に代表される西部劇、そしてジョージ・A・ロメロの「ナイト・オブ・ザ・リビング・デッド」に代表される低予算映画です。 治安劣悪なロス郊…

要塞警察

♪ベンべべベベン、ベンベベベベン 「移民の歌」にインスパイアされたというこの血沸き肉踊るヘッポコピーサウンド。 画質最悪&特典ゼロの旧版DVDが廃盤になって幾年月。 スクイーズ&デジタル・リマスター&特典満載DVDついに発売! この日の来るのを…

「要塞警察」前祝い。 リオ・ブラボー

『そんな格好で人前に出てみろ、逮捕するぞ』 (You wear those things in public, I'll arrest you.) 『その言葉を待ってたのよ』 (I've waited so long for you to say that.) ついに発売、ジョン・カーペンター「要塞警察」デジタル・リマスター版!本…

逆境ナイン

『今お前に偉大なる先人の言葉を授けてやる。それはそれ!これはこれ!』馬鹿の波に飲み込まれて遭難してしまいたい、そんな時。 「逆境ナイン」 (2005年/羽住英一郎監督) 「全力でない者は死すべし」が校訓の全力学園。万年地区予選1回戦敗退の野球部に…

ジャニス

野菜炒めつまみにビールなど煽りつつジャニスの「ボールとチェーン」を聴いていたらどういうわけか目頭が熱くなってしまいました。発泡酒とジャニスで涙ぐむ中年ってどうよ?「ジャニス」(1974年/ハワード・オーク監督)ジャニス・ジョプリンのドキュ…

龍虎兄弟

今にも沈みそうな移民船(密航船)。二人の子供を両手に抱える女性。 『あなたたちはまだ死にません。いつか必ず誇り高く死ねる日が来ます。その時まで生き抜きなさい』 兄の腕には昇り龍の、弟の腕には猛虎の刺青。 これは侠たちの寓話。 「龍虎兄弟」(200…

【仕掛ける師匠×挑む弟子】ジャガーノート【究極の選択】

赤か青か・・・。 どれだけパクられたか分からない究極の選択。 そのオリジナルがこれ。 「ジャガーノート」(1974年/リチャード・レスター監督) ちょいと老いぼれた豪華客船ブリタニック号。 その船内に仕掛けられた6つの爆弾。 犯人は「ジャガーノート…

【その結末は】殺しが静かにやって来る【想定外】

異色作、という言葉がこれほどしっくりくる映画もそうありません。 「殺しが静かにやって来る」(1968年/セルジオ・コルブッチ監督) マカロニ、というだけで十分異色なのですが、この作品異色づくめ。 まず主役のサイレンス(ジャン=ルイ・トランティニャ…

マスターズ・オブ・ホラー/ドリーム・クルーズ

ううむ・・・。他にもっとまともな映画撮れる人がいたのではないだろうか。「ドリーム・クルーズ」(2007年/鶴田法男監督)アメリカのホラー・アンソロジー・プロジェクト「マスターズ・オブ・ホラー」第2シーズンの1本。第1シーズンでは三池崇史が招か…

バニシング・ポイント

あ、日本アカデミー賞だったんだ今日(もう昨日か)。・・・どうでもいいです。 さて。 「また会おう」 言い残して男は消失点(バニシング・ポイント)へ。 「バニシング・ポイント」(1971年/リチャード・C・サラフィアン監督) アメリカン・ニューシネマ…

ドアーズ

ヤク中が描くヤク中の映画。「ドアーズ」(1991年/オリバー・ストーン監督)ヤク中ジム・モリスンの半生をヤク中オリバー・ストーンが映画化。 ケーブルの深夜放送でしたが、翌日の事は忘れて鑑賞。モリスン役はヴァル・キルマー。 確かに似ている。顔は。 …

犬神家の一族[追悼:市川崑]

市川崑監督がお亡くなりになりました。92歳。大往生ですね。角川直撃世代にとって市川崑と言えば、「犬神家の一族」(1976年)でしょう。2006年のセルフ・リメイク版は正直、何がしたいのかよう分かりませんでしたが。横溝シリーズ以外で印象に残…

時をかける少女(アニメ版)

『ずっと3人でいられると思ってたのに』 あ、その台詞どこかで・・・。 「時をかける少女」(2006年/細田守監督) 巷で大評判だったアニメ版「時かけ」をようやっと観ました。 リメイク、ではありません。 時間軸の繋がったアナザー・ストーリーです。 大…

恐怖の報酬【追悼:ロイ・シャイダー】

ロイ・シャイダー昇天。75歳。燻し銀、でございました。「ジョーズ」のマーティン・ブロディ署長役が有名ですが、1本選ぶならこれ。「恐怖の報酬」(1977年/ウィリアム・フリードキン監督)クルーゾー監督が53年にイブ・モンタン主演で撮った同名…

FULL METAL 極道

ロボコップもそうですが、文字だけ見ると滅茶苦茶頭悪そうなタイトルです。 「FULL METAL 極道」(1997年/三池崇史監督) フルメタルな極道。大体察しがつくと思いますが、その通りの内容です。 舎弟はおろかカタギ衆、果てはチーマーにもバカにされる…

フューリー

『You Go To Hell!』 人体破壊の夜明けはこの呪詛から始まりました。 「フューリー」(1978年/ブライアン・デパルマ監督) 超能力者の息子を「実験材料」として友に奪われた父。 他人を傷つけてしまう能力を持て余している少女。 父は息子の奪回のため、少…

実録・安藤昇侠道伝 烈火

『アニキ分かんねえよ、こんな中国語のマニュアルなんか!』『引き金引きゃ何か出るだろ』最高のロック・ムービーを1本挙げろと言われたら。 「実録・安藤昇侠道伝 烈火」 (2002年/三池崇史監督) 実録・・・嘘です。安藤昇が歌舞伎町のど真ん中でロケッ…

滅びの笛/滅びの宴

既に2月。間が悪いにも程がありますが、ネズミ年なんですね、今年。サイトの主旨としては、「ウイラード」「ベン」といったネズミ映画に話を繋げたい所ですが、やはりネズミと言えば、 「滅びの笛」「滅びの宴」(西村寿行) その花が咲くと災いのしるし・…

ゴッドファーザー(の立体ポスター)

『断れない条件を出そう。ルカ・ブラージを呼べ』 自分にとってのナンバーワンムービーは、その時の気分で「ゾンビ」だったり「悪魔のいけにえ」だったり「エクソシスト」だったりするのですが、別枠として「殿堂入り」している映画があります。それが、「ゴ…

スネーク・フライト

「もう頭にきた!くそったれの蛇どもが!みんなまとめてブッ殺してやる!」 サミュエル・L・ジャクソンがブチ切れた瞬間のこの爽快感はなんでしょう。 「スネーク・フライト」(2006年/デビッド・R・エリス監督) 犯罪の証人ひとり消すために、ジャンボ・…

殺人魚フライングキラー

うむむ。キャメロンが「なかった事」にしたがっているデビュー作をようやく鑑賞。 「殺人魚フライングキラー」 (1981年/ジェームズ・キャメロン監督) 「ジョーズ」のエピゴーネンとしては「アリゲーター」と並んで「よく出来ました」と褒められている「ピ…

ルパン三世/念力珍作戦

「0課の女」の映像特典にこんな映画の予告編が入っておりました。「ルパン三世/念力珍作戦」(1974年/坪島孝監督)知る人ぞ知るルパン三世実写版です。(東映作品のDVDに東宝作品の予告編が入るというのも輸入版ならではの椿事)テレビ版ルパンの…

0課の女 赤い手錠(ワッパ)

濃いなあ。赤いエスプレッソだ。 「0課の女 赤い手錠(ワッパ)」(1974年/野田幸男監督) 演技ができない、表情がない、濡れ場がマグロという杉本美樹の負の側面が全て「クール・ビューティー」という魅力に転化した奇跡の1本。 「スケバン刑事」「ロボ…

デッド・オア・アライブ 犯罪者

「は・・・・?」 人は予想とか理解とかの範囲を余裕でカチ割るものに出合うと、一瞬、思考停止に陥るようです。 「デッド・オア・アライブ 犯罪者」(1999年/三池崇史監督) 歌舞伎町制圧を狙う中国残留孤児3世(竹内力!)と新宿署のはみ出し刑事(哀川…

戦争のはらわた

『プロシア貴族の戦い方を見せてやる』『なら俺も見せてやる。鉄十字章の在り方を』「ワイルドバンチ」同様、何度リピートしたか分からないウルトラ名シーンです。「戦争のはらわた」(1975年/サム・ペキンパー監督)第二次世界大戦末期。名誉欲にとり憑か…