デストピア経典~曼荼羅畑でつかまえて(三代目)

B級カルトな特殊映画、ホラーにアニメに格闘技、酒にメタルにフィギュアに銃。日頃世間ではあまり顧みられる事のないあれやこれやを過剰なる偏愛を以てご紹介いたします。

2010-01-01から1ヶ月間の記事一覧

スタン・ハンセンも踊りだす? スペクトラム伝説

“♪俺たちが行く後か~ら~、目覚めた街が続く~、サ~ンラ~イズ、うぉーうぉーうぉー”…えー(照)、何の歌かって? スタン・ハンセンの入場テーマ「サンライズ」じゃないですか。うえ、歌詞なんかあったのか?って馬鹿言っちゃいけません。勿論あります。歌…

怪優サファリパーク。 龍が如く[劇場版]

邦画界の歩く治外法権として「何をしても許される」破綻のライセンスを持つ男が、ゲームの世界を無理矢理実写化。 「龍が如く[劇場版]」(2007年/三池崇史監督) 組長のタマ殺った伝説の極道、桐生一馬(北村一輝)が10年の刑を終えて神室町(歌舞伎町…

追悼、夏夕介。 突撃!ヒューマン!!

夏夕介さんがお亡くなりになりました。1月27日。胃癌。59歳。夏さんと言えば、「特捜最前線」の叶刑事、TV版「愛と誠」の太賀誠などが有名ですが、曼荼羅畑的には、「突撃!ヒューマン!!」(1972年10月-12月)でしょう。ヒーロー物でありなが…

贅肉を削いで締めて・・。 天使の眼、野獣の街

足しても引いてもいけない絶妙なバランス。素晴らしい脚本です。 「天使の眼、野獣の街」(2007年/ヤウ・ナイホイ監督) ナイホイ監督は「ザ・ミッション」「PTU」などジョニー・トー作品の常連脚本家。 本作はトー総指揮の下での初監督作・・なのですが…

いいから国内盤を出せ! KISS「SonicBoom」

女優のジーン・シモンズさんがお亡くなりになりました。 彼女がオフィーリアを演じたローレンス・オリビエ版「ハムレット」(1948年)は劇場鑑賞しておりますが、あたしら世代でジーン・シモンズと言えば、名女優ではなく“白塗り舌出し火噴き血垂れオヤジ”で…

美しい。これぞ様式美。 暗黒街の顔役[SCARFACE/1932年版]

我々世代にとっては最早「デ・パルマ/パチーノ版」が“オリジナル”で、ホークス版は“歴史の教科書”な感じでしたが、いやいやいや。 様式美を極めたギャング映画の傑作でした。ホークスさん、ごめんなさい。 「暗黒街の顔役」(1932年/ハワード・ホークス監…

ナオミ・ワッツの貧乏臭さを逆手に。 マルホランド・ドライブ

立て続けに大作・話題作に出演していながら、何故か「オーラが無い」、どこか「貧乏臭い」、妙に「しみったれて」いる大女優、ナオミ・ワッツ。 しかし、ここに一本、彼女のやさぐれた負のオーラを全てプラスに転化した奇跡の作品が。 「マルホランド・ドラ…

私情入りまくり!でも武装バスでチャラ。 ガントレット

私生活でラブラブだったソンドラ・ロックをヒロインに自ら監督・主演という「会社の金で彼女と温泉行っちゃった」みたいな映画なのですが、武装バス・フェチとしては外すわけには参りません。 「ガントレット」 (1977年/クリント・イーストウッド監督) 組…

俺、武装バス・フェチかも。 ザ・プロテクター

どうも「その男、ヴァン・ダム」を観てから、彼の映画を観る目が甘くなってしまったようです。 「ザ・プロテクター」 (2008年/アイザック・フロレンティーン監督) 2008年なので「その男~」と同年。「ザ・コマンダー」「ザ・ディフェンダー」に続くビ…

その男、偏執につき。 ゆきゆきて神軍

諸悪の根源は国家、その最小単位は家族。だから家族も悪である、なんて事を招かれた結婚式の席上で力強く語る男・・奥崎謙三。「ゆきゆきて神軍」(1987年/原一男監督)まずは奥崎謙三という男の華麗な半生[戦後篇]をおさらいしておきましょう。1946年:…

デキる上司は「任せる・消える」。エグゼクティブ・デシジョン

個人的見解ですが、会社で若手(中堅)社員が一皮剥けるきっかけは、有能な先輩(上司)の異動・退職だと思っています。 「任せる勇気」「消える覚悟」はデキる上司の要件かもしれません。 「エグゼクティブ・デシジョン」(1996年/スチュアート・ベアード…

別木庄左衛門の死に口上に痺れる。 柳生一族の陰謀

『不肖、別木庄左衛門、開城の義に不服有り。只今限り主従の縁を返上仕る。不埒とおもし召さらば殿直々にお出ましあって某が首をとり候え!』 『槍持てい!ええい分からんのか、庄左はわしに取り掛かって死にたいのだ、そこどけぇ!』 『お出ましなければ是…

とろける。脳が。 ロスト・ハイウェイ

I Like To Remember Things My Own Way. (記憶は常に自分なりに) How I Remembered Them. Not Necessarily The Way They Happened. (起こった通り記憶したくないんです) ああ、なるほど、そういう事か。良っく・・分かりません(笑)。 分かろうとしても…

押井守も完コピ。 けんかえれじい

東京で青年将校が叛乱。そのニュースに騒然とする会津。 『喧嘩だ、大喧嘩だ!これを見なくちゃ男がすたる。行こう!』 号外には見覚えのある男の顔写真。あの日、カフェで微笑んでいた不思議な男。 “叛乱の思想的指導者-北一輝” 『杉田・・東京に行くぞ!…

人類補完計画? 攻殻機動隊S.A.C. Individual Eleven

個の消失覚悟で大量のゴーストをネットにサルベージ&融合して強制進化、新たな生命体を作る・・おっとそれって人類補完計画?「攻殻機動隊STAND ALONE COMPLEX Individual Eleven」(2006年/神山健治監督)TVシリーズ「2nd GIG」の「個別の11…

元祖バルタン星人登場。 マタンゴ

『みんなキノコになるのよ』怖い・・こんな怖い台詞、滅多に出会えるもんじゃない。「マタンゴ」(1963年/本多猪四郎監督)無人島に漂流した7人の男女。難破船の先客がいたが人の気配は無し。残っていたのは船員の失踪を綴った日誌と「キノコを食べるな」…

にっかつロマンポルノ復活・・は喜ばしい・・のだろうか?

にっかつロマンポルノ復活・・本来なら頭に「祝!」とつけたい所ですが、結構複雑。製作側が「カギを握るのが女性客」とか言ってる段階で「う~ん」。確かにロマンポルノには新東宝や大蔵、ミリオンの「ピンク映画」に無い“大手らしい明るさ”があります(ロ…

エロスの果てのタナトス。 胎児が密猟する時/犯された白衣

ちょいと海綿体でも充血させちゃろか、などという動機でこの映画を観たら突発的に死にたくなるかもしれません。裸一杯、絡みもそこそこ。でも、そこにあるのは抜き身のナイフ。無視するか、手にとって誰かを傷つけるか、それとも自分を刺すか・・・恐るべし…

俺も買う、君も買え。ゾンビ新世紀完全版5枚組DVD-BOX

我々ゾンビマニアは一体あと何枚「ゾンビ」のDVDを買わなければならないのでしょう。そのカタカナ3文字を見た瞬間、パブロフの犬のようにサイフの紐を緩めてしまうファン心理につけ込んだ鬼ビジネス最終進化(であって欲しい)。「ゾンビ」(新世紀完全…

ツボ(笑)。秘密結社 鷹の爪 THE MOVIE~総統は二度死ぬ~

く、くだらない。馬鹿馬鹿しい。下品。これはツボだ。「秘密結社鷹の爪THE MOVIE ~総統は二度死ぬ~」(2007年/FROGMAN監督)“人に地球にやさしい世界征服”をモットーに日々暗躍(?)する秘密結社鷹の爪団のゆるゆるな日常を描くFLASHアニメ(…

ひ、酷いにも程がある。 D-WARS/ディー・ウォーズ

一体どうすれば、ここまで適当でいい加減で浅くて薄い映画が撮れるのでしょう。エド・ウッドにはそれなりに「志」があったような気がいたしますが、この人は・・。「D-WARS/ディー・ウォーズ」(2007年/ヒム・ヒョンレ監督)DはドラゴンのD。…

トンデモ脚本を豪腕演出。竹下景子万歳!ブルークリスマス

公開当時、“トンデモSF”扱いされ、興行も批評も今ひとつだった本作ですが、何でしょうこの安心感は。ちゃんとした監督とちゃんとした役者。そうだよ、これが邦画だよ。 「ブルークリスマス」(1978年/岡本喜八監督) 倉本聰の脚本は穴だらけ(一言一句変え…

何も起きない幸せ。 湯けむりスナイパー[お正月スペシャル]

『虎は病気で死にました。長生きするとは思わなかったんですがね。でも、ず~っと一緒でしたからねえ、ちょっと寂しいねえ。これで私もひとりぼっち。散々悪い事してきましたからね、今更人並みの幸せを欲しいだなんて思いません。でも、独りは、独りは、怖…

変態監督見っけ。 刑事マルティン・ベック

ジャンク品とは言え、本物のヘリコプターを市街地に落とす・・しかも、それを真下から撮る(それも監督自ら)。 もう、それだけで価値ある一本です。 「刑事マルティン・ベック」(1976年/ボー・ウィデルベルイ監督) ご存知マイ・シューヴァル&ペール・ヴ…

な、何なんだ、この三文芝居は? シルバー假面(弐~参話)

実相寺昭雄が自ら監督した第壱話「はなやしき」の続きなんですが・・・久しぶりに心を込めたこの一言を。 うわあ、つまんねえ。「シルバー假面/第弐話 御母影」(北浦嗣巳監督)「シルバー假面/第参話 鋼鉄のマリア」(服部光則監督)特に第弐話。なんでド…

嗚呼、実相寺・・。 シルバー假面/第壱話「はなやしき」

総監修・実相寺昭雄、原案・佐々木守、音楽・冬木透・・と並べるだけで嬉しくなります。もはや作品の出来などどうでも・・良くないか。 「シルバー假面/第壱話 はなやしき」(2006年/実相寺昭雄監督) “♪シルバー仮面はぁ~さすら~い仮面、帰る家無し、親…

【水野美紀万歳!】ガメラ2 レギオン襲来【ありがとう金子監督】

「エクソシスト3」で、キンダーマン警部(ジョージ・C・スコット)が連続殺人事件のヒントを聖書に求める、というシーンがあります。で、読んでいる内容が、“イエスは悪霊の取り憑いた男に名前を訊かれた。その者は答えて言った。我が名はレギオン。我々は…

草薙素子に蹴られたい。攻殻機動隊S.A.C.The Laughing Man

「オリジナルの不在がオリジナル無きコピーを作り出してしまうなんてね。あなただったらあの現象を何と名づけますか?」「スタンド・アローン・コンプレックス」昔、「仮面ライダー・クウガ」のエピソード・タイトルに「空我」の文字を見た時にも感じました…

か、空っぽ…。 イーオン・フラックス

「ハンコック」でウィル・スミスと時空を越えた夫婦ドツキ漫才を演じたシャーリーズ・セロンの単独ライブ。 「イーオン・フラックス」(2005年/カリン・クサマ監督) 独裁者による虚構のユートピアという“手垢で真っ黒け”な未来モノ。飽きたなぁ正直、この…

空飛ぶ不死身のASSHOLE。 ハンコック

幼い子供から「ASSHOLE」お姉ちゃんから「ASSHOLE」口悪い、態度悪い、行儀悪い。活躍すれば周辺の被害甚大。酒びたりのスーパーヒーローという異色キャラは断然「買い」なのですが・・・。「ハンコック」(2008年/ピーター・バーグ監督)ハ…