デストピア経典~曼荼羅畑でつかまえて(三代目)

B級カルトな特殊映画、ホラーにアニメに格闘技、酒にメタルにフィギュアに銃。日頃世間ではあまり顧みられる事のないあれやこれやを過剰なる偏愛を以てご紹介いたします。

#洋画

中国人は不死身。 スノー・モンスター【大雪怪】

「MEG ザ・モンスター」(2018)への出資で味を占めたのか、量産の一途を辿る中国産激安CGモンスター巨編。いやCG自体は割とマトモなのですが、お話が、脚本が、演出が激安。今回はスノーシャークを出汁に使って、トロル(orビッグフットor獣人雪男、みた…

【ガラダマじゃん】ジュラシック・リボーン【怪獣はアングル!】

地球に降り注ぐ隕石群。 大気圏でも燃え尽きず、火の玉となって地表へ。 中からは翼竜さんがこんにちは。 これってガラダマじゃん。 「ジュラシック・リボーン」(2016年/ドン・ビターズ&ジェフ・ライスナー監督) 酷い邦題をつけられたものですが、原題「T…

【潜水艦好きは必見】スティール・サンダー【ついでにヴァン・ダム・フィギュアも】

海中を移動する「公式には存在しない」監獄。投獄されたCIA捜査官ウィーラー(ジャン・クロード・ヴァン・ダム)。隣の房には自称「知り過ぎた男」マルコ(ドルフ・ラングレン)が。あからさまにスタ&シュワの「大脱出」のバッタモンですが、役者のネームバ…

【ようし突入だ!】沈黙の復讐【バタリングラム前へ!】

傍若無人、無双・暴走セガール親父。いつもと変わらぬ沈黙シリーズですが、細かい所、微妙に捻っています。 「沈黙の復讐」(2010年/ラウロ・チャートランド監督) 舞台はルーマニア、ブカレスト。セガール親父の所属はIDTF。International Drug Task Force…

【そこにあったのは何エーカーもの皮膚】“あれ”がいる廃墟【その名はホルムズバーグ刑務所】

バカタレ映像作家(自称)にそそのかされたアホタレな若者8人(計9人)がカメラ片手に廃墟プリズンに侵入して大騒ぎ。最早数える気にもならない夜の廃墟でドンジャラホイ。20分もあれば余裕でまとめられる(そしてその尺であのオチならそこそこ記憶に残る…か…

【民兵の大義】スパロークリーク 野良犬たちの長い夜【警官の矜持】

《警官が多数撃たれた。大至急、救急車を。繰り返す、警官が負傷…》警察無線で飛び交う緊急連絡。民兵メンバー非常呼集。とある製材工場に集まった7人の男。各自が知りえた情報が断片的に。 葬儀会場に乱入した男が銃を乱射したらしい。 武器はAR15。自動小…

【最低記録更新か?】サメデター【ソアヌツツツイアオクって何だ!?】

「海中記録映像」と「観光地イベント映像」と「安い役者の三文芝居」を適当に繋いで海洋パニック映画が作れないか、という壮大な試み。そう、サメ映画は誰にでも作れます。 「サメデター」(2021年/ダスティン・ファーガソン監督) この《鮫出たー!》と《…

【静かな湖畔の森の陰から】レイクサイド・スクリーム 脱出不能【私が私を見つめてる】

『あの場所で起こる失踪事件には共通点がある。あの場所に入ると3日後に…1人だけ戻って来る』あの場所。パラドックス・レイク近くの小さな森。1950年代にカルト教団「ひとつの手」の創始者バーノン・コーシュが信者20名でバトルロワイヤル(最後の一人だけが…

お爺ちゃんは殺人カルト。 ホーンテッド・スクール

低予算ホラーに求めるものは一般映画とはちょっと違います。無駄にキャラ立ちの良い登場人物、勢いだけで誤魔化そうとするスピード感、いやそれはねーだろ、な「ありえねー」設定、そして、手作り感あふるる特殊メイク(ゴア、グロ、スプラッター)、ついで…

沈黙の? バスドライバー 史上最強の運転手

『体育なんかクソ喰らえだ。ガキは校庭も走らねえ。ムカつくんで新聞に載ってやった』同僚と仮病をつかってスーパーボウル観戦、日頃の鬱憤晴らしに中指ポーズで新聞掲載。 罰としてBD(行動障害)の男女5名を引率して「結束を学ばせる」ための課外授業へ行…

贖罪のバトンリレー。 タイム・ダイレイション ー死のベッドー

幾人もの罪人(本当に罪人なのか、邪教徒・異教徒なのか、単なる冤罪なのかは不明)を吊るし屠って来た処刑の樹。 時を経て切り倒されたその樹は職人の手でキングサイズのベッドに。 怨念を煮〆た死のベッドは現在とある風俗クラブ(風俗嬢・特殊性癖者御用…

【死体とチーズ】ポスト・モーテム 遺体写真家トーマス【悪霊もチーズ】(そして追悼:佐藤蛾次郎)

ポスト・モーテム・フォトグラフィー(POST MORTEM PHOTOGRAPHY)。遺体記念写真。死んだ家族をまるで生きているかのようにおめかしさせて。以前「エクトプラズム/怨霊の棲む家」のレビューの時にご紹介した「死体とチーズ」です。 写真が残っているという…

開き直って怪獣映画にしていれば。 シン・ジョーズ 最強生物の誕生

『海王深海ステーションにようこそ。ここは水深100mの地点に位置し、4つの遺伝子研究棟があります。奥は巨大な養殖場になっていまして、サメの遺伝子実験を行っています』 「水深100m」「遺伝子実験」「養殖」「サメ」冒頭の一言だけで内容が全て想像でき、…

【製作費も安いが】デス・アイランド 殺人蜂の恐怖【自己犠牲がもっと安い】

中国産×孤島×行方不明者捜索×謎の生き物。つい先日も似たような箱の作品を観たような。あちらは巨大クロコダイルでしたが、こちらはぐぐっと小さくなって蜂。蜂映画にアタリ無しのジンクスを覆す事ができるのか(デキナイ)。 「デス・アイランド 殺人蜂の恐…

【全方位超テキトーだが】メガ・クロコダイル《巨鰐》【島の生き物は良い感じ】

とある調査船が難破&大破。乗員が流れ着いた島は無人島。確かに人はいませんでしたが、代わりに嫌ぁな生き物が闊歩しておりました。 「メガ・クロコダイル《巨鰐》」(2019年/フー・グイ監督) 2012年の「ザ・クロコダイル《百萬巨鰐》」に続く、中国産CG…

【ゴーストタウンで】ヴェロキラプトル【かくれんぼ&鬼ごっこ】

砂漠の中のゴーストタウン(を模した博物館施設)。ホラー映画だと待っているのは、放射能でミュータント化した人喰い人種か、人間狩りが大好きな変態さんのどちらかですが、今回のホストは恐竜さんでした。 「ヴェロキラプトル」(2021年/ジェラルド・ラシ…

【酷寒地版恐怖の報酬】アイス・ロード【坑口装置って何だ!?】

カナダのマニトバ州にあるダイアモンド鉱山カトカの坑道でメタンがどーん!26名が生き埋めに。 すぐにでも救出口を開けたい所ですが、うっかり爆破すれば中に溜まったメタンに引火して万事休す。まずはガス抜きが先決ですが、坑口装置(ウェルヘッド)がない…

【英国にも三猿が!】ウーマン・イン・ブラック 亡霊の館【ぐったり天使は珍しい?】

『見たのね、彼女を。彼女を見ると、その場所がどこであろうと、そして一瞬であっても、必ずその人の周辺にある事が起きるの』 『ある事?』 『事故や病気を問わず、子供が死んでしまうの』20世紀の到来を目前に控えたロンドン。若き弁護士アーサー・キップ…

ローリングストーン誌の「史上最高のホラー映画101本」にいっちょ噛みしてみる。

定期的に必ずどこかが(持ち回りのように)集計する「ホラー映画のオールタイムベスト」。今回の主催者は米ローリングストーン誌。題して「101 Best Horror Movies of All Time」(そのまんまですね)。この手のランキングは無難に選べばマニアから「〇〇が…

【キング派も】ドクター・スリープ【キューブリック派も】

『多分、そうだと思います。ただ眠るだけ。何も怖くないですよ。眠るだけです』 Maybe it's just like you say. Just going to sleep. I mean there's nothing scary, it's just sleeping.『君は変わったタイプの医者だな』 You are a strange type of docto…

【ハロウィンか】ヘルウィン【スクリームか】

2015年のハロウィン。ニューヨーク州ベントンのパーティ会場でナイフ振り回して血の池肉塊地獄を築いた男、トリック。暖炉の火かき棒を腹に刺されてようやく沈黙しましたが、病院で華麗に復活。手錠も手術道具も凶器にして行き交う人をすれ違いざまにささら…

そのハッタリは買いだ! 21ブリッジ

『島を封鎖だ(Close the island)』 『どの島の事だ?(What island?)』 『マンハッタン島だよ(Manhattan)』マンハッタン島に掛かる21全ての橋を封鎖する。その段取りを画にするだけで滅茶苦茶盛り上がると思いますが、これは映画的ハッタリ。封鎖は嘘で…

革命前イランの情景。 ウォーデン 消えた死刑囚

飛行場滑走路の拡張工事のため取り壊しが決まった刑務所。囚人(832人!)は全員新居にお引越し。つつがなく全員を送り出した所で所長のヤヘド少佐に栄転(警察署長!)の内示。やった!遂に俺にも運が!春が!思わず小躍りする所長の耳に悪夢の知らせ。『囚…

【その編集技法は】エイリアンVSジョーズ【時間認識を覆す】

《もう結果だけ教えろ!》 何と力強い、何と開き直ったキャッチコピー。これからソフトを買ってもらおうと言うお客様に対して「途中経過は観る価値無し」と高らかに宣言しています。そんな作品をレビューしなければならないこっちの身にもなってくれ(笑)。…

深夜アニメタイムは要注意。 ファイナル・デッド・ツアー

売れない(正確には売り出してもいない)3人組アマチュア・パンクバンド「DUR(ダー)」。家賃滞納で立ち退き要請。借金も溜まる一方。スコーン焼きのバイトじゃ状況は変えられない。金とチャンスを掴むにはライブ、そしてツアーだ。バンドのリーダー、ジュ…

【投げっぱなし悪魔祓い】悪霊館【こんな館は嫌だ!選手権】

『ベッドが揺れて眠れないの』この台詞ひとつで「エクソシスト」リスペクトなのは分かります。ご丁寧に友人には『観てないの?「エクソシスト」。名作よ』と駄目押しまでさせています。そこまで後追いを自称するなら、もう一工夫しないと。 「悪霊館」(2018…

【70年代祭】祝!未来惑星ザルドス4Kリバイバル【次の希望は…】

ジョン・ブアマン監督の哲学的SF「未来惑星ザルドス」(1974年)が約半世紀ぶりに4Kデジタルリマスター版でリバイバル公開される事になりました(乾杯!)。「死」があるからこそ「生」がある。「死」のない世界には「生」すらも存在しない。アングラSFの金…

【大統領アラート!】グリーンランド -地球最後の2日間-【隕石de絶滅選手権】

≪これは大統領アラートだ。訓練ではない。緊急避難者に選ばれたのはあなたと…≫恒星間天体のクラーク。人類史上最も地球に接近する彗星。単体ではなく数百の岩と氷の集合体。テレビでは能天気なコメンテーターが「大気圏で燃え尽きるから地球に到達する事はな…

【細かい事は】ホラーマニアvs 5人のシリアルキラー【気にしない】

1983年.ミネソタ。とある中華料理店。ホラー雑誌「VICIOUS FANATICS(殺人鬼マニア)」の副編集補佐(使い走りとも言う)ジョエル(エヴァン・マーシュ)は色々あってべろんべろん。あれこれ撒き散らして倉庫でばったり気絶爆睡。目覚めれば客の姿はなく、…

【ハル・ニーダムに捧ぐ】キャノンレース【スカンジナビア半島縦断2200km】

冒頭《ハル・ニーダムに捧ぐ》の文字。 あとはお察し公道レース。 「キャノンレース」(2014年/ハルヴァルド・ブレイン監督) 自動車修理工場を経営する傍ら出場する地元サーキットの常勝チャンピオン、ロイ(アンドレス・バースモ・クリスティアンセン)は…