デストピア経典~曼荼羅畑でつかまえて(三代目)

B級カルトな特殊映画、ホラーにアニメに格闘技、酒にメタルにフィギュアに銃。日頃世間ではあまり顧みられる事のないあれやこれやを過剰なる偏愛を以てご紹介いたします。

#ドラマ番組

怪奇とヱヴァに関する浅~い考察。怪奇大作戦/京都買います

『正蓮尼と申します。須藤美弥子は一生仏像と共に暮らすとお伝えしてくれとの事でした。どうぞあなた様もお忘れになってくださいませ』 別れの為の再会。立ち去りかけ、振り向いた牧(岸田森)の見たものは…。 ド派手なミニチュア・ワークで視聴者を驚かせた…

畜生!畜生!畜生おぉぅ! 怪奇大作戦/呪いの壺

『これでええ。思い通りや。この寺は本物か贋物か。わしの道連れやで』 舞い上がるリュート物質、爆発・炎上する妙顕寺(放送当時、本物の寺を燃やしたと思った視聴者から苦情がきたそうですが、責められません、笑えません。どう観ても本物です)。 最早説…

キャシー・ホーラン万歳! 怪奇大作戦/殺人回路

その昔、コンピュータ=全知全能という時代がありました。単なる計算機という枠を超えて自我に目覚め、未来を予見し、支配欲と生存欲求を持ち…。 1970年の「地球爆破作戦」、72年の「ルパン三世/先手必勝コンピュータ作戦」、77年の「デモンシード」等々。 …

いつか街で会ったなら。 俺たちの勲章/最終話「わかれ」

『竹中! チエさんは死んだんだ! これは罠だ! 逃げろ!』自分を売った女を殺すために脱獄した男、女に男を売らせた刑事、男の銃口の前に全身を晒す女、女が生きているというガセ情報に釣られて病院に現われる男、そして二人の刑事のわかれ。 「俺たちの勲…

イタチのような目をした…。 怪奇大作戦/かまいたち

『真面目で、おとなしくて、イタチのようなオドオドした目をしていて、いつも孤独で、つまり、何て言うかな、つまり…』ある青年を事件の犯人と目した牧(岸田森)が、その理由を説明しようとするのですが、うまくいきません。こんな光景を以前にも…。『あま…

上原が叩いて砕く原風景。 怪奇大作戦/霧の童話

怪奇大作戦(チャンネルNECOで絶賛放送中)と言うと、どうしても佐々木守脚本×実相寺昭雄演出作品がクローズアップされてしまいますが、シリーズ通しての立役者はやはりこの人ではないかと思います。脚本家:上原正三。「帰ってきたウルトラマン」では、…

寄ってたかってぶち壊し。 砂の器[テレビ朝日]

かつて、「太陽にほえろ!」に、エド・マクベインの「キングの身代金」をベースにしたエピソードがありました(571話「誘拐」)。 天下の黒澤作品(天国と地獄)を向こうに回しての大博打でしたが、犯人との攻防戦を軸に据えた刑事ドラマとして見ごたえのあ…

男がいる。女がいる。ガキはいない。 非情のライセンスⅢ

CSファミリー劇場で「非情のライセンス」第Ⅲ期の放送が開始されました。 そうです、シリーズの締めくくりのみならず、最後にまさかのSF的大謀略を持ち出して、特捜部を壊滅させ、続編不可能な幕引きをした、あの第Ⅲ期です。その飛ばし具合は序盤から早くも炸…

ハードボイルド。 Gメン75/第1話・エアポート捜査線

国際線スチュワーデスを介した麻薬密売事件を追う捜査上で偶然出くわした捜査一課、三課、四課、外事課の刑事たち。 黒木警視(丹波哲郎!)が彼らを組織化。ここに事件の種類を問わず横断的捜査権を持つタスクフォース“Gメン”が誕生。 でかいなぁ、スケー…

ルドガー・ハウアーを重ねて…。西部警察PARTⅢ/沖田刑事・絶唱

刑事ドラマの男の花道“殉職”。 ある者は刺され、ある者は撃たれ、あるいは事故や病気で、その短い半生を閉じ、視聴者は感涙にむせぶわけですが、ここに1人、前人未到ワン&オンリーな退場をした男がいます。 沖田五郎(三浦友和)。 東大出のエリートであり…

このフィナーレはアリだ。 必殺剣劇人・最終回

「寄らば斬るぞ」「むふふ、馬鹿め」「おととい来やがれ」 コスプレ着用で見栄を斬り、正面突破で仕事を終えるとハリボテの大ガマと閃光で目をくらませてすたすたとトンズラ。 必殺15年の幕を引いたのは、およそ必殺らしくない古色蒼然としたチャンバラ活劇…

祝!総天然色化(しかし投票結果に異議あり)。 ウルトラQ

まだビデオ化もされておらず、フィルムの上映会くらいしか観賞手段がなかった頃、友人が“神戸ルート”で海賊版を入手しました。何回ダビングしたんだよ!な劣悪画質のビデオを凝視し続けた思い出のモノクロ作品が総天然色化。長生きはするもんです。「総天然色…

市原悦子、入魂の“先生!”を聞け! 翔べ!必殺うらごろし

『ちょっとお前さん、落し物だよ』『…何も落としてねえぞ』『(匕首を突き刺して)お前さんの…命だよ』家政婦に、匕首持たせて、人殺し。歴代最低の視聴率を叩き出し、シリーズそのものの打ち切りまで検討された必殺黒歴史。でもなんか好き。「翔べ!必殺う…

まだ横浜が横浜だった頃。 俺たちの勲章

1975年。横浜。まだみなとみらいなんて影も形も無く、赤レンガは雑草生え放題の倉庫街。野毛には馬券握り締めた喰い詰め者が集い、伊勢佐木モールを一本跨いだ日の出町、黄金町には戦後の匂いにも似たいかがわしさが立ち込めておりました。『そう、俺はこの…

祝!CS放送開始! アイフル大作戦

“アイフルとは何か。アイフルとは来店不要・ネット契約で即日融資可能なキャッシング・ロー・・”…違う。“アイフルとは何か。アイフルとは凄い美人、または目を見張るほどイカす奴のこと”カルトでライトなアクション・ドラマがCSファミリー劇場で放送開始。…

桜井浩子万歳! 怪奇大作戦/恐怖の電話

脚本:佐々木守、監督:実相寺昭雄、特技監督:大木淳、ゲスト女優:桜井浩子と言えば、封印作品「遊星より愛をこめて」のカルテッドですが、全く同じ顔ぶれで作られたのが、 「怪奇大作戦/第4話・恐怖の電話」 (1968年10月6日放送/実相寺昭雄監督) す…

科学者の矜持と限界。 怪奇大作戦/死神の子守唄

『吉野、君も科学者なら俺の話を聞け』 『科学者? 科学者が何をした? 原爆や水爆を発明しただけじゃないか』 『そうかもしれん。しかし、君のやり方は・・』 『間違っていると言うのか? 間違っているかもしれない。しかし、俺がやらなかったら一体誰が京…

自粛は封印の一里塚? ウルトラセブン/超兵器R1号

『地球を守るためなら何をしてもいいんですか?!』 『忘れるなダン、地球は狙われているんだ、だから』 『超兵器が必要なんですね?』 『そうだ』 『相手は もっと強力な兵器を作りますよ』 『なら我々はもっともっと強力な兵器を作ればいいじゃないか』 『…

やはり欠番か…。 ウルトラセブン第12話/遊星より愛をこめて

CSファミリー劇場で「ウルトラセブン」HDリマスター一挙放送(拍手!)でもやはり12話は欠番。円谷の鉄のカーテンは高く硬く頑固です。 「ウルトラセブン/第12話 遊星より愛をこめて」 (1967年12月17日初回放送/実相寺昭雄監督) 本編とは関係なく、…

完璧・・。必殺仕置人/第1話「いのちを売ってさらし首」

ついに。時代劇専門チャンネルで「必殺仕置人」がスタートしました。 初放送から38年が経過しているというのに、このテンション、この面白さ。 特に初回は、深作欣二監督による必殺仕掛人第1話「仕掛けて仕損じなし」、工藤栄一監督による新・必殺仕置人第1…

涙は心の汗だ! われら青春!

ホラー、テラーからちょっと目先を変えて青春ドラマを一発。年代によっては中村雅俊=「夕陽ヶ丘~」だったり、「俺たちの旅」だったりすると思いますが、あたしら世代にとって中村雅俊と言えば、 「われら青春!」(1974年4月~9月/日本テレビ放送) 表題…

とことん東映。ルガー渡瀬見参。 大激闘 マッドポリス’80

「大追跡」のレビューをした時に“次はこれで”とリクエストしましたが、本当にやってくれました。 偉いぞ、ファミリー劇場。 「大激闘 マッドポリス’80/第一話:マフィアからの挑戦」(1980年4月8日・日本テレビ放送/関本郁夫監督) しかし、製作が東映にな…

根津甚八が役者廃業宣言(泣)。 男たちの旅路/墓場の島

根津甚八さんが難儀な事になっているようです。 ヘルニア、複視(モノが二重に見える)、車椅子で鬱・・・そしてとうとう俳優廃業宣言。 映画では「その後の仁義なき戦い」「さらば愛しき大地」、アニメでは「パトレイバー2」の柘植幸人の声なんかが印象的…

シリーズ合体! 江戸プロフェッショナル・必殺商売人[第1話]

藤田まこと、火野正平、梅宮辰夫に草笛光子。 恐らくシリーズ最高平均年齢(…と思いましたが、入れ違いとは言え中村鴈治郎と山田五十鈴と木村功が出ていた「必殺仕事人」1作目が最高平均年齢ですね、多分)の異色作が放送開始(@時代劇専門チャンネル)。 …

天保の旅芸人。 新・必殺からくり人/東海道五十三次殺し旅

主要メンバー全員死に絶えた前作の世界観を踏襲した必殺シリーズ第11作。その第1話。「新・必殺からくり人/東海道五十三次殺し旅・日本橋」(1977年11月18日放送。早坂暁脚本/工藤栄一監督)天保の改革(のとばっちり)で江戸所払いとなった「泣き節お艶一…

大殺戮戦! 必殺からくり人/最終話「終わりに殺陣をどうぞ」

とうとう「からくり人」も最終話、と思ったら返す刀で「新・必殺からくり人(東海道五十三次殺し旅)」が! 更に時代劇専門チャンネルで「新必殺仕置人」スタート!必殺フリークにとっては盆暮れ正月が一度に来たような大盤振る舞い。豪儀です。何はともあれ…

闇から闇へ。 怪奇大作戦/第24話「狂気人間」

世の中には「なかったこと」になっている作品が多々あります。あらゆるメディアでの露出を規制され、名前だけが語り継がれている都市伝説、所謂「封印作品」です。封印と言えば、ウルトラセブン第12話「遊星より愛をこめて」ですが、今回はもう1本の円谷…

最も“前のめり”な名作、遂に再放送。 必殺からくり人

シリーズ中、最もアグレッシブで前のめりでアシッドな名作「必殺からくり人」必殺と言えば、仲間も信用しない一匹狼の殺し屋が、正義ではなくビジネスとして悪を討つ、というのが基本フォーマット。ところが、からくり人は一味違います。全員が島抜けの罪人…

待ってました! 大追跡「第1話/ハイエナが集まった」

いやあ、いつやるかいつやるかと思っておりましたが、遂に放送開始(3月6日~)。 偉いぞ、ファミリー劇場。 「大追跡 第1話/ハイエナが集まった」 (1978年4月4日/長谷部安春監督) 大野雄二の滅茶苦茶景気のいい(しかし、まんまルパンな)テーマ曲…

追悼、夏夕介。 突撃!ヒューマン!!

夏夕介さんがお亡くなりになりました。1月27日。胃癌。59歳。夏さんと言えば、「特捜最前線」の叶刑事、TV版「愛と誠」の太賀誠などが有名ですが、曼荼羅畑的には、「突撃!ヒューマン!!」(1972年10月-12月)でしょう。ヒーロー物でありなが…