デストピア経典~曼荼羅畑でつかまえて(三代目)

B級カルトな特殊映画、ホラーにアニメに格闘技、酒にメタルにフィギュアに銃。日頃世間ではあまり顧みられる事のないあれやこれやを過剰なる偏愛を以てご紹介いたします。

2011-01-01から1ヶ月間の記事一覧

恵比寿ガーデンシネマ閉館(岩波ホール症候群の思ひ出)

1月28日、恵比寿ガーデンシネマが(結局、一度も足を踏み入れる事無く)閉館いたしました。17年間に上映された作品のリストを見てびっくり。観たor知っている映画は全体の2割程度。残りの8割は名前も知りませんでした。こういう小洒落た所に通うのが…

折角のネタを勿体無い・・。 ヴェノム/毒蛇男の恐怖

2005年に敢えてヴゥードゥー・ゾンビに挑戦する心意気は買いますが、展開がおざなりなので、折角の題材が台無し。3人がかりで脚本書いたのなら、1回くらいは読み返してディスカッションしろよ。 「ヴェノム/毒蛇男の恐怖」 (2005年/ジム・ギレスピー監…

合わせ鏡・・か。 高校大パニック/88万分の1の孤独

『数学できんが何で悪いとじゃあ!殺したるぅ!』 これは日活によるリメイク版(澤田幸弘/石井聰亙共同監督。浅野温子のデビュー作)のキメ台詞ですが、実に説明的ですね。オリジナルにこんな台詞はありません。 「高校大パニック」(1977年/石井聰互監督…

滑空する哲学。 風の惑星/スリップストリーム

テンポが悪いのタルいの地味のと世評は芳しくないですが、敢えて推します。 不動産で言えば“駅至近・南向き・格安。自殺者アリ”な感じの佳作です。 「風の惑星/スリップストリーム」 (1989年/スティーヴン・リズバーガー監督) 文明が死に絶え、谷を渡る…

何故?!追悼:池田敏春監督。 天使のはらわた/赤い淫画

池田敏春監督がお亡くなりになりました。 しかも、伊勢志摩で入水自殺。長年、鬱病を患っていたそうですが、何もそんな文学な死に方せんでも・・。 デビュー作は1980年の「スケバンマフィア 肉刑(リンチ)」(主演:倉吉朝子←ちょっとファンだった)。そし…

シュワルツと共にあらん事を! スペースボール

く、くだらね~。でもツボだ。 「スペースボール」(1987年/メル・ブルックス監督) 「スターウォーズ」のパロディですが、きちんとルーカスの許可を取った“純正品”。特撮はILMが手がけています。 ただし、ネタ元映画はスターウォーズに限定していないの…

点と点を結ばない。 チャド C.H.U.D.[VHS版]

一時、ロブ・ゾンビがリメイクするというニュースが飛び交いましたが、流れてしまったようです。残念だなぁ。「チャド C.H.U.D.」(1984年/ダグラス・チーク監督)2008年3月4日に紹介済みですが、VHSを入手したので再レビュー。お話をおさらいしておくと、…

拾い物です。 サンタが殺しにやってくる

タイトルの通り(原題はCHRISTMAS EVIL)、ホラーである事は間違いありませんが、所謂スラッシャーやスプラッターとは趣が異なります。 “サンタコスプレの狂った男によるイヴの惨劇、血まみれナイト”なんてものを期待すると激しく肩透かしを喰らいますが、い…

工具箱を見る目が変わる。 ツールボックス・マーダー

釘打ち銃、電動ドリル、ピッケル、ハンマー・・準備OK。 さ、行こうかな。 人を殺しに。 「ツールボックス・マーダー」(2003年/トビー・フーパー監督) ハリウッド華やかりし頃、とある富豪がとある趣味を共有する映画スターとの交流の場として建築した…

きーぷ・うぉっちんぐ・ざ・すかぁーい! 血を吸う宇宙

『もう遭えないのか?』 『遭えるかも。でもあなたは私に気づかない。だって私は全然別の人間になっているから』と書くと、「天国から来たチャンピオン」のような恋愛ものを想像しちゃいますが、いやあ・・(照笑)。三輪ひとみが諏訪太郎になったら普通気づ…

三輪ひとみ万歳! 発狂する唇

以前に観た時は“酷ぇ映画だなぁ”という印象しかなかったのですが、今回再見して確信しました。ホントに酷ぇ映画です(←褒めています)。 「発狂する唇」(1999年/佐々木浩久監督) 連続美少女殺人事件の犯人として逃走中の兄、倉橋美智夫(鈴木一真)。無実…

全力疾走の臨界点。 シャッフル

SABU監督の「弾丸ランナー」が喰い足りないのは(コメディと呼ぶには弾け方が足りなさ過ぎるというのが一番ですが)、“走るだけの映画に88分は長すぎる”からだと思います。走る、逃げる、追うという絵柄は変化に富んでいるように見えますが、その動きに慣れ…

浜美枝万歳! キングコングの逆襲/東宝チャンピオンまつり版

天本英世万歳!でもリンダ・ミラー万歳!でも良かったのですが、衣装数の多さで浜美枝に軍配としました。 「キングコングの逆襲」(1967年/本多猪四郎監督) DVDの画質の良さに驚嘆。滲みもなく、シャープ過ぎず絶妙。デジタル・リマスターの驚異って奴…

何だ、ロック様か。ウィッチマウンテン/地図から消された山

ドウェイン・ジョンソンなんて言うから誰かと思ったら、何だ、ロック様か。 「ウィッチマウンテン/地図から消された山」 (2009年/アンディ・フィックマン監督) 邦題からは想像もつきませんが、ディズニー製作のファミリーSFアドベンチャーです。 ベガ…

美男×返り血=耽美。 日本の黒幕(フィクサー)

『わしが間違っているのではない。1億人が間違っているのだ!』 こんな台詞が許されるジジイは佐分利信以外おりません。ここまで頑迷な年寄りになれれば、人生悔い無しです。 「日本の黒幕(フィクサー)」(1979年/降旗康男監督) 総理の任免も可能な右翼…

不良指数が足りないがアーシアに免じて…。 トリプルⅩ

意図的に“007の偏差値貧乏化”を狙っているのは分かります。であれば、真面目なスパイ活動のシーンとかはいらなかったかな。アーシア・アルジェントをヒロインに起用した慧眼には敬意を表します。「トリプルX」(2002年/ロブ・コーエン監督)スーツ姿のおっ…

梅宮辰夫に学ぶアナーキーの極意。 実録 私設銀座警察

どこから手をつけたものか・・。 深作の実録路線を塗り替えようという意欲と気概が滾り迸り時代考証なんか知った事かとばかりに突っ走る混沌一大絵巻です。 「実録 私設銀座警察」(1973年/佐藤純弥監督) 終戦直後、新橋の闇市で出会い、銀座警察と呼…

骨折するまで抱きしめて。 アナコンダ

ジョン・ヴォイトって若い頃は作品には恵まれているのに華がないと言うか、何故か印象に残らない役者さんでした。思うにその理由は善人役ばかりだったからではないかと。「コンラック先生」「オデッサ・ファイル」「帰郷」「チャンプ」・・・。良い映画なの…

山田邦子マスク? デビルズ・ゾーン

若者たちが田舎旅行中に酷いメに遭う・・絵に描いたような「サイコ」「悪魔のいけにえ」の亜流です。が、しかし・・。 もし、ノーマン・ベイツがマネキンを自由に操れる超能力者だったら。 もし、レザー・フェイスの被っているマスクが山田邦子だったら。 そ…

パーキングメーターに紙袋を。 殺人者にラブソングを

車を降りるや否やパーキングメーターにスーパーの紙袋をズボ!袋には手書きで“OUT OF ORDER(故障中)”。これぞ生活の知恵(貧乏は節約の母)。 「殺人者にラブソングを」 (1972年/ロバート・カルプ監督) 家族を失い、生活も破綻し、電話代も払えない喰い…

【言うほど脚本の出来は良くないが】ピラニア(1978年版)【謎クリーチャーは魅力的】

アレクサンドル・アジャ監督の「ピラニア3D」を観る前に。「ピラニア」(1978年/ジョー・ダンテ監督)ジョン・セイルズの脚本が「ジョーズ」エピゴーネンの中で突出していると評判の本作ですが、惨劇の原因作ったのが主人公たちってのが最後まで引っかか…

こんなとこ、いられる訳ねぇだろ! 日本黒社会

『おまえら。トルエン道は険しいぞ。俺はトルエンで世界を征服しようと思っている』 流石、翔兄ィ、広げる風呂敷が無駄にデカイです。 狭いボロアパートの一室でガスマスク着けてリポビタンDの空き瓶にトルエン詰めて、一休み。窓を外して(開けて、ではな…

パーカッション・リボルバーの誘惑。 ニューモデルアーミー

拳銃の完成形がピースメーカー(コルトSAA)であるというのは、変わらぬ確信でありますが、それ以前の古式銃“パーカッション・リボルバー”にも捨てがたい魅力があります。 特に「ペイルライダー」のシリンダー交換を見て以来、1挺欲しくなってしまいまし…

お久しぶりですカーペンター!新作The Ward予告編公開

劇場用としては「コースト・オーブ・マーズ」以来、実に10年ぶりとなる監督作品の予告編が公開されました。 お帰りなさい、カーペンター。 「The Ward(の予告編)」(2010年/ジョン・カーペンター監督) 今回の舞台は精神病棟(Ward)。 理由は分かりませ…

祝!CS放送開始。 装甲騎兵ボトムズ(の予告編集)

CSファミリー劇場で「装甲騎兵ボトムズ」の放送が始まりました。 思えば学生時代、バイト先の同僚に産○大学のアニメ研部長がいたのが運の尽き。 「え、伊藤さん、ボトムズ観てないんですか? 駄目ですよ、そりゃ許されません」 そして渡された3倍速でみっ…

市川雷蔵ゆかりの方では? タイフーン/Typhoon

「なあ、世の中狂っていると思わないか? 俺も!お前も!同じ言葉を話す人間同士なのに!」20年前、脱北を図るも国際情勢の都合で韓国に裏切られ、家族を失った男シン(チャン・ドンゴン)。長じて海賊となったシンは、受け入れを拒んだ韓国に特大規模のお礼…

横三角絞めの妄想。 リーサル・ウェポン

この映画の真に素晴らしい所は、自殺願望のある刑事というメンタルヘルスな設定・・ではなく、最後の勝負が徒手格闘で且つ決め技が“横三角絞め”である、という一点に尽きます。 「リーサル・ウェポン」 (1987年/リチャード・ドナー監督) 87年と言えば、…

死出の道行き。 八つ墓村(1977年版)

『死出の道行きね。私たち』 鍾乳洞に響く芥川也寸志の“道行のテーマ”。奥行き、厚み、深み、「砂の器」の“宿命”に匹敵する名曲です。 「八つ墓村」(1977年/野村芳太郎監督) この作品の凄いところは、“祟りを利用した連続殺人”というミステリーではなく、…

マサ斉藤に免じて。 オーバー・ザ・トップ

お話だけ見ると可も無く不可ばかりな80年代の残滓って感じなのですが、当時、業界をブイブイ言わせていたジョルジォ・モロダーによる「マサ斉藤のテーマ」(正式タイトルは“The Fight”ですが)が素晴しすぎるので、二階級特進。 「オーバー・ザ・トップ」(1…

サタデーナイト・スペシャル! ロンゲスト・ヤード

『奴らにも奪えないものが2つある。キンタマ(balls←複数形)だ。ここを出る時、残っているのはそれだけだ』 “なんてかっちょいいイントロなんだ選手権”をやったら上位入賞間違い無しなレイナード・スキナードの名曲「サタデーナイト・スペシャル」で幕を開…