デストピア経典~曼荼羅畑でつかまえて(三代目)

B級カルトな特殊映画、ホラーにアニメに格闘技、酒にメタルにフィギュアに銃。日頃世間ではあまり顧みられる事のないあれやこれやを過剰なる偏愛を以てご紹介いたします。

#SF・ファンタジー

滅びは鬱の特効薬。 メランコリア

冒頭、延々8分に渡って描写されるハイスピード映像。 それは鬱病患者の心象風景であり、終末への恐怖であり、滅びの瞬間そのものであったりする訳ですが、この映像を退屈だと思ったら、即リタイアしてしまう事をお薦めします。 「タルコフスキーかよ!」と…

全裸爺軍団の恐怖。 レア・エクスポーツ/囚われのサンタ

雪を蹴立ててピッケル担いだフルチン全裸の爺軍団が襲ってきたら…。 想像しただけでチビチビです(笑)。 ここは雪国フィンランド。本場のサンタは一味違う(年、明けちゃいましたが、もう1発サンタ・ネタを)。 「レア・エクスポーツ/囚われのサンタ」 (…

本望だろ、スピルバーグ。 宇宙人ポール

「たまには冒険するのもいいだろう(Sometimes, You Just Gotta Roll The Dice)」本編中に3回、形を変えて出てくる台詞です。吹き替えだと「人生にはハプニングがつきものだ」になっていましたが、字幕の方が台詞のニュアンスを汲み取っていると思います(…

インディペンデント・リメイク希望。カウボーイ&エイリアン

素材だけは超豪華。舞台は西部開拓時代。お尋ね者の凶悪犯、町を牛耳る権力者、市井の人々、そしてネイティブ、利害の異なる人々が協力して狂暴なエイリアンと対峙。奪われた家族を、男の誇りを取り戻していく。その中には人間体に姿を変えた美しき善玉エイ…

手に余る、でも欲しい。ブレードランナー/デッカードグラス

何か考えているようで考えてない、アンニュイな表情のパターンをいくつか作って、それを順列組み合わせにして無駄のない「演技」をしている役者といえば・・・。 そう、ハリソン・フォードです。 今回改めて見直してよく分かりましたが、この人、既にこの作…

比類無き名コピー。 バッド・テイスト

“グロッと、さわやか” かつてここまで力強く下品でシズル感溢るるキャッチ・コピーがあったでしょうか。 私の中では「オースチン・パワーズ」(1作目)の、 “バカも休み休みイエーイ!” と肩を並べる不朽の名コピーです。 「バッド・テイスト」 (1987年/…

SF=侵略&風刺。 曼荼羅畑的SF映画ベストテン

英国の映画誌TOTAL FILMが「史上最高のSF映画」を選出しました。10位までを上から順に列挙すると、「ブレードランナー」「スターウォーズ/帝国の逆襲」「2001年宇宙の旅」「エイリアン」「スターウォーズ/新たなる希望」「ET」「エイリアン2」「インセプ…

スノッブ向け撒き餌はいいから…。 インセプション

クリストファー・ノーラン監督のデビュー作「メメント」のDVDには、ちょっと変わった映像特典が付いています。 それはリバース・バージョン。 10分しか記憶を保てない主人公の意識を小刻みに遡っていく本編を時系列に並べなおした直球編集版です。 で、こ…

改めてSFはセンスだなぁと。 処刑惑星

「結果を決めるのは状況ではない。能力だ」 朝礼の3分間スピーチに使えそうな名台詞です。本作に当て嵌めて言えば、 「作品の出来を決めるのは(金が無いとか時間が無いとかいう)状況ではない。センスだ」 という事になるでしょうか。 「処刑惑星」(2009…

志は買うがもちっとロボ心を学んでくれ。ロボ・ジョックス

領土獲得の代理戦争として巨大ロボットがタイマン・バトル。選ばれし操縦士たちの呼び名は、 「ロボ・ジョックス」 (1986年/スチュアート・ゴードン監督) しかし、この監督、裾野広いなぁ。85年に「死霊のしたたり」、翌年に本作、「フロム・ビヨンド」「…

これが・・手書き? 王立宇宙軍 オネアミスの翼

『ちょっと待ってくれ、俺はやめないぞ。何がくだらない事だよ。ここで止めたら俺たち何だ? ただの馬鹿じゃないか。ここまで作ったものを全部捨てちまうつもりかよ。今日の今日までやってきた事だぞ。くだらないなんて悲しいこと言うなよ、立派だよ、皆、歴…

デストピアのビジュアルは理屈に勝る。 サロゲート

まともなSFとして観ちゃうと北斗百裂拳並みの突っ込みが入りますが、一種のおとぎ話(もしくは単なる馬鹿映画)として観れば十分合格です。 「サロゲート」 (2009年/ジョナサン・ターミネーター3・モストウ監督) どうしてもサロゲート→サロゲート・マ…

滑空する哲学。 風の惑星/スリップストリーム

テンポが悪いのタルいの地味のと世評は芳しくないですが、敢えて推します。 不動産で言えば“駅至近・南向き・格安。自殺者アリ”な感じの佳作です。 「風の惑星/スリップストリーム」 (1989年/スティーヴン・リズバーガー監督) 文明が死に絶え、谷を渡る…

シュワルツと共にあらん事を! スペースボール

く、くだらね~。でもツボだ。 「スペースボール」(1987年/メル・ブルックス監督) 「スターウォーズ」のパロディですが、きちんとルーカスの許可を取った“純正品”。特撮はILMが手がけています。 ただし、ネタ元映画はスターウォーズに限定していないの…

何だ、ロック様か。ウィッチマウンテン/地図から消された山

ドウェイン・ジョンソンなんて言うから誰かと思ったら、何だ、ロック様か。 「ウィッチマウンテン/地図から消された山」 (2009年/アンディ・フィックマン監督) 邦題からは想像もつきませんが、ディズニー製作のファミリーSFアドベンチャーです。 ベガ…

それでも推す。 第9地区

実は新しいアイディアなんかどこにもありません。 「ザ・フライ」と「第5惑星」を足して「シティ・オブ・ゴッド」で味付けして「ダークマン」と「ロボコップ」を振りかけた、そんな感じの代物です。 異星人を移民に見立てた着眼点と、ドキュメント映像と映…

激突か吸引か。 アルマゲドン2007/アルマゲドン2012

昔、飛行機が出てくれば何でもエアポートナントカにしちゃえ!という時代がありました。調べたら、劇場公開された正規シリーズ(大空港/75/78/80)の他に、エアポート85/94/98/99/2000/2002/2003/2004/2005/2008/2010なんてのがありました。セ…

都市伝説+大ボラ。 フィラデルフィア・エクスペリメント

マイケル・パレとナンシー・アレン。見事なまでにSFが似合わない二人がB級の誉れを華麗に上塗り。 「フィラデルフィア・エクスペリメント」 (1984年/スチュワート・ラフィル監督) その筋ではつとに有名な都市伝説“フィラデルフィア 実験”。 時は194…

トムキャット万歳! ファイナル・カウントダウン

USネイビー(1980)対大日本帝国海軍(1941)の全面戦争を期待すると見事に肩透かしを喰らいますが、タイム・スリップものとしてはなかなかの秀作だと思います。 「ファイナル・カウントダウン」(1980年/ドン・テイラー監督) とにかくスクリーン初…

何も残らない潔さ。 溶解人間

下敷きは間違いなく昨日の「原子人間」(原典に対し不誠実の極み)。 箸にも棒にもかからないパクリメイクなのに、心の襞にしっかり残る。ひょっとして名作なのか(いやいやいや)。 「溶解人間」 (1977年/ウィリアム・サックス監督) お話は簡単。土星探…

エヴァもコナンもライダーも。デジャヴ満載。 原子人間

モノクロ79分という小振りな作品ではありますが、全編デジャヴの嵐です。 「原子人間」(1955年/ヴァル・ゲスト監督) 有人探査ロケットが宇宙から帰還(と言うか景気良く墜落)。パイロット3名の内、生存者は1名。他の2人は宇宙服だけ残して消失…

ワタシタチハトモダチデス! マーズ・アタック!

オープニングの“爆走する焼肉の群れ”と宇宙にひしめく“プラン9型(もしくはゴケミドロ型)UFOの群れ”で掴みはOK。バートンに 大金渡して 放し飼い。 「マーズ・アタック!」 (1996年/ティム・バートン監督) まあ、しかし、何ざんしょ、この無駄に豪…

イケイケパルパティーン。 スター・ウォーズ/シスの復讐

「只今より、スターウォーズを上映いたします」 1977年、夏。ぎこちない館内アナウンスが流れた時、横浜東宝は万雷の拍手と歓声に包まれました。 私の友人は20世紀FOXのファンファーレが鳴り響いた段階で感極まって泣いておりました(元気か、池さん)。 そ…

決め技はサイド・スープレックス! ゼイリブ

『そんなこったろうと思った』 見渡せば周りはエイリアンで一杯。広告だと思っていた看板には「服従せよ!」「考えるな!」「テレビを見ろ!」「消費しろ!」「眠ってろ!」「結婚して子供を産め!」・・・。 It’s a Beautiful World. 「ゼイリブ」(198…

話のベクトルはそっちで良かったのか? ターミネーター4

続編が自分の望んだものと違ったからと言って文句を垂れるのは筋違いです。筋違いですが・・。 お話の方向性ってそっちで良かったのかジョン・コナー? 「ターミネーター4」(2009年/マックG監督) 前哨戦として、本編のサブキャラ女兵士ブレア・ウィリア…

風呂敷広げたい放題。 ハイランダー2/甦る戦士

「マッドマックス」が2作目で近未来アクションからデストピアSFになった時もぶっ飛びましたが、こいつは更に上手。 「ハイランダー2/甦る戦士」 (1990年/ラッセル・マルケイ監督) 首を切り落とさない限り死なない不死身の高地人ハイランダーの末裔が…

SF的状況を設定だけで突破する。 ストーカー

「うる星やつらを支えていたSF的な道具立てを言葉だけで突破してみよう、と」押井守が「御先祖様万々歳」について語った時の語録です。あやかれば、「惑星ソラリスを支えていたSF的道具立てを設定だけで突破してみよう、と」という感じだったのではない…

ロリと美熟女はOKなのですが…。 グリーン・デスティニー

好きな要素はたぁくさんあるはずなのに何故ダメなんだろう。 「グリーン・デスティニー」(2000年/アン・リー監督) 北京の夕景がドンと出てきた時は息を呑みましたよ。 竹林の中で沖雅也似のチョウ・ユンファと藤純子似のミシェル・ヨーがお茶を飲む時の額…

ペプシマン+ミスターNO? 地球が静止する日【2008年】

うむむ。一瞬、言葉に詰まりましたが、気を取り直して心を込めた一言を。「うわあ、つまんねえ」 「地球が静止する日」 (2008年/スコット・デリクソン監督) オリジナル(1951年版)が持っていた知的な要素がごっそり欠落。謎の物体が秒速3万キロでマンハ…

トンデモ脚本を豪腕演出。竹下景子万歳!ブルークリスマス

公開当時、“トンデモSF”扱いされ、興行も批評も今ひとつだった本作ですが、何でしょうこの安心感は。ちゃんとした監督とちゃんとした役者。そうだよ、これが邦画だよ。 「ブルークリスマス」(1978年/岡本喜八監督) 倉本聰の脚本は穴だらけ(一言一句変え…