デストピア経典~曼荼羅畑でつかまえて(三代目)

B級カルトな特殊映画、ホラーにアニメに格闘技、酒にメタルにフィギュアに銃。日頃世間ではあまり顧みられる事のないあれやこれやを過剰なる偏愛を以てご紹介いたします。

2012-02-01から1ヶ月間の記事一覧

そのメタル、掟破り。 21世紀の精神異常者/人間椅子

♪仕事には 苦労する 割とシビアなヘヴィ・メタル… ビデオ屋と 楽器屋と ビラ配りするヘヴィ・メタル… さて、これは何と言う歌の歌詞でしょう。 答えは「21世紀の精神異常者」(@キング・クリムゾン)。 本当だってば(笑)。ネタ元は、 「遺言状放送」(人…

白人の呪いをかけてやる!スティーブン・キング/痩せゆく男

「タッタリア・ファミリーをぶっ潰してくるぜ」マフィアのボスを弁護する父親に娘がマーロン・ブランドの物真似をしてみせる・・個人的に掴みはOK。で、このマフィアのボス、ジネリを演じるジョー・マンテーニャ(←ゴッドファーザーPartⅢのジョーイ・ザザ…

CHOPPING MALLへようこそ。 キルボット

製作がロジャー・コーマンのカミさんで、内容が“警備用ロボットの暴走・殺戮映画”と聞けば、「ロボコップのED209(写真下の奴ね)のパクリか」と誰もが思うでしょう。 しかし何とこちらの方が「ロボコップ」より1年早いのです。 恐るべしコーマン・フ…

不良番長型ランドマスター。 バトルトラック

武装バス、装甲トラックマニアとして、このタイトルを外すわけにはいきません(笑)。 「バトルトラック」 (1982年/ハーレイ・コークリス監督) 原題も“BATTLETRUCK”。何て偏差値貧乏で素敵なタイトルなんでしょう。 罵堵坩屠羅駆と当て字をしたくなります…

情け無用、国境無視の破壊神、その名はジミー・ウォング。 スカイ・ハイ

その男の通った後にはぺんぺん草一本生えないと言う。 香港から来た悪魔。天皇巨星。ジミー・ウォング。 あと1週間、捜査が長引いていたら、シドニーは瓦礫の山と化していたでしょう。 「スカイ・ハイ」(1975年/ブライアン・トレンチャード・スミス監督)…

そこまで分かりやすくしなくても。 モールス

ハリウッド・リメイクには大雑把に2種類あると思います。ひとつは、クラシックと呼ばれる作品を現代の感覚で再構築するもの(「遊星からの物体X」「スカーフェイス」)。もうひとつは比較的最近の外国映画を自国仕様に焼き直すもの。後者は、「他国の文化な…

本家IN ROCK。何だよ、彼女たちのスモークなんちゃらって

先日ご紹介した「KISSラシュモア山オブジェ」の写真を見ていたら、本家(?)Deep Purpleの「IN ROCK」を聴きたく、いや観たくなってしまいました。69年-70年にかけてのPurpleの映像は少なく、スタジオ・ライブを断片的に収録した" Doing Their Thing"…

懐深さが試される。 ソドムの市

稚拙な演技、映研並みの演出と映研以下の特撮。そして繰り返される確信犯的脱力ギャグ。 「おいおい、本気かよ(呆)」が、「く、くだらねー(笑)」に変わり、いつしか「あ、なんかいいかも」に(←パンチ・ドランカー状態)。 「ソドムの市」(2004年/高橋…

そう言えば実写版って…。 TV版エヴァ北米BOX

ヱヴァ新劇場版を観ていたら、オリジンである旧TV版が無性に…。しかし、国内版DVDはお高いので、北米版のBOXを取り寄せました。TV版26話(一部修正あり)+LD発売日に追加されたDC版4話(♯21-24)の全30話を6枚に収めた薄型BOX(写真上)…

電源鳴動、画面緘黙。 ブラウン管最期の日

パナソニックがついにVHSビデオデッキの生産継続を断念。流通在庫がなくなり次第、市場から消滅。他メーカーが追随したらこの世からVHSが消えてなくなる事になります。まだまだ未DVD化で中古VHSでしか入手不能な映画(ホラーとか、ホラーとか、…

KISS IN ROCK! 雷神がラシュモア山で狂気の叫び

玄関の靴箱の上には小洒落た置物が欲しいもの。007の黄金銃のプロップなど専ら映画系小道具レプリカを作っているファクトリー・エンターテイメント社が珍しく音楽系フィギュアに手を出しました。選んだアーチストはKISS。流石、お目が高い。「KIS…

恐るべし震災後戸梶。 なぎら☆ツイスター

にしてもこの人の田舎(人・町・因習すべて)に対する悪意はどこから溢れ出てくるのでしょう。ひと山幾らの激安人生を描かせたらこの人の右に出る者はいません(出たいと思う人もいないでしょうが)。「なぎら☆ツイスター」(2012年/文春文庫/戸梶圭太著)…

よく見りゃすんげぇ面子じゃないか。 テレフォン

最も危険な罠、それは不発弾。 たくまずして仕掛けられた地中の闇に眠る殺し屋。 それは突然に目を覚まし、偽りの平穏を打ち破る。 [装甲騎兵ボトムズ第4話予告編より] 冷戦時に放たれた信管くわえた不発弾が眼を覚ます。 「テレフォン」(1977年/ドン・…

ナチ×米軍×ゴリラ。 SFゾーン・トゥルーパーズ

「ロボット・モンスター」は宇宙人が“ゴリラ+スキューバ・ヘルメット”で嫌ぁな気持ちになりましたが、こちらは“ゴリラ+シルバー・スーツ”。やっぱり嫌々です(笑)。「SFゾーン・トゥルーパーズ」(1985年/ダニー・ビルソン監督)第二次大戦時のイ…

軽いつもりがハード・ゴア。 ゾンビ処刑人

ゾンビが悪人退治のヒーローに…。軽いノリのホラー・コメディのはずが、いつしかハード・ゴアなシリアス路線へ。こういう振れ幅の大きさを余裕で許容してしまうのが“ゾンビ”というジャンルの懐深さです。「ゾンビ処刑人」(2009年/ケリー・プリオー監督…

安いタイトルに惑わされるな。 サスペリア・ナイトメア

イタリア・ローマ国際ファンタスティック映画祭ヴィンセント・プライス賞受賞作を劇場公開もせず、どこから見てもバッタもんなタイトルつけてビデオスルー。VHS廃盤、DVD化の気配無し。勿体無いなぁ。 「サスペリア・ナイトメア」 (1994年/マリアノ・バイ…

命と引き換えの1時間。 孫文の義士団

『明後日、守って欲しい人がいる』 『分かった。一番の難所を受け持とう』 『…誰を守るのか訊かないのか?』 『明日、誰を守るのか知ってるの?』 『(首を振る)旦那様が喜んでくれればそれでいい』 さあ、男泣きの時間だよ。 「孫文の義士団」(2009年/テ…

完コピの鑑。 リッチーの独りボヘミアン・ラプソディ

74年当時と思われるQUEENのライヴDVD(ブート)を観る機会がありました。一般的にQUEENと言えば、角刈り・白タイツ・口髭のゲイ・ファッションに身を包んだフレディが電通御用達の様なCMウケするポップスを歌う80年以降をイメージする人…

無理だろ。 リメイク版ロボコップ候補にラッセル・クロウ

リメイク版「ロボコップ」の主役(マーフィ)候補にラッセル・クロウが挙がっているそうです。ぐ、グラディエーターがロボコップ?どうやってあのロボ・スーツを着込むんだ? 銀色のハルクになっちゃうぞ。 塗るのか、地肌を銀色に。ってかその前に改造する…

丸パクリ完コピ俺様セブン。 レザレクション

森永エンゼルパイとロッテのチョコパイ。あるいは日清製菓のバターココナツと日清シスコのココナッツバター。 「セブン」と本作の関係性を無理矢理例えるとこんな感じ。 要するに丸パクリ完コピって事ですが、これはこれで美味しく頂けました。 「レザレクシ…

そのボカシ、万死に値する。 ぼくのエリ 200歳の少女

『君、いくつなの?』『12歳だよ。ずっと前から』残酷で静謐で詩的。低予算ゆえの突っ込みどころは多々ありますが、思春期の不安定な情感を見事に掬った佳作だと思います。「ぼくのエリ 200歳の少女」(2008年/トーマス・アルフレッドソン監督)雪に閉ざさ…

窓に!窓に! 漫画で読み解く神話の萌芽。 ダゴン

今月はすっかりクトゥルフ特集になってしまいました。ラヴクラフトの凄い所は、時代も場所も異なる話に共通の小道具を投げ込む事によって、それらが同じ世界観の下で起きているという“広がり”を持たせた事でしょう。先月末にご紹介した漫画「ダンウィッチの…

放送された事に意義がある。 インスマスを覆う影

例えば「世にも奇妙な~」とか、「本当にあった~」とかと同じ土俵のモノサシで測ると“物足りないホラー”になってしまうかもしれません。 所謂、幽霊譚とクトゥルフは別の世界の物語。 この時代に、しかもゴールデンにラヴクラフトがテレビ放送された、その…

USA!USA! 世界侵略:ロサンゼルス決戦

『彼らの目的が資源なら、原住民は邪魔なだけですからね。(掃討は)植民地政策の基本ですよ』『息子は能天気でね。どうしてお話しないの?友達が欲しいだけかもよって。言ってやりました。銃を持って追いかけてくる人とは友達になれないよ』『軍は誰も見捨…

マスクの季節ですねぇ…。13日の金曜日マスク博覧会

2月です。マスクが手放せない季節になりました。 マスクと言えば、ホッケーマスク(いや、本当はハロウィン・マスクと言いたいのですが、ネタにできるほど商品化されてないのよ)。 ちょっと市販のホッケーマスクを並べてみました。題して、 「13日の金曜日…

いつも心にトラビスを(&エレン・ペイジ万歳) SUPER スーパー!

DVD鑑賞なので劇場の様子は分かりませんが、もし「キック・アス」を期待した客が多数いたとしたら、潮干狩りが出来るくらい音を立てて引いたのではないでしょうか。 手製コスチュームに身を包み、町の小悪党を退治する中年男と、押しかけ相棒志願のオタク…

全てピンボケ。 グリーン・ホーネット

金持ちヒーローのキャラ設定は実に難儀。ブルジョアぼんぼんの自己完結型ひとりよがり正義を勧善懲悪に軌道修正するにはちょっとした工夫が必要です。バットマンは、メンヘラ並みに屈折した人格が、悪役との境界線を曖昧にしてダークヒーローとしての品格を…

メタルで読むラヴクラフト。 人間椅子/ダンウィッチの怪

♪俺は大地と海洋の 近親婚の末息子 因襲めいた村の奥 夜鷹に言葉教わった。 漫画→画ニメと続いたラヴクラフト三題噺、最後のお題は“メタル”(一応、しりとりになっています)。 音楽界にもラヴクラフト崇拝者は多数いますが、何と言っても代表は人間椅子。 7…

ジオラマで?! H・P・ラヴクラフトの ダニッチ・ホラー

昨日はラヴクラフト漫画化の高閾値に触れましたが、今日は更にハードルを上げた鬼企画、“ジオラマと人形でラヴクラフト”。 「H・P・ラヴクラフトの ダニッチ・ホラー」(2007年/品川亮監督) タイトルのダニッチ・ホラーとは昨日ご紹介した「ダンウィッチ…