デストピア経典~曼荼羅畑でつかまえて(三代目)

B級カルトな特殊映画、ホラーにアニメに格闘技、酒にメタルにフィギュアに銃。日頃世間ではあまり顧みられる事のないあれやこれやを過剰なる偏愛を以てご紹介いたします。

2012-06-01から1ヶ月間の記事一覧

ギムレットにはまだ早い。 長いお別れ

「ギムレットにはまだ早い」 よくカクテルの解説本でギムレットの項を見ると大抵「フィリップ・マーロウの台詞としてあまりにも有名な」という枕詞付きでこの台詞が載っていますが、ちょっと待てい! これはマーロウの台詞じゃないだろう。 説明不要かと思い…

モア・スラッシュ! ウェス・クレイヴンズ ザ・リッパー

82年にフルチ爺さんが同名のスラッシャーを撮っているので、その手合いかと思いましたが、ちと趣向が違っておりました。クレイヴンの作品で言えば「エルム街」とか「ショッカー」と同じ箱に入るスーパー・ナチュラル系ホラーです。 「ウェス・クレイヴンズ …

英国対俺その…幾つだっけ? 殺し屋映画ベストテン

英国TOTALFILMが「殺し屋映画ベスト50(50 Greatest Movie Assassins)」を発表しました(ネタ底無しだな)。 上位10本をタイトルのみ上から列挙すると、 「ボーン・トリロジー」「ノー・カントリー」「ジャッカルの日」「キル・ビル」「レオン」「サムラ…

ハングオーバー!! 史上最悪の二日酔い、国境を越える

「フィル、今どこ?!」「すまん…またやっちまった」「まさか、(結婚)式は欠席?」「いや…(事態は)もうちょっと悪い」フィルの後で頭を抱えているスチュとアラン(写真上)。何故かアランは托鉢されている!今度は何をやらかしたんだ、お前ら!?「ハン…

これで終わりって酒だ! 野獣死すべし

初めてカクテルに出会った(「飲んだ」じゃなくて「知った」)のは松田優作と室田日出男のこの会話から。『リップバーン・ウィンクル・・・どんな酒を飲んだんだろう。俺も、飲んで、みたいな』『憶えてます。ラム、コアントロー、それにレモンジュースを少…

大戦の亡霊が傷痍軍人の姿で…。 鉄人28号/蘇る正太郎

『そう、どんな攻撃にも耐えうる鉄の鎧に身を固め、底知れぬ力で居並ぶ敵を叩いて砕く! 決して倒れる事無く、死ぬ事無く、ただひたすら操縦者の意のままに戦い続ける不死身の兵士。 海であろうが、空であろうが、戦う場所を選ばない。 それが、それが、勝利…

二礼・二拍手・一礼。 ゴッドファーザーPartⅡ

ご家庭の本棚の必需品。それは聖書でもシェイクスピアでも家庭の医学でもありません。 ゴッドファーザーです。 勿論「3」まで含めた3本が(欲を言えばSAGA-特別完全版-が)揃って1セット。 単独で捉えれば1作目こそがワン&オンリーな大傑作で、他の2…

SATとSITの区別くらいつけてくれ。 ワイルド7[2011実写版]

まず原作版「ワイルド7」をご用意ください。 次に、ここから“エロ”と“暴力”のページを全て破りとってください。 残った残骸に“恋愛”と“内省的独り言”と“守りてぇんだよぉ!”を加えてください。 はい、完成です。 「ワイルド7」(2011年/羽住英一郎監督) …

ジャックとダニエルで持ち崩す。 シャイニング

映画の小道具で最も登場回数が多いウィスキーって何でしょう? 別に統計を取ったわけではないので、ウルトラ当てずっぽうですが、アメリカ映画に限って言えば「ジャック・ダニエル」ではないでしょうか。 印象の強い作品と言えばはやはり、 「シャイニング」…

いつも心にサントラを。 邦画編

ちょいと前にジャンル別洋画サントラベストテンを書きましたが、後になって「しまった、あれも抜けていた、これも抜けていた」と悔やむ事しきり。特に主題歌部門で「オーガズモ[Now,You Are THE MAN]」と、アラン・ドロンの「ル・ジタン」が落ちていたのは失…

混ぜない。振らない。一気飲み。 ワイルドなカクテル。

本日のお題は「ワイルドなカクテル」。昔「こち亀」で両さんが、ウイスキーをラッパのみした後、「ストレートは胃に悪いかな」と水道水をがぶ飲みして胃の中で「水割り」にするというシーンがありました。胃の中とまではいきませんが、口の中で合体させるカ…

再び岡田奈々。 暴力戦士

初見から33年(DVDの販売告知レビューから3年8ヶ月)。果たして「ウォリアーズの劣化コピー」という印象は変ったでしょうか?冒頭、指を鳴らしながら闊歩する田中健と仲間たち・・すまん、輝男(呼び捨てかい!)、やっぱり駄目だ!「暴力戦士」(1979年…

初めて覚えたお酒の名前。 ルパン三世/魔術師と呼ばれた男

グルメやらホテルやらのクチコミサイトAlike.jpに(開設者繋がりで)「お酒に関するコラム」なんてものを提供していたのですが、いつの間にやらサイトが人手に渡っておりました。 当然、私のページはメニューから抹消。栄枯盛衰世の習いとは言え、全く人目に…

眉間がムズムズする…。 ロシアン・ルーレット

“♪うぉうおう、さあ輪になってロシアン”という1発ネタだけが勝負の「13/ザメッティ」を監督自らセルフ・リメイク。「ロシアン・ルーレット」(2010年/ゲラ・バブルアニ監督)金に困った青年が一晩で大金が稼げる仕事があると聞いて来て見れば、そこは集団…

制御不能の白い猿。 ウルトラ6兄弟VS怪獣軍団

『仏様を大事にしない奴は死ぬべきなんだ!』かつてここまでラジカルな決め台詞を吐くヒーローがいたでしょうか?仏像を盗み、それを咎めた敬虔な少年を撃ち殺した悪党を追い掛け回し、踏み潰し、握り潰し…。しかも「どうした悪党」「ほーら、逃げてみろ」な…

釜ヶ崎と生きる…。 (秘)色情めす市場

「うちな、何か、逆らいたいねん…」田中登監督の「(秘)女郎責め地獄」に続くマルヒシリーズ第二弾ですが、そのベクトルは真逆。幽玄の世界から匂い立つ日常へ。舞台は大阪、釜ヶ崎(全編ロケ。一部盗撮)。「(秘)色情めす市場」(1974年/田中登監督…

人間浄瑠璃! (秘)女郎責め地獄

「あなた、お笑いなさったね」 「ああ、笑いましたよ。晒し者見て笑っちゃいけませんか」 「そして目が綺麗だとおっしゃった」 「ええ。あんな綺麗な目、初めて見ました」 「…お蝶は、めくらでございます」 “生きている人は死んでいて、死んでいる人こそ生き…

早過ぎる!うる星やつら×インディ・ジョーンズ/魔宮の伝説

1984年6月21日。私はバイト先の映画館で行われる試写会に(従業員特権で)潜り込んでおりました。 上映作品は「インディ・ジョーンズ/魔宮の伝説」。 前作「レイダース」の時は、宣伝ポイントを読み誤り、“セスナから飛び降りるバイク”という絵柄一発の「キ…

タイへ? スキャナーズ3

前作で物足りなかったサイキック・ウォーズを大胆に取り入れたら、僅かに残っていた哀愁が根こそぎなくなって、安いアメコミみたいになってしまいましたが、まぁいいじゃないですか。「スキャナーズ3」(1991年/クリスチャン・デュゲイ監督)力のコン…

その謎の習字幕は何だ? スキャナーズ2

1作目から捨て置かれる事9年。 一応、地平は繋がっていますが、クローネンバーグの姿無し。エンターテイメント路線に軌道修正された全くの別物です。 「スキャナーズ2」 (1990年/クリスチャン・デュゲイ監督) まず、浮浪者スキャナーがゲーセンをささ…

着メロ復活!大団円! 組織暴力対策部捜査四課FINAL

「2」以降、封印されていた(マナー・モードになっていた)熊田刑事(小沢仁志)の携帯着メロ“森の熊さん”が華麗に復活。『何とかならないのかよ、その着メロ!』 『変え方が分かんねえんだよ!』「組織暴力対策部捜査四課FINAL 首都消滅?!」(2006…

子供も騙せない…。 鉄人28号[2004年実写版]

『いいかね、男の子の人生は冒険から始まるんだ』この素敵な台詞に免じて全てを水に流そうかと一瞬(0.0002秒くらい)考えましたが、駄目、無理、不可能。監督も脚本家も(あと一部出演者も)“恥”という言葉の意味を知っているなら舌を噛むか腹を切りなさい…

オリジナル超えの嵌り具合! 既製曲流用サントラベストテン

単に好みの曲を並べているだけのサントラ屋台3連発。最終回は“まるでオリジナル曲のような嵌り具合”に耳を疑う“既製曲流用サントラ”ベストテン。1.地獄の黙示録[ジ・エンド](ドアーズ)風~ナパーム~ジム・モリスン…最強のオープニングです。2.デビ…

血液が深く静かに逆流する…厳選燃えサントラ[インスト編]

昨日からの流れで私的サントラ押し付け紹介。今回は燃えるインスト編。1.ウォリアーズ(バリー・デ・ヴォーゾン)これくらい一気に作品世界に引きずり込んでくれる曲はちょっとありません。高校の英研の部室で毎日鳴り響いていた青春の一曲。2.サスペリ…

米国対俺。 映画主題歌ベストテン

米国の映画雑誌「エンターテイメント・ウィークリー」が“映画主題歌ベスト15”を選出しました。インストと既存曲流用は除外。ランク付け無しの順不同15曲です。セリーヌ・デュオンの「タイタニック」、ホイットニーの「ボディガード」から、アイザック・ヘイ…

暗中模索な初期設定を愉しむ。 仮面ライダー/怪奇蜘蛛男

今や仮面ライダーと呼称されるキャラクターが何人いるのか想像もつきませんが、長寿シリーズの原点は、“暗中模索の初期設定”がてんこ盛りで実に味わい深いものがあります。 「仮面ライダー/第1話・怪奇蜘蛛男」 (1971年4月3日放送/竹本弘一監督) ざっと…

説教と訓示に溢れた25分。 マグマ大使/危機一髪 東京!

「お前がゴアか?!」 「俺には信じられない。お前のような奴がこの地球にいたとは! 貴様の名は?!」 「私はマグマ大使だ。お前と戦う為にこの地球に生まれたロケット人間だ!」 円盤から見下ろす侵略者ゴア。斜め下方でホバリングしながら見上げるマグマ…

毛が足りない。毛が。 メカニック[2011年版]

オリジナルの脚本書いたルイス・ジョン・カリーノ(マフィアみたいな名前だな)が、原案だけでなく脚本にもクレジットされているので、ちょいと拳を振り上げにくいのですが、極めてフツーな、特徴の無い、味わいに欠けるアクション映画になってしまいました…

崖墜ちシーンNo.1 メカニック[1972年版]

綿密なプロファイリング(と言うかストーキング)によってターゲットの行動パターンを読み、幾重にも錯綜した罠を仕掛け、最終的には事故死に見せかけて殺す…。 その冷徹な仕事ぶりから“メカニック”と呼ばれる1匹狼の殺し屋ビショップ(チャールズ・ブロン…

その柔肌はキャンバス。 徳川いれずみ師 責め地獄

最近、ニュースにはトンと疎くなっているのですが、なんでも西の方では公務員の刺青は個人の趣味なんだとか。 確か刺青というのは、所属する反社会的組織への忠誠と、一般社会に戻る事の拒絶の意思表示だったかと思うのですが、フリーダムな時代になったもの…